■昨年10月から12月まで、

『SUITS』というタイトルで、

織田裕二と鈴木保奈美が共演したリーガル・ドラマが放映されていましたね。

 

『東京ラブストーリー』以来、27年ぶりの共演ということが、ずいぶん話題となりました。

 

そして、

『SUITS』が放映開始されるまでの数週間、

『東京ラブストーリー』が

連日、再放送されていました。

 

良くも悪くも、

「織田裕二と鈴木保奈美の共演」

が巷で話題となり、

 

「携帯電話がなかった世代と、いまの若い世代の違い」

「恋愛観の違い」

「仕事観の違い」

「バブル期と今のファッションの違い」

など、さまざまなことが話題となりました。

 

世間で話題となれば、

インターネット上でも話題となり、

検索もされます。

 

みなさんもご存知の通り、

これら話題づくりのすべてが、

『SUITS』への関心を高め視聴率を上げるための

宣伝活動にほかなりません。

 

特に今の時代は、

検索されれば、

拡散され、TVでも取り上げられ、

それを見た人によってまた検索され、

拡散され………、と大きなウェーブを生み出すことへとつながります。

 

人は、

普段、見聞きしていることについては関心のアンテナを高くするので、

情報を発信する側は、

その関心が高い時を逃さずに情報を発信すると、

相手のアンテナにかかりやすく、情報が届くというわけです。

 

これはすなわち、逆に、

普段、話題にもなっていないことには、

相手がアンテナを高くしていることはないので、

情報を発信しても、

唐突に感じさせてしまうだけで、

良い形で情報を受け止めてもらえない、ということを意味しています。

 

■ここからが本題です。

 

もし人や組織を動かそうとすれば、

あらかじめ関心を喚起しておき、

前後の経緯からごく自然に受け止めてもらえるような文脈を設計し、

唐突にならないようにして進めた方が良い、

ということが言えるでしょう。

 

TV番組にならって考えるとわかりやすいのは、

職員対象の研修でしょう。

 

医療機関の場合、たしかに多くの研修がありますが、

それだけに、

できる限り、研修が消化試合として流されることがないように、

有意義なものにしたいところでしょう。

 

▶︎とするならば、

『SUITS』の前の『東京ラブストーリー』のように、

メインとなる研修の前に、

以前にも実施した研修のダイジェスト動画を、院内ネット上にアップしておいて、誰でも観られるようにしておくことも考えられます。

 

そのことについて、

院内SNSで、意見交換できるようにしておくことも考えられます。

 

▶︎動画配信が難しければ、

その際のレジュメを元に、任意参加の勉強会を開くことも考えられます。

 

それも、1回ではなく、

3ヶ月間かけて、何回かの連続企画にすれば、

話題になる可能性がある期間も長くなります。

 

▶︎試写会で、主演俳優が舞台挨拶をする様子が

宣言で使われるように、

研修前に、自由参加の座談会を開き、

講師が職員の方々を話している様子を記録にして、

紙媒体なり動画なりで、発信する、といったことをすれば、

「どんな人?」

「どんな話?」

と、部内の関心を高めることが可能となるでしょう。

 

また、そのような準備段階を経て、

満を持して当日を迎えれば、

研修参加者は大きな興味関心を持って参加するので、

「学ぼう」

「活かそう」

という意識も高く、

研修後の実践にも大いにつながります。

 

その他にも、

さまざまに事前施策を講じることは可能です。

 

▶︎研修そのものの広告ではなく、

「いまこんなことが大問題だ」

というシンポジウムなどを行なうことも有効です。

 

「研修があるから、受けてみよう」

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p style=”text-align: left;”>と思わせるのではなく、

「こんな問題があるのだから、こんな研修があったら出たい」

と思わせる企画をする、ということです。

 

「問題顕在化施策」

とでも言うことができるでしょう。

 

▶︎また、そうした問題について、

「どう思うか?」

「どんなことで困っているか?」

について、事前にアンケートを実施して、

参加対象となる方々から質問を挙げてもらっておくことも可能です。

 

研修では、登壇した講師が、

「そのアンケートに書いた質問に答えてくれる」

となれば、アンケートで質問した職員は、

「ぜひ講師からの回答を聞いてみたい」

と感じることでしょう。

 

このような事前の施策もアナウンスもなしに、

「◯月◯日、◯◯講師による◯◯◯セミナーあり。

ぜひご参加ください」

と訴えても、

関心の高い人に参加してもらうことも、

学んだことを活かしてもらうことも、難しいものです。

 

■このように、研修に限らず、

何を行なうにしても、

相手が関心を向けてくれるタイミングを逃さないことが

極めて重要です。

 

タイミングを充分に活かすという意味では、

事前施策のみならず、

事後施策を講じることも重要です。

 

というのも、

研修が終わった後に、

「いつ、誰が、何を、するのか?」

を明確に設計しておかなければ、

学んだ内容はあっという間に現場から風化してしまうからです。

 

ということは、

研修の中で、

「いつ、誰が、何を、するのか?」

を明示して、

「明日から始まりだ」
「行動するのはあなたたちだ」
と伝えて、研修を終えるのが、最もタイミングを活かした「釘の刺し方」となるでしょう。
 
これがもし、研修から二週間も経ってから
「しばらく前の研修で学んだことについてなんだけど」
と言われても、
多忙の中で働く職員の方々からすれば、
「え?なんでしたっけ?」
という印象にしかならないからです。
 
■また、問題が起こった時に、
「みんなの様子を見てから」
「落ち着いてから」
と、時機を逸してしまえば、
あとから
「以前、問題が起こったので、みんなに伝えたいことがある」
と言い出すことになるので、
現場からは、
「いまさらですか?」
という声が上がりかねません。
 
というのも、聞く側は、
問題発生から何日もの間そのままでやってきたのですから、
「それほど騒ぐ程の大事故でもない」
と感じ取ってしまうからです。
 
「いまこの建物が火事で焼けている!」
と言うくらいに、
すぐに対処すべき緊急事態(まさに火急)だということを示さなければ、
もし組織の存続に関わる大問題だとしても、
そうは伝わりません。
 
■同じ内容を伝えるにしても、
タイミングによって相手の心理状態が異なり、
相手の心理状態によっては、
その効果が100倍にも、100分の1にもなるのです。
 
「もっとも聞くべき時に聞く」
「もっとも伝えるべき時に伝える」
 
そして、深く理解して欲しいことは、
深く理解してもらえるように文脈を構成して、
周到な準備によって機が熟してから本題を伝える。
 
そんなことを踏まえて、
コミュニケーションを設計されることをお勧めします。
 

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