■職員の力を発揮させるためには、しばしば

「適切な目標を与え、

達成できれば、モチベーションが上がり、

さらに頑張るはず」

と言われています。

 

山本五十六の

「やって見せ、言って聞かせて、させてみせ、
ほめてやらねば、人は動かじ」

も有名です。

 

しかし、これこそ、昭和の組織論であり、

これからは、通用しないことでしょう。

 

というのも、

管理職の目の前に部下がいるということは、

「その部下は、この職場で頑張って、成長して、貢献して幸せになる気まんまんであるはず」

という前提で考えているからです。

 

昭和の時代は、そうだったでしょう。

 

したがって、

部署同士・職員同士を競争させたり、

良い成績を挙げた者を表彰することも効果的でした。

 

社長賞をもらうことがたいへんな栄誉、ということもありました。

 

これは、まさに昭和の仕事観です。

 

世の中でも、

「石の上にも三年」

と言われ、鍛えれば社員はついてくる、という時代だったからです。

 

それは、終身雇用が当たり前で、勤め上げれば報われた時代のことです。

 

一方、今は、大企業に入っても、

勤めあげられるかどうかも、報われるかもわからない時代です。

 

そんな中なので、会社にかじりついて頑張っていると、

多くの労働者が病んでしまうのです。

 

そのため、こんにちは必ずしも頑張ることが美徳ではありません。

 

多くの会社が、副業を勧奨するなど、勤め上げてくれれば報いるという責任を放棄し出しました。

 

■そんな令和の仕事観では、

管理職の目の前に部下がいるということが、

必ずしもその職場で頑張って、成長して、貢献して幸せになる気があるわけではありません。

 

要するに、職場にも仕事にもコミットしているわけではないのです。

 

「大変なら辞める」

「理不尽なら辞める」

と、投げ出すことも正しい選択だという時代です。

 

自分を犠牲にするのではなく、

「自分を大切にしなさい」

という時代なのです。

 

そんな職員に、前時代的な

「目標を与え達成させればモチベーションが上がるはず」

という発想で考えていても、職員側は

「目標を与えられても・・・」

「達成しても別に・・・」

という気持ちでいることでしょう。

 

つまり、

「競争なんてストレスなだけ」

です。

 

「表彰?別にいらない」

「尊敬もしていないのに社長賞?」

「出世したくもないのに競争?」

が本音のところでしょう。

 

■つまり、現代では、

骨を埋める覚悟など持って入職してきていないので、

まず、この職場・この仕事にコミットさせることが必要となるのです。

 

前時代の感覚では、

「コミットしていないなんて、甘えている」

と言いたいところでしょう。

 

しかし、いまは、

徹底して自分を貫いて頑張れば50歳まで引きこもれる時代なのです(そこまで自分を貫けるなら、働けば良いのに!とおもいますけどね)。

 

ところが、このように時代が完全に変わり、

労働者の仕事観が大きく変わったにも関わらず、

「職場や仕事に対するコミットを取り付ける組織論」

はありません。

 

ただし、はっきり言えることは、

「支配的な会社では、もう人がついてこない」

ということです。

 

なので、開放的な会社にしてゆくことが必要です。

 

いまや、上司や会社から認められることでは、生きがいを感じない時代です。

 

というのも、それもつまりは支配の一側面だからです。

 

たとえば、現代では、

「売上を上げて上司から褒められるのは、

上司の評価を上げることに寄与しているだけ」

と映るだけです。

 

それは、あくまで、

その会社にいる今だけの栄誉だとわかっているので、

職員は、

心から安心できるわけない、ということを本能的に知っています。

 

一方、現代の労働者の多くは、

社会から感謝されたら本当にやりがいを感じることができるでしょう。

 

前時代よりも「社会貢献」が支持されるのは、

世間に寄与することができることは、

「会社を離れても、生きていける」

自信につながり、

社会に受け入れられていることで心からの安心を得られるからでしょう。

 

■これからの組織は、

「支配的な管理をやめて、開放的な職場にすることが大事」

となります。

 

また、

組織の物差しで評価することでモチベーションを上げようとするのではなく、

職員一人ひとりが、社会から評価されるように支援してやることで、モチベーションを上げることです。

 

昭和の時代は、

「あの会社に勤めているの?すごいね!」

と言われることが美徳でしたが、

令和の時代には、職員一人ひとりが

「あなたはすごいね!」

と言われるように

職員の株を上げてやれる組織にならなければ、

職員から選ばれる組織にはならないのです。