■感情が動けば、悪いことでもしますが、

感情が動かなければ、良いことでもしません。

 

つまり、人は思考では動かない、

ということが言えるでしょう。

 

そこで、組織を動かすためには、

人を動かすことが必要となり、

そこでは、感情を動かすことが不可欠となります。

 

思考に訴えるならば、データや説明、理論があれば良いでしょう。

 

では、感情に訴えるには、何が必要なのでしょうか?

 

■そこで、今回は、一つ事例をご紹介しましょう。

 

それは、わたしが中学生の時のことです。

 

技術の時間に、体育着に着替えて工作室に集合することになりました。

 

一人に一枚ずつラワン材を与えられ、

旋盤で表面を滑らかに加工してから、

ノコギリで切って組み立て、

数ヶ月をかけて、卓上用の本棚を造る、という単元です。

 

その初日、

座学と異なり、頭を使わない時間だと思っているためか、

私も含めて生徒はみんな工作室に集まったものの、

いつまでもお喋りがやみません。

 

旋盤の、板の挿入口には、カンナの刃が扇風機のように

取り付けられたものが見えていますが、

生徒たちには、

とてもそんな危険な機械を扱うことに対する

緊張感のカケラもありませんでした。

 

そんな様子に、

先生が怒るかと思ったら、まったくその逆で、

小さな声で、最前列の生徒に話しかけるように言ったのです。

 

「この授業をするたびに思い出すことがあるんだ」

と。

 

「7年ほど前、その当時勤務していた中学校でも、

この授業があった。

 

ぼくは職員室で事務作業をしていたのだけれど、

もう一人の技術科の先生の授業の時のこと。

 

ある生徒がおしゃべりに夢中で、

ラワン材を入れる際に、

よそ見をしていて、

その挿入口に両手を入れてしまい、巻き込まれた。

 

見ていた生徒の一人が職員室に飛び込んできて、

知らせてくれたが、

自分も工作室に駆けつけた時には、

旋盤の内部は真っ赤になっていた。

 

応急処置をしてすぐに救急車で病院に運んだが、

結局、その生徒は両手首を失ってしまった。

 

その後、担当していた教員と自分で

なんども入院先の病院に見舞いに行ったが、

行くたびに生徒は

「死にたい」

と言い、

付き添っていた母親はがっくりと肩を落とし、

かける言葉もなかった。

 

あの時のことは目に焼き付いて忘れられない」

 

ここまで先生が話した時には、

教室は水を打ったようにシーンとなっていました。

 

さっきまでのお祭りのような雰囲気とは打って変わって、

すっかり、しんみりとなり、

鉛のように重い空気がその場を支配していました。

 

その日以降、

数ヶ月の間、

わたしたちは、

毎回、しんみりとした中で作業を続け、

数週間のあいだ鉛のような重い空気の中で、

卓上本棚を完成したのでした。

 

■解説は次回以降にまたお伝えします。

 

■なお、患者サービス研究所では、

感情に訴え、本当に組織を変える組織づくりの

1Dayセミナーを行なっています。

 

7/28(土)

8/19(日)

9/29(土)

です。

 

いずれも、13:30〜16:30、東京です。

主催は

患者サービス研究所

およびその企業対象コンサルティング部門である

人事・組織開発研究所

となっています。

 

教育研修するだけで終わらず、

本当に自走する組織体質を創りたい方は

ぜひお越しください。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。