■最近、TBSで放映されている『ノーサイドゲーム』を

ご覧になっているでしょうか?

 

大企業で働く主人公が、あるとき異動を命じられ、

ラグビーチームのゼネラルマネージャーを務めることになります。

 

ラグビー部が赤字事業であるために、廃止の危機に立たされるのですが、

なんとか挽回しようと、

主人公は、様々に手を打って展開を図ります。

 

しかし、さまざまなアクシデントや反対派が現れ、

なかなか進まない、という奮闘劇です。

 

予算を獲るため、あるいは、状況を釈明するため、

主人公は本社の役員会議で話すのですが、

役員はたいてい、ネガティブな意見しか言いません。

 

この役員会議のシーン、時々登場しますが、

学校教室4つはあるかという広い会議室に、

十数名の役員が

大きな大きなラウンドテーブルを囲んで座っていて、

みな難しそうな顔をして聞いている中、

主人公は、懸命に熱弁を振るうのです。

 

しかし、このカットが出るたび、

役員たちの厳しい視線の矢の束の

あまりの圧迫感に、

「なにひとつ主張が通らないのではないか」

と、いつも感じさせられます。

 

そして、お約束通り、

概ね反対意見が多い、という展開です。

 

ある意味、ドラマにはありがちな、

典型的な場面設定ですね。

 

いまのところ、主人公を買ってくれている

社長が一人味方となり、

鶴の一声で、主人公とラグビーチームを守ってくれているのですが・・・。

 

こうしたシーンは、

みなさんの現場でも、しばしばあるのではないでしょうか?

 

■また、これは本当にあった話。

 

ある企業で、社員が、

「新たなチャレンジを提案したい」

と考えていました。

 

休職者が多いのですが、

それらの方々がせっかく復帰してきても、

なかなか業務に慣れず、軌道に乗れないのを見てきたその社員は、

社内で、

「休職直後の人が軌道に乗るためのシステムを作りたい」

と考えたのです。

 

しかし、この提案は、

役員会で提案しましたが、案の定、見送りになったそうです。

 

■なぜ、

「良い提案なのに?」

「正しい意見なのに?」

得てして、会議で通らないのか?

と、みなさんも心当たりを思い起こしては、残念に思うことでしょう。

 

しかし、実は、心理構造から考えれば、

それは

「なるべくしてそうなっている」

実は当然のことなのです。

 

■なぜ、会議に出席している偉い人たちが、消極的な意見しか言わないのか?

 

端的に言えば、

「傍観者は現実がわからないので、判断しようがない」

からなのです。

 

提案者は、課題の当事者なので、

「なんとしても変えなければいけない」

と思うからこそ、会議で発議するのですが、

 

一方、その会議に臨席される役員の方々は、

そこまで実情を知らない、いわば

「傍観者」

なので、

どんなに説明されても、

話を聞いただけでは、なかなかピンと来るものではありません。

 

それでも、役員の方々は、

会議に出席している以上、

意見を求められれば、何か言わなければ、立場を失いかねません。

 

ただし、積極的に

「何かしよう」

「初めてみようじゃないか!」

と積極的な意見は言えません。

 

というのも、何かをすることは、企業体においては、

多くの職員たちの時間や労力、さらには費用もかかることであり、

「それでも取り組むべき」

と、確信を持って言えるほどの情報も持っていないからです。

 

ときには情報がないので、関心すらないことも多々あります。

 

したがって、必然的に、

新しいことはしない方向への意見になるのです。

 

「本当に必要なのか?」

「費用がかかるのでは?」

「うまくいく保証はあるのか?」

「何か問題があって他のことに影響したらどうするのか?」

「責任を取れるのか?」

などなど、

お行儀の良い正論が飛び交うことになり、

 

新しいことほど本質的な改革であるにも関わらず、

新しいチャレンジほど成功の保証はありませんから、

このように追及されれば、

「絶対に大丈夫です」

と言える人は、世の中にはいません。

 

このような構造になっているので、

みんなで相談するほど、

「様子を見てまた何かあったら考えよう」

といった無責任な発言によって、

「なにもしない」

もっとも安易な方法を選ぶことになるのです。

 

■では、こうならないようにするためには、どうすれば良いでしょうか?

 

そもそもの間違いは、

「当事者レベルの情報がない人に意見を求める」

ことにあります。

 

また、役員の方も、

判断をするのに充分な情報がないのに、

「自分は役員だから」

と意見することも思い上がりです。

 

本当は、

「当事者じゃないから、詳しいことはわからない。

だか
ら判断できないよ」

と素直に言わなければなりません。

 

そして、

もし、現場の実情がわからなければ、

・自分で見に行く

・直接会って話を聞く

・当事者と同じ時間同じ場所で同じことをして体験してみる

など、現場の実態を知る努力をしなければ、

判断してはならないのです。

 

見に行く・会って話を聞く・同じことを体験してみる…といった行動もせずに、

会議で発言することが、

無責任で恥ずかしいことだと知らなければなりません。

 

■もし、みなさんが、

組織を正しい方向へ導きたいのであれば、

「当事者でもない人に意見を訊かない」

ことが鉄則です。

 

また、

「意見を言いたい人は、

みずから、見に行く・会って話を聞く・同じことを体験してみる…と、当事者の視点や価値観を理解するように行動する」

ということを、ルールにすることでしょう。

 

さらに、

もし、みなさんが、ご自身の提案を通したいと思うならば、

前もって、

会議に出席する人たちの一部の人に

・見に行ってもらう

・会って直接話を聞いてもらう

・同じ体験をしてもらう

などして、

当事者になってもらってから、

議題に上げるようにすることが得策です。

 

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