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■「なぜ、部下はもっと危機感を持たないのだ?」

と疑問に感じることがあるでしょう。

 

同様に、

「なぜ、もっと丁寧にやろうとしないのか?」

あるいは、

「なぜ、同僚ともっと気持ちよく接しようとしないのか?」

と感じることもあるでしょう。

 

そして、多くの場合には、みなさんが予想した通り、

その本人が損を被る結果となり、

みなさんが心の中でら

「ほら見たことか。

だから、あれほど忠告したのに!」

と思ってきたのではないでしょうか。

 

■このような例から、

人は、

「こうすれば、こうなる」

という因果関係が見えないから

誤った方向へと進んでしまう、ということが浮き彫りになってきます。

 

「こうすれば、こんな痛い目に遭う」

という因果関係知っていれば、大抵の場合、それを回避する選択をするものでしょう。

 

「こうすれば、こうなる」

という因果関係がわかっていないから、

望まざる結果に直面するたびに、

驚き、

傷つき、

「なんでそうなるのか?」

と苦しんだりしているという構造です。

 

「なにが原因なのか?」

「誰のせいなのか?」

と原因を他者に求めるので、おのずと、

「他責」

の発想になります。

 

他者を責めても、取り返しのつかないことも多く、

他者をコントロールすることは困難なので、

他責発想にある以上、

改善のための手の打ちようがなく、

不満や不平を抱えることになってしまいます。

 

反対に、もし、因果関係がわかっていれば、

どちらの結果を選択するか、を、

みずから決めることができます。

 

みずから結果をコントロールすることによって

「自律」

していれば、

すべては自分が選んだことですから、

驚いたり、

傷ついたり、

苦しむということはありません。

 

■つまり、組織において、部下職員を正しい方向へ向けさせるには、

あれこれ説得するよりも、

「こうすれば、こうなる」

「こうしないと、ああなる」

という因果関係を見せることに尽きるのではないでしょうか?

 

クルマを運転している本人には、

次の交差点で、角からダンプカーが飛び出してくる、ということが見えませんが、

もし衛星から見るように、

自分の位置とその環境を映し出してくれる仕組みによって、

俯瞰することができれば、

「このまま進めば、事故になるから、停止しよう」

という選択が可能になります。

「なんで、こうなるの?!」

と驚き、傷つく必要もありません。

同じように、

「このままでは、やっていることが無駄になる」

「このままでは、自分が信用を損なうだけだ」

「このままでは、人を傷つけることになる」

「やらなければ、報われることもない」

「やらなければ、思ったような人生にならない」

「やらなければ、大切な人の役に立てない」

などなど、

自分の選択が、どのような結果へと続いているのか?を

俯瞰できれば、

人は、正しい選択をする可能性が高まります。

 

したがって、管理職の仕事は、

「部下に、俯瞰させること」

であると言っても過言ではないでしょう。

 

そもそも、部下職員は、目先の業務に追われていて、

自分の業務、

自分の手元、

隣の同僚などしか目に入らず、

近視眼化してしまうものです。

 

奴隷船の船底で櫓を漕いでいれば、

なんのために漕いでいるのかが見えないので、

怠けたくもなり、

気にくわない同僚と諍いになったり、

それでも漕ぎ続けさせられれば心を病んでしまうのも

無理はありません。

 

船長は、マストの上で、双眼鏡を覗き、

前方に台風が迫ってきている様子や

氷山に衝突してしまいそうな状況を確認しては、

船底に

「もっと急げ」

「もっと舵を切れ」

「休むな」

「力を合わせよ」

「もっと必死になれ」

と指示することになりますが、

船底の世界で視野が狭くなっている漕ぎ手には、

その深刻さはわかりません。

 

「このままでは、みんなが死んでしまう」

と船長が必死になっても、

奴隷を扱うように鞭を使えば、

船長と漕ぎ手の関係は悪くなるばかりで、

効果が上がることはありません。

 

とすると、

船長は、

「このままだと、どうなるか?」

漕ぎ手にどのような結果に至るか、

その因果関係を伝えた方が良いということになります。

 

みなさんなら、どのように伝えるでしょうか?

 

そう、まずは漕ぎ手のうちの数人だけでも良いので

マストの上にあげて、

迫り来る台風や氷山を、

漕ぎ手のその目で見せてやることになるでしょう。

 

■みなさんの現場において、

「マストにあげて、台風や氷山を見せる」

とは、

「どんな場面を作って、何を見せること」

「どんな機会を設けて、誰と合わせること」

「どんな口実で、何を体験させること」

「何に引き寄せて、何の当事者にさせること」

に該当するでしょうか?

 

これができると、

部下職員の方々が、

みなさんと同じ意識を持って、行動するようになるはずです。

 

自分の言動が原因となり、どんな結果がもたらされるか?の、

因果関係がわかるからです。

 

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