■ひところ、

コスモス経営という言葉が流行ったことがあります。

 

要するに、

「誰もが中心とも手足ともなり、

必要に応じて、変幻自在に動くことができる組織を目指しましょう」

という発想です。

 

そこに上下関係はなく、

その時々の必要に応じて、リーダーが決まり、

他がメンバーとなる、という柔軟な組織です。

 

最近でいうボトムアップ組織であり、自走組織です。

 

そんな組織像が提唱されて数十年経っていますが、

なぜ、なかなか、

そのような組織が実現できないのでしょうか?

 

■そこには、

職員同士の関係性の問題があります。

 

簡単に言えば、

「巻き込めない症候群」

です。

 

特に日本人に多いようですが、わたしたちには、

「周囲に迷惑をかけたくない」

「嫌われたくない」

という心理が強く働く性質があります。

 

よく言えば

「責任感が強い」

とも言えますが、

「わざわざ責任を負いたくないので、

周囲を巻き込みたくない」

という態度として現れるのです。

 

なので、

みんなが決めたことなら、

驚くほど素直に従う気になってしまうのではないでしょうか。

 

■発言には責任をともなうので、

発言もしたがらないのが、私たちです。

 

研修の最後に進行係の方が、

「なにか、質問はありますか?」

と訊くと、

大抵の場合、手をあげる人は、いません。

 

自分の胸に手を当てて考えてみても、

おそらく、

「自分の質問でみんなの時間を奪うのは、気がひける」

という心理が働いているのではないでしょうか?

 

その証拠に、

「何か質問はありますか?

と問われた時には誰も手を上げないにも関わらず、

「ご質問がないようですが、

時間がありますので、では、わたしから指名しましょう。

最前列の、そちらの方、いかがでしょう?」

と当ててみると、

スックと立ち上がり、

「先ほどからどうもスッキリしないのは、前半で映示されたグラフなのですが〜〜」

と、スラスラを質問をし出す、ということがよくあります。

 

「質問あるんかーい!」

と、毎回思わず叫んでしまいますが(心の中でネ)、

 

なぜ、こんな風になるのかというと、

受講者の方は、

「わたしがこの時間をもらったのではない。

講師がわたしを当てたのだから、

この時間をこのように使っているのは講師だ」

つまり、

「この時間をこのように使っている責任は、講師にある」

という状態だから、

気兼ねなく質問し始めるという心理構造なのでしょう。

 

■「発言には責任をともなう」

というのは、特に責められる、ということがなくても、

「みんな心の中で、わたしを責めているのではないか」

と、勝手に感じた責任によって気が重くなっている、ということが多々あります。

 

会議やカンファレンスで自分が発言したことに対して、

「あなたが言ったのだから、責任をとれ!」

とまで言われることはありませんが、

 

「あの人が言った通りにやったのにうまくいかなかった、と囁かれるのは心苦しい」

という自責の思いが強く働いているのではないでしょうか。

 

そんな忖度をしてしまうのが日本人の悪いクセ、とも言えます。

 

そんなわけで、

たまに、堂々と手を上げて質問をする人がいて、

「では、どうぞ」

と発言してもらうと、

「わたしは幼い頃に祖父母に育てられ、

いまは3番目の夫とその両親、弟夫婦と同居していて、

仕事は農業をしていましたが、

たいへんな借金を負うことになり、

数年前に資格を取ったものの・・・・、

そんな私でも、同じように考えてよいのでしょうか?」

などと、、

聞くからに、

「そんなレアケースを、みんなの時間を割いて、質問しますー?!」

という質問内容だったりするのは、

驚くべきことではなく、

むしろ、

忖度しない人だから手も上げるし、

自分の話題を展開しちゃうことができる、ということなのでしょう。

 

■いずれにしろ、

大抵の場合は、多くの職員は、

周囲に忖度してしまう結果、

「自分一人でできることしかしない」

という傾向に陥ってしまうのです。

 

本当は、職員同士が協力することで、

初めて実現できることはたくさんあります。

 

とくに、患者さんのために、して差し上げられることは

職員同士の協力があることで、

大いに増えます。

 

しかし、

多くの職員に、

そういうことにこそ、人を巻き込めない性質があり、

いわば

「巻き込めない症候群」

ともいうべき傾向があります。

 

こう考えると、

「迷惑をかけたくないのだから、仕方ないじゃないか」

と思うかも知れません。

 

そうして、周囲の同僚から力を借りることもしなければ、

力を貸すこともない、

各自が孤立化してしまう状況を、

「サイロエフェクト」

ということもあります。

 

力を合わせればとてつもない可能性が広がるにもかかわらず、「お互いに自分の責任を果たそう」

「周囲に迷惑をかけないようにしよう」

という意識が強くなるほど、

その逆へ向かってしまう、という状態です。

 

サイロエフェクトには、

借りもない代わりに貸しもなく、

各自が孤立するので、不安を一人で負わなければならず、

苦しくなってゆく、という面もあります。

 

自分たちも幸せにならず、

協力すれば患者さんのためにして差し上げられることもできないために患者さんも幸せにならず、

組織の生産性も上がらず、

誰にとっても良くない結果にしかならないのが、

サイロエフェクトです。

 

■では、どうすれば良いか?

 

たしかに、人を巻き込めば、

結果的に良い結果に至らず、

迷惑や負担をかけることになるかも知れません。

 

借りを作りたくなければ

貸しを作ることもできないでしょう。

 

みなさんは、ご自身の組織が、

一人一人がそれぞれのサイロに収まった組織にしたいでしょうか?

 

それとも、

お互いに気持ちよく協力し合い、チーム力を発揮する組織にしたいでしょうか?

 

もし、後者を目指すならば、

「巻き込みたくない症候群」

を卒業しなければなりません。

 

それは、

「職員同士が、お互いに借りも作るが貸しも作る」

「良くも悪くも巻き込む」

組織です。

 

■そうなるために必要なのは、

何よりも、

「チャレンジを美徳とする」

ということです。

 

第1に、何も言わず何もしないのが、最もよくない。

 

第2に、

「言ってみる」

「やってみる」

ことがあれば、たとえ良い結果が出なくても、評価される。

 

第3に、

その結果、良い成果に結びつけば、さらに評価される。

 

そんな組織の価値基準です。

 

その逆で、

「結果が出なければいけない」

「無駄なことならしてはならない」

という組織では、チャレンジが生まれることはありません。

 

まして、周囲を巻き込んでまでチャレンジすることなど、

とても責任を負えない、ということになってしまうからです。

 

■では、何から始めれば良いか?

 

まずは、

「言ってみる」

「やってみる」

を促すことです。

 

そして、

「言ってみた」

「やってみた」

ことを、きちんと検証して、評価することです。

 

ここで、

「そんな細かな情報が上がってくるかどうか」

「現場から、そんな報告が上がることは難しい」

と懸念する方も少なくないでしょう。

 

しかし、

そんな情報が現場から逐次上がってくるようでなければ、

そもそも、

「誰もが中心とも手足ともなり、

必要に応じて、変幻自在に動くことができる組織」

になど、なれるはずがありません。

 

そうした、現場からの大小様々な情報が

逐次上がってくるようにするシンプルな仕組みがあります。

 

それが、患者サービス研究所が提唱する

「HIT-Bit」

です。

 

■なので、HIT-Bitを始めると、

現場からは、

「言ってみた」

「やってみた」

という情報が日々、どんどん上がってくるようになります。

 

それを、きちんと検証して褒めたり、感謝や敬意をもって評価すれば、

その傾向はさらに加速してゆきます。

 

すると、

「周囲を巻き込んででも、やってみたい!」

という意見も上がるようになるのです。

 

こうなってこそ、組織のチーム力が活かされていると言えるのではないでしょうか。

 

HIT-Bitについては、

現在、1Dayセミナーを実施しています。

 

本当に効果が永続する組織づくりを実現したい方は、

ぜひご参加ください。

 

◆ 5月24日(金)13:30〜16:30【東京】

◆ 6月24日(月)13:30〜16:30【東京】

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■自律進化組織が6ヶ月で生まれる方程式「HIT-Bitプログラム」

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