■一般に職場においては、

「もっと自分で考えて行動してほしい」

といった声が聞かれることもあれば、

「仕事なんだから楽しい必要はない。与えられた業務をいかにきちんとやるかだ」

といった声が聞かれることもあります。

 

珍しくないフレーズだという人も多いでしょう。

 

しかし、実は、この2つの意見は、

お互いに矛盾していることにお気づきでしょうか?

 

■「自分で考えて行動してほしい」

と言われる時には、

「創造性」

を期待されています。

 

創造的なことは、

「みずから新しいことを生み出したい」

という

「Want」

がなければ実現しません。

 

つまり、新しいことを生み出すことを

「楽しい」

と感じる気持ちが、

創造的なことを実現するためには、必要不可欠なのです。

 

強制によって、

良い絵が描けるでしょうか?

 

強要されて、

素晴らしい歌を歌えるでしょうか?

 

押し付けの価値観によって、

のびのびとした、

それまでにない新しい発想や行動が生まれることはないのです。

 

なので、部下に

「もっと自分で考えて行動してほしい」

と願うならば、

「楽しい」

職場にすることが必要となるのです。

 

■また、新しい発想や行動には、

「必ずうまくいく」

という保証はありません。

 

つまり、新しいことを実現することは、

つねにチャレンジであって、

うまくいかなかったという無駄が必ず発生するものなのです。

 

それは、

「効率第一」

「結果重視」

「成果主義」

といった、ストイックな文化の下では、絶対に実現しないものなのです。

 

そのため、

「仕事なんだから楽しい必要はない。与えられた業務をいかにきちんとやるかだ」

という

「トライ・アンド・エラーが許されない」

職場では、新しいことへのチャレンジは絶対に生まれないのです。

 

強制ややらされ感による行動でもどうにかなるのは、

定型的なことだけです。

 

定型的なことなら、

「やったか、やっていないか」

やらせる側のものさしに照らして、

目で見ればわかることなので、

本人がどんな気持ちであろうと、

強要することができるからです。

 

しかし、創造的なことは、そうはいきません。

 

やらせる側のものさしの届かないところで、

新たなことを考え、話し合い、実践してほしいのですから、

「やらされている」

という消極的な気持ちでやれるようなことではないからです。

 

■したがって、

創造的に仕事をしてもらいたいのであれば、

「きちんとやるべきだ」

という

「Must」

よりも、

「ぜひやりたい」

という

「Want」

を引き出さなければ、絶対に不可能だということです。

 

■自発的な

「やりたい」

を喚起するためには、どうすればよいでしょうか?

 

人間の行動の動機は、大きく分けて3つあります。

「得になる」

「楽になる」

「たのしい」

の3つです。

 

まず、仏教では五欲と言って、5つあるとされていることは、みなさんもご存知かもしれません。

・食欲

・財欲

・色欲

・名誉欲

・睡眠欲

 

これらを整理すると、

・身体由来の欲(食欲、色欲、睡眠欲)…楽になる

・精神由来の欲(財欲、名誉欲)…得になる、たのしい

となるでしょう。

 

うち、精神由来の欲を言い換えれば、

・財欲は、モノ・カネによって得られるものを求める欲求です。

 

yle=”text-align: left;”>「得になる」

という行動動機になるでしょう。

 

そして、

・名誉欲は、人間関係によって得られるものを欲する欲求の総称と考えて良いでしょう。

 

それは、

「勇気が出る」

「元気がもらえる」

「心の支えを得られる」

などの表現もあり、

「心が明るくなるから」

「たのしいから」

という行動動機になるでしょう。

 

■こうして考えてみると、

これらの中で、お金がかからずに得られるのは、

「良い人間関係」

です。

 

「この仲間だから頑張れる」

「わかってもらえる」

「この仲間だからできる気がする」

・・・といった意味での

「たのしい」

という気持ちは、

新しいことに対しても、

楽しんでチャレンジできるマインドとなります。

 

職場の仲間同士がつねに、

感謝・敬意・承認・尊重しあい、

そのメッセージを送りあっていれば、

勇気と元気を得られない人はいません。

 

新しいことへのチャレンジが自然とできることでしょう。

 

その楽しさこそが、

創造的な仕事をするための必要不可欠な要件ではないでしょうか。

 

■みなさんの現場では、

これまでにない新しい施策をどんどん探そうという時、

それを

「楽しくやろう」

という気持ちが職場の方々の中にあるでしょうか?

 

「楽しく」

が無ければ、

思いがけない新しい問題に気づくことも、

思いがけない新しい対策を発見することも、

そんな新しい取組を現実に始めることも、

さらには、

その取組をのびのびと持続することもできないのです。

 

「楽しく」

 

それが、

自律進化の組織体質には不可欠な要素です。

 

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