■先日、日本航空(JAL)の教育研修担当を

経験した方の話を聞きました。

 

JALは、

2010年1月、

経営破綻して会社更生法の適用を受けて、

みなさんもご存知の通り、

京セラの稲盛和夫氏が立て直しに入り、

 

大改革が奏功した結果、

2012年9月に

東京証券取引所への再上場を果たし、

見事、蘇りました。

 

そんな時期に、教育研修担当をされた方の話でした。

 

稲盛和夫氏の展開された「哲学経営」とでもいう組織づくりは、

とても素晴らしいものです。

 

働く目的を明確化し、

社員全員が、その輝かしい目的を理解し、

話し合い、伝え合い、

その実現のために働くことに誇りを持って

日々に臨むことで、現場が変わりました。

 

そして、いま、社員の方々は、

以前のようにJALであることをプライドを持って

その業務に従事しているとのことです。

 

稲盛体制で、

諦めムードが支配する中から、

社員に勇気を与え、

目を輝かせるまでに導いた教育研修は、

それは素晴らしいミッションです。

 

■ただし、当時を知る日航社員の方々の中にも、

「ナショナル・フラッグ・キャリアと呼ばれた

国を代表する企業という立場にあぐらをかいていた」

と振り返る人もいます。

 

実際、会社更生法の適用を受けてからも

国からの支援があって助けられていたと言います。

 

普通、航空会社が潰れれば、

あらゆる取引先から仕入れができなくなり、

当然、燃料も売ってもらえなくなるので、

その瞬間から、飛行機が飛べなくなり、

多くのユーザーにとてつもない迷惑をかけることになるそうです。

 

しかし、JALの場合には、国の支援があったことで、

経営破綻のための欠便はいっさいなかったそうです。

 

それがかえって、

社員に経営破綻の実感や危機感が伝わらなかった

原因にもなったのではないか、

とも考えるといいます。

 

JALの社員は、いわば

プライドばかりが高く、

外の寒さを知らず、

「蛸壺の蛸」となっていたとも言えるでしょう。

 

実際、稲盛氏は、

「日航はつぶれた会社です。

みなさんがおかしかったから、つぶれたのです」

と言ったそうです。

 

改革後に稲盛氏から、社長を任された植木義晴氏は、

「つぶれたんじゃない。つぶしたんだ」

と言ったそうです。

 

そして何よりここで共有したいのは、

この大改革の過程で、

グループ総計5万人の社員のうち、

約3分の1の社員がリストラによって退職を余儀なくされた

犠牲の上に、

再生があったということです。

 

今の社員がどんなに誇りを胸に、

活き活きと話し合い、

JALフィロソフィーを語り合い、

新生JALの一人として充実した日々を送っていようと、

 

それは、

残った社員だけの幸せだということです。

「苦しくても再生の戦列の一人として一緒に戦い抜き、

いまの新生JALで

一緒に活き活きと働いていたかった……」

という断腸の思いを、

リストラで去った社員の方々が、

どれほど今も抱いていることでしょうか?

 

そこで思うのが、

……もし、JALの全社員が、

「つぶれたんじゃない。つぶしたんだ」

と思える当事者意識を持っていたなら、

きっと、破綻することもなく、

3分の1ものJALを愛する多くの社員をリストラせずに

済んだはずだ……、

ということです。

 

■なぜ、JALの話なのか?

と思うでしょうか?

 

厚労省が、

再編検討を促す424の自治体病院・公的病院のリストを

公表したのは、11月4日。

 

まだ今月のことです。

 

永年、国によって守られてきたのは、

医療業
界もJALも同じです。

 

全員参加の総力経営ができていないのは、

JALに限ったことではなく、

多くの医療機関も同じです。

 

にもかかわらず、

▶︎採用時に、

「看護師だから看護業務をすればよい」

ではなく、

「こんな病院を創りたい。それを求めている」

という話をしてコミットメントを取り付けている病院も

まだまだ稀です。

(それでいいの?)

 

管理職になった職員に対して、

管理職研修をしていない病院も少なくありません。

(大丈夫?)

 

また、入職後の職員に対しては、

まだ人事評価制度がない病院もたくさんあります。

(信じられない!)

 

「目標管理制度を導入したものの、形骸化している」

と言いながら、そのまま続けている病院も

珍しくありません。

(誰も何も言わないの?)

 

「良いことを良い、悪いことを悪い」と言ってくれる人がいない」

という職員の声もよく聞きます。

(いつの時代?)

 

さらに、退職の場面においても、

退職する職員との面談は

「自己都合」に印鑑を押してもらうためだけであって、

(だから人事総務職員がする)

組織改善のために本当の理由を聞くための

(幹部職員が行なう)面談はことさらしていない…、

という病院の方が多いのではないでしょうか。

(誰も気にならないの?)

 

このように、

入口から出口に至るまで、

その底力を発揮してくれるよう、

病院のポリシーを明確に伝え、

職員と本当の目的を語り合うということをしていなければ、

どうなるでしょうか?

 

職員は、

与えられた部屋で、

与えられた職務を日々こなし、

「それで何がいけないのか?」

とプライドばかりが高く、

外の寒さを知らず、

「蛸壺の蛸」になるなという方が無理でしょう。

 

国民生活の向上のためではなく

「国民医療費が増えたら困るから」

という不純な理由からではありますが、

確実に、これから

医療機関は減らされ、

受診が抑制される流れになっています。

 

ここまで方向性が明らかになっている中で、

全員参加の総力経営に、

いま切り替えなくて

あとで後悔することになりはしないでしょうか?

 

5万人のうちの3分の1が

リストラされたJALの例は、

まったくの他人事なのでしょうか?

 

「つぶれたんじゃない。つぶしたんだ」

という意識、それは

「つぶすか、つぶさないか、は自分たちだ」

という当事者意識ではないでしょうか。

 

■もし、いますぐ全員参加の総力経営へと

切り替えるならば、

「教育」も

「研修」も

してはなりません。

 

ショーを見せてあげるほど、

職員は、

「待っていれば、また見せてもらえるのだ」

と依存的になる一方だからです。

 

職員全員がみずから気づき考え話し合い行動する

「自律進化」

とは、まったく逆の組織になってしまうのです。

 

ではどうすれば良いか?

 

それは教育や研修と逆のことをすれば良いのです。

 

それが、患者サービス研究所が提唱している

「HIT-Bit」

です。

 

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