■自律進化組織づくりの「HIT-Bit」を提案すると、

時々、上層部の方から、

「で、そのアウトカムは何ですか?」

と訊かれることがあります。

 

そもそも、

「自律進化組織をつくろう」

という話をしているので、

「自律進化の組織体質になること」

がアウトカムなのですが、

そうした発想に慣れていない人は、

 

どうしても、

HIT-Bitによって、

「合理化が進んで勤務時間がどれだけ短縮した」

とか

「離職率が何パーセント低下した」

といった指標がなければアウトカムがないように感じるようです。

 

また、HIT-Bitプログラムが始まってからも、

管理職の方々の中に、

「HIT-Bitは業務改善だ」

と思っている人が現れることがあります。

 

たしかに、改善も重要です。

 

しかし、改善しなければいけない、と考えるあまり窮屈になり、

組織の空気が悪くなるのであれば、

本末転倒です。

 

なぜなら、業務改善が生まれるのは、

あくまで派生的結果であり、

本質的目的は、

自律進化の組織体質を実現すること、

つまり、

「言いたいことが何でも言える関係性をつくり、

指示・命令によらずに、

職員がみずから気づき考え話し合い行動することが

日常当り前の組織となること」

だからです。

 

「改善・改善・改善・・・」

と考えるあまり窮屈になれば、

HIT-Bitは続かず、自律進化も続きません。

 

同様に、

「勤務時間短縮ができたのかどうか?」

と派生的結果ばかりを追及されれば、

自律進化という本質的目的が薄れてしまい、

のびのびとした自律進化組織にはなりません。

 

同じく、

「離職が減ったのか?どれだけ防げたのか?」

と派生的結果ばかりが求められていると、

現場は萎縮してしがちとなり、

自律進化という風通しの良さといった本質的目的が損なわれかねません。

 

そもそも、

合理化、離職防止、業務改善は、

自律進化組織が実現された場合の派生的結果に過ぎません。

 

あたかも、

・勤務時間がどれだけ短縮したか?

・離職率が何パーセント低下したか?

・業務改善がいくつ生まれたか?

などの数値化しやすいものだけがアウトカムとして

「目に入らない」

という人がいますが、

これらは、自律進化組織づくりを進めた場合に派生的に生まれる数多くの結果のうちのごく一部に過ぎません。

 

自律進化組織づくりとは、

これら以外の無数の派生的結果を、

みずから生み出すことが当り前の組織を実現することなのです。

 

他にも、

リスクに気づけば医療安全も向上するので、

安全性向上のアイディアや施策、研究が生まれることでしょう。

 

接遇も向上するので、

これまでにないドラマチックな患者対応が生まれたり、

「この病院は別格だ!」と言われる事例も生まれるでしょう。

 

部署間連携も向上するので、

いままで行われていなかった業務の統合や情報交流が生まれ、

業務効率のアップや、連携先へのより丁寧な対応などが実ん解するでしょう。

 

職員のモチベーションが向上するので、

離職率も低下することはもちろん、

離職相談の件数や頻度も減ったり、

むしろ、知り合いに

「うちに来たら?」

と誘うなどして、募集採用費用の軽減にもつながるでしょう。

 

また、さまざまな変化に強い組織になり、

法改正や新たな制度に向けての勉強会が自発的に行われるようになったり、

自発的に外部との合同セミナーを企画するなどの動きが出てくるでしょう。

 

働き方改革の名の下に、勤務時間が短縮される一方で、

医療の質を維持・向上するべきとの前向きな意見が上がれば、

ボトムアップで、医療・看護の精度アップのためのプロジェクトが立ち上がることもあるでしょう。

 

また、何より、

何でも言いたいことが言えてやりたいことがやれる
現場になり、

職員満足度も向上するので、

やりがいと誇りに満ちた現場からは、

「この仕事には、理屈じゃない魅力がある」

「この職場では、お金では買えない体験をさせてくれる」

といった声が聞かれることもあるでしょう。

 

どうしてもアウトカムが欲しいというならば、

自律進化組織というクリエイティブな組織をつくる以上、

それは、

一元的に数値化できるようなものではなく、

上記のようなさまざまな、予期しなかった事例・事案が生まれることそのものが、アウトカムとなります。

 

ただし、いずれもあくまで

「自律進化組織を実現したことによって生まれた派生的結果」

に過ぎません。

 

こうした結果を作ることを目的にすると、

成果を追うあまり、

「組織体質をつくる」

という本質的目的を見失ってしまうことになりかねません。

 

あくまで目的は、組織体質をつくること。

 

それが、

・何でも言える関係性をつくることであり、

・トライアンドエラーを経て、

・その延長上において生産性が上がる、

ということです。

 

■氷山の見えるところだけを追うのではなく、

氷山の水面下を大きくすることが重要なのです。

 

しばしば、

「体質を変える?・・・それが何なのか?

それより、アウトカムは何か?」

と、目的を見失ってしまう人がいるのも、

実は、

指示命令体質の名残りに他なりません。

 

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