揺るがないもの / 真生会富山病院

揺るがないもの / 真生会富山病院

■研修の依頼を受けて伺うと、

「まず、提案して欲しい」

と言われることがあり、

その都度、残念に思うことがあります。

 

もし、みなさんが、高いお金を払って薬を買う時には、

「どうしても、この苦痛を取り除きたい」

という明確な要望があるはずです。

 

大した苦痛もないのに、

お金を払って、

わざわざ薬を買って飲むということは、無いでしょう。

 

まして、大した苦痛もないのに、

わざわざ薬店を訪れて、

「わたしのような年齢・性別に一般的に買われている良い薬を紹介してみて欲しい」

という漠然とした相談をすることもないでしょう。

 

そんなことをするほど、お金や時間が余っていることもないでしょう。

 

しかし、病院の研修となると、なぜか、それと同じようなことが多々起きているのです。

 

■そもそも、

高いお金を払って研修を企画する時には、

「どうしても、この課題を解決したい」

「どうしても、こんな組織を創りたい」

という明確な要望があるはずです。

 

大して課題を感じてもいないのに、

お金を払って、

わざわざ研修を行なうことは、無駄以外のなにものでもないでしょう。

 

まして、大した課題もないのに、

「まず、提案して欲しい」

という漠然とした相談をすることが、いかに滑稽なことか、おわかりのことでしょう。

 

医療現場にも、そんなことをするほど、お金や時間が余っていることもないはずです。

 

■にもかかわらず、

「そもそも、どんな組織を創りたいのですか?」

とお訊ねしても、

明確なゴール像の説明が返ってこないことが多々あり、

 

ということは、

多くの医療機関で、

漠然と企画して研修を行ない、時間と労力と費用の無駄遣いをしていることが感じられ、

実に残念に思っています。

 

■研修やコンサルティングを務めさせていただく立場としても、

「良いのをやってくれ」

と言われることほどやる気の出ないものはありません。

 

講演することが仕事だと考えている研修講師は、

自由にできて、結果への責任も問われないので、

このような漠然とした依頼には喜ぶかもしれません。

 

一方、

病院組織により良くなってもらうことが仕事だと考えているコンサルタントにとっては、

「病院には病院の、明確な目指すべきゴール像があり、

そこにたどり着くための手段として、

あなたの施策を使いたい」

と言われる方がやりがいと誇りを感じます。

 

なぜなら、

組織の(経営者・上層部の)本気度がわかり、

必ず、研修やコンサルティングが、結果につながることがわかるからです。

 

■現在、関わらせていただいている富山県の真生会富山病院では、

コンサルティングの一環として行なうさまざまな施策について、

院長先生からは、常に、

「それは、いま病院が進めている取組の、どの部分を担うものか?」

と質されます。

 

そこには、

明確な目指すべき組織像があり、

そのゴールへの道筋が明らかに描かれていることがわかります。

 

つねに、揺るがないビジョンがあり、

すべての施策が、一貫してそのビジョン実現に向けられているのです。

 

ここまで徹底して

手段に拘泥せず、目的を最重要視している組織は、

病院・企業を問わず、

真生会富山病院をおいて他には、ほぼ見ることができません。

 

多くの病院・企業は、

「どうやるか?」

と、手段ばかりを話し合いますが、

「なぜやるか?」

と、目的を話し合うことが欠けているので、

いつも狙いが曖昧で、

効果が充分に上がりません。

 

というより、

どんな効果を自分たちが求めていたのかすらも曖昧で、

「やったのだから、それで良い」

という自己満足に陥っていることが多いのです。

 

そもそも目的地が不明確なので、

近づいたか遠ざかったかを検証するという発想すらない

ということも珍しくありません。

 

一方、真生会富山病院では、

つねに、

「なぜやるか?」

目的を起点とすることが徹底されています。

 

目的が明確なので、

近づいたのかどうかを常に検証できるため、

着実に前進することが可能となるのです。

 

こうしてみると、

真生会富山病院は、

「何か、良い研修を提案して欲しい」

という病院とは、対極にある病院だということがわかるでしょう。

 

さまざまな施策同士が、

互いに緻密に組み合わさるよう設計されたパーツであり、

組み立てることで、

無駄も不足もなく、

目指すべき組織の完成へと向かっています。

 

■みなさんの現場では、

目指すべき組織の、揺るがないゴール像があるでしょうか?

 

そして、それに必要な施策だけを

選び、

組み合わせ、

全ての力を、目指すべき組織の実現に注いでいるでしょうか?

 

もし、

研修会社やコンサルタントに対して、

「どんな研修があるのか?提案して欲しい」

と依頼していたとしたら、

それはもう卒業されることをお勧めします。

 

そして、

「うちは、こういう課題を解消したい。そのために有効な研修を提案できるのか?」

と投げかけ、

応えられるコンサルタントだけを使ってください。

 

それが、時間も費用も労力も無駄にせず、

目指すべき組織を実現する最短最速の道であり、

もっとも職員が活かされる方法にほかなりません。

 

真生会富山病院のように揺るがないゴール像が明確になっている病院では、

患者サービス研究所は、

もちろん、そのゴールを目指して関わりますが、

 

もし、

「まだ、ゴール像が明確ではない」

という病院においては、

「目指すべきゴール像の策定」

から一緒に携わらせていただいています。

 

・目指すべき組織像は?

・そのもとで求められる管理職像は?

・そのためにはどう管理職を啓発すれば良いか?

・その進捗(ゴールにどれだけ近づいたかどうか)をどのように検証するのか?

……などについて、一緒に策定し、実践を通じて前進してゆきます。

 

もし、目指すべき組織像が、

全員参加の総力経営ができる組織であり、

指示・命令をしなくても、職員がみずから気づき考え話し合い改善し続ける自律進化組織であるならば、

患者サービス研究所の支援を活用いただき、

確実に結果を出していただくことが可能となるでしょう。

 

支援策の具体的な内容については、

現在、HIT-Bit1Dayセミナーを実施しています。

 

◆  1月18日(金)13:30〜16:30【東京】

◆  1月27日(日)13:30〜16:30【金沢】

◆  2月15日(金)13:30〜16:30【東京】

◆  3月23日(土)13:30〜16:30【鹿児島】

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◆参加費:1人当り4,000円

 

■自律進化組織が6ヶ月で生まれる方程式「HIT-Bitプログラム」

については、

ブックレットで概略をお読みいただくことも可能です。

 

A5判、76ページ

1部800円となります。

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