それも指示命令体質?! (1) 「帰りの会話」

それも指示命令体質?! (1) 「帰りの会話」

■負責病とまでは言わないけれど、

「これも指示命令体質のせいか!」

ということが多々あります。

 

それほど、私たち自身が自覚できないくらい

指示命令体質が、深く染み付いているからです。

 

■たとえば、終業時間に、こんな会話を、わたしもよくしていました。

 

部下の

「お疲れ様でした。お先に失礼します!」

に対して、

わたしも、

「お疲れさま!

そう言えば、来週の資料、できているか?」

「はい、大丈夫です」

「助かるよ。

ところで、今日のあのお客さん、大丈夫だったか?」

「ええ、わかっていただけましたので、問題ありません」

「よかったな。

以前たのんだプロジェクトの件、順調か?」

「はい、少しピッチ上げてゆきます」

「そうか、頼んだぞ。じゃ、気をつけて!」

 

こんな会話は、どこの現場にもあるでしょう。

 

■しかし、心理構造を考えてみると、

見えてくるものがあります。

 

というのも、この会話は、すべて、

上司である私が

「ぼくが指示したことがちゃんと進んでいるのか?」

と聞いているだけです。

 

つまり、

上司が、上司の価値観を

「ちゃんとやってくれよ」

と、IN-Putしているだけの会話だということがわかります。

 

そして、部下の価値観を

「本当は、きみはどんなことが気になっているのか?」

「本当は、どんなことをしたいのか?」

「やる気が高まっているのか?それとも落ち込んでいるのか?」

と、OUT-Putさせるような言葉は一言たりともありません。

 

上司が、

「ぼくの価値観にしか関心がない。

きみの価値観など興味がない」

と言っているのと同じです。

 

これで、部下のモチベーションが上がるはずもありません。

 

まして、部下が

「この上司のためなら、ぜひ力になろう」

と思う理由がありません。

 

■指示命令体質が染み付いていると、

こうしたIN-Putだけの会話にも、

違和感を覚えることがなくなってしまいます。

 

一方、自律進化体質であれば、

まず、

「今日は何か気になったことはあったか?」

と相手の価値観に関心を示すことから始まります。

 

なぜなら、

自律進化組織においては、

職員本人が何を感じ、何を考えているかが、

すべての言動の起点となるため、

上司は、部下の気持ちにおのずと関心が向くからです。