社員が勤め続けるためにはどうしたら良いか?

 

社員がやる気を出すためにはどうしたら良いか?

 

というテーマで必ずといって良いほど挙がるのが、

「ロイヤルティを上げよう」

という話です。

 

ロイヤルティは、しばしば、「忠誠心」と訳されています。

 

この

「忠誠心」

と訳してしまう発想こそ、昭和の時代の遺物にほかなりません。

 

会社に入って働かなければ生きてゆけない時代には、

ほぼ年功序列・終身雇用を約束してくれる企業から

「会社への忠誠心を持て」

と言われても、まったく違和感がなかったことでしょう。

 

むしろ、

「勤め上げる」

ことが美徳だったのですから。

 

ところが、昨今では、

会社で働き続けることが必ずしも生きる道ではなく、

働いているのに忠誠心を求められても鬱陶しいばかり、

という感覚の人が多いのではないでしょうか。

 

今時は、

会社に入って働かなくても、

50代まで引きこもっていられる時代であり、

年功序列・終身雇用を約束できない企業に、

「会社への忠誠心を持て」

などという資格はない、というのが、労働者側の本音ではないでしょうか。

 

■そんな今日でも、やはり職員が

「勤務先の一員として、力を尽くしたい」

と思える職場を創ることは可能です。

 

もちろん、

それは待遇によってではありません。

 

昭和の時代は、

「雇ってやる企業と、雇っていただく社員」

という関係性でした。

 

なので、忠誠心を持たせる根幹は、待遇で良かったことでしょう。

 

一方、今日は、

「雇う・雇われるは、双方の対等な合意」

に、かなり近い構図になってきています。

 

なので、忠誠心を持たせる根幹は、

「この職場が、人としての自分を応援してくれる」

という事実となってきているのではないでしょうか。

 

すなわち、勤務している間も、

「いつも自分を応援してくれている」

と感じられる職場です。

 

それは、日常の状況としては、

「言いたいことを言わせてくれる」

「やりたいことをやらせてくれる」

というものとなるでしょう。

 

もちろん、

生産的・建設的なことについて、であり、

成長と貢献を後押ししてくれる、とも言えます。

 

そんな、自分の可能性を広げてくれる職場であれば、

離れがたい組織となるはずです。

 

■これは、

「職員は組織のためにいる」

という昭和の感覚と180度異なり、

「組織は職員のためにある」

という組織の在り方が前提となるでしょう。

 

そんな理念を掲げている職場もありますが、

実際にそれができている組織はまだまだ稀でしょう。

 

■たとえば、

これまでの時代には、

病院はロイヤルティを得るために、

「◇◇病院で働いているんですか。

ならば、きっと◯◯さんもすごいのでしょうね」

と言われる病院を目指して来たかもしれません。

 

それも素晴らしい取組です。

 

しかし、

さらに一歩進んで、

職員が周囲から、

「◯◯さんって、この領域で有名ですね。

どちらに勤務しているのですか?

◯◯さんも、◇◇病院ですか!」

と言われるような病院を目指す方が良いのではないでしょうか。

 

病院の名前を名乗ることで職員が誇らしく思うのは、

「立派な病院ありき」の状態です。

 

これを逆転して、

「立派な職員ありき」の状態となるには、

まず職員の名前が世の中に轟き、

どこの人かと聞けば初めて病院の名前が登場する、ということとなるでしょう。

 

そうなるのは、

病院が、職員個人を応援して、

より多くの成長と貢献を実現できるよう導くからこそです。

 

そして、職員が、

大いに成長と貢献を果たし、活躍すれば、

「この領域では◯◯さん」

となります。

 

そこまで背中を押し、手を差し伸べ育ててくれた病院は、

職員本人にとって、離れがたいものとなるでしょう。

 

また、お金では買えない体験、

予期した以上の自己実現を与えてくれた病院に対しては、

できる限りの恩返しを

心からしたいと思うのではないでしょうか。

 

■みなさんの現場の職員で、

地域や業界から、

「診療放射線技師といえば、◯◯さん」

と言われる職員の方はいるでしょうか?

 

あるいは、地域から

「訪問の歯科衛生士といえば、◯◯さん」

と言われる職員、

 

あるいは、

「県内で嚥下に詳しいSTといえば、◯◯さん」

 

あるいは、

「北陸で外来フロアマネージャーといえば、このエリアでは〇〇さん」

 

あるいは、

「九州で、あの調理師チームの〇〇さんたちには、どこも叶わない」

 

……と、近隣で、地域で、県内で、

近畿で、

関東で、

西日本で、

東日本で、

「この領域といえば、〇〇さん」

と言われるよう、職員の方々の背中を押して、成長を応援するということです。

 

そのためには、

前向きな職員がいれば、

積極的に、その活躍ぶりを情報発信したり、

職員本人にどんどん学ばせたり、

学んだことを発信できるチャンスを与える、

ということです。

 

病院のイベントはもちろん、

地域の健康教室や、

学会での発表、

さらには、病院の枠を超えて、

地域での催しや

自治体が行なうイベント、

患者団体・研究機関が行なう学術総会などで、

どんどん発表する機会を与えたり、

関係誌に執筆することを応援したり。

 

あるいは、病院・クリニックがイベントを主催し、

その一場面で講演するチャンスを与えても良いでしょう。

 

「最近、この領域では、〇〇さんという人が活躍している。

一度、話を聞いてみたい」

「ところで、どこに勤めている人だろう?」

となった時に、

「実は、◇◇病院らしい」

 

「歯科衛生士の〇〇さんも有名。どこの人だろう?」

「その人も◇◇病院だそうだよ」

 

「この間講演していたSTの〇〇さんはどこ?」

「その人も◇◇病院だよ」

 

■つまり、

「◇◇病院に勤めていることが嬉しい」

と、病院がブランドになるのではなく、

 

「自己実現できて嬉しい。

それを応援してくれたのが、◇◇病院」

と、自分自身をブランドにしてくれる病院になることこそ、

職員にとってかけがえのない職場となるのではないでしょうか。

 

■もちろん、

職員全員を一人残らずスターにすることは困難ですが、

 

組織が、

職員との強い絆を創る上で、

職員をできるかぎり応援するならば、

職員が上述したようなスターになれるように、

病院が一人一人の背中を押して応援してあげることではないでしょうか。

 

こうなってこそ、

「職員が、病院のためにあるのではない。

病院が、職員のためにあるのだ」

と言えるのではないでしょうか。

 

■念のためP.S.

 

すべての人にとって

「有名になることが幸せ」

とは限らない、と思われたことでしょう。

 

その通りです。

 

そして、

ほぼすべての人にとって

「多くの人の役に立つことができ、

多くの人から喜ばれ感謝されるとき、

心から、

そんな自分で良かった」

と感じることができるのではないでしょうか。

 

その結果、

しばしば職員が有名になることもある、

というだけです。

 

また、経営者・管理職の方々は、

そうした価値観の方々と一緒に働きたい、と願って

組織づくりをしてゆくことが良いのではないでしょうか。

 
 

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