■さまざまな研修の依頼をいただきます。

 

多くは、

「管理職研修を考えている。費用はどれくらいか?」

「接遇研修をすることになっている。費用を教えて欲しい」

というお問い合わせ。

 

これは、コンサルタントがどんな反応を示すのか、を

確認するには、良い方法かもしれません。

 

というのも、

「研修の契約が取れれば良い」

と、病院のことを真剣に考えていない業者ならば、

金額を答えてくることで、

それがわかるからです。

 

中には、

「受講者は何名くらいでしょうか?」

と聞いてくる業者もあります。

 

いわゆる接遇マナー研修であれば、

お辞儀や姿勢をやってみて身につけるので、

全員の状況をきちんと指導するためには、

インストラクターは複数名必要になることから、

費用の見積もりのために、人数を聞く、

ということもあります。

 

しかし、中には、

そんなことは行なわず、講演するだけなのに、

どさくさまぎれに、

「人数が多ければ、費用も高くなります」

という業者もいます。

 

■すでに、ここまででみなさんも

「コンサルタントが確認するのって、そこか?」

と、お気づきのことと思います。

このように、

契約が取れれば良い業者は、

内容について聞いてくることはありません。

 

本当に病院にとって意味のある研修を提供しようとするコンサルタントならば、

まず病院課題がどこにあるのか?をお聞きするものです。

 

さらに、どのように変えてゆきたいのか?のゴール像を確認します。

 

その上で、現在地からゴールまで、前進するためには、

どんな研修が良いのか?を相談することになります。

 

そこで、絶対に欠かせない要件を組み込んだ場合、

どんな研修になり、費用がいくらになるのかが、

決まってくるのではないでしょうか。

 

それはつまり、

「費用は安いに越したことはありませんが、

絶対に欠かせない要件を組み込まなかった場合には、

ねらい通りの効果が上がる研修にはなりません。

どうしますか?」

という選択肢を示す、ということでもあります。

時には、

「いま必要なのは研修ではありません」

と、提言することすらあるでしょう。

 

■さて、すでにお分かりの通り、

いくら、患者さんが診察室に入るなり

「治療費がいくらかかるでしょうか?」

と聞いたからと言って、

本当に患者さんを治そうとする医師であれば、

問診も検査もせずに、

「いくらかかりますよ」

とは言わない、というのと同じことです。

 

いまの症状や、

これまでの違和感や心当たりを聞き、

どんな風に治したいのかを確認した上で、

治療方針が決まり、

初めて概算費用が提示できるのではないでしょうか。

 

どうしても事情があれば、

「この治療であれば、こうしたマイナス面もあります。

その治療であれば、そうしたマイナス面もあります。

どうしますか?」

と、インフォームド・コンセントを行なうということになります。

 

コンサルタントの場合、

そうした、当り前のインフォームド・コンセントを踏まえない者が、

いかに多いことでしょうか。

 

■そして、今回の主題です。

 

研修はゴールではありません。

 

時々、研修が終わって、

「無事終わってよかったです」

と自分の役割を果たして、すっかり用事が済んだと見えて、

温泉に肩までつかったような様子になっている研修ご担当者がいますが、

これでは、研修の効果はありません。

 

研修はショーではなく、

病院組織がよりよく変わるために、費用と時間と労力をかけて開催されるものでなければなりません。

 

ならば、研修後こそが、肝心なのではないでしょうか?

 

中には、

「それはわかっているんだけれど、研修の効果はなかなか持続しない」

とお嘆きの声も多々お聞きします。

 

「みんなで意識しましょう」

はもちろん、風化します。

 

「みんなの責任は無責任」と言われる通りです。

 

したがって、研修を行なう場合には、

「研修後に、誰が、いつ、なにをするのか?」

を設計しておくことが必要ということです。

 

研修の翌日から、各部署で、管理職が、

決まった時間に、部下職員に対して、リマインドする、

とか、

部下職員から意見を聞く、

という風に、誰かがプロモートしなければ、風化するのは当たり前でしょう。

 

■さらに言えば、研修前にどんな準備をして臨むかが、

研修の効果を大きく左右します。

 

「お知らせが来たので、受講しに来ました」

という職員が、研修会に出て見て、にわかに積極的に学ぶでしょうか?

 

「忙しいのに、なぜ研修なんだ」

と不満を抱きながら来た職員にいたっては、どんなに良い話も届かないどころか、

研修担当者や病院への不満を増長することにしかなりません。

 

極端に言えば、職員の多くが

「そのテーマ、ぜひ聞いてみたい!」

「なんとか課題解決の手がかりが欲しい」

と、渇望して受講したならば、

その研修をあますところなく吸収し、現場に戻っても大いに実践することでしょう。

 

そうなれば、

「よく有益な研修を企画してくれた」

と、研修ご担当者には、心から感謝することでしょう。

 

そうなるためには、

研修を行なう前の、勉強会や、会議、プレ研修などを催した方が、良いということです。

 

理想を言えば、そんな

事前の勉強会や会議、プレ研修などを通して、職員の問題意識が高まり、

みずからコンサルタントを探してきて、

みずから主催するようになるように導ければ良いでしょう。

 

■研修とは、

担当者が講師を手配し、日時と場所を設定して告知をし、講演をさせるものではなく、

職員が問題意識を持ち、みずから内容をリクエストするなどして作るものでなければなりません。

 

少なくとも、

「実は、職員みずから研修を構成して開催して欲しいんだよ」

とアナウンスすることからでも、

路線変更を始められることをお勧めします。

 

そのためには、

まず、そうした研修の在り方を説明してくれるコンサルタントを選ばれることをお勧めします。

 
 

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