■「職員がみずから目標を立てて挑戦する。

 素晴らしい組織じゃないか!」

と、多くの経営者は、大いに期待して

目標管理制度を導入されたことでしょう。

 

しかし、その結果、

人事評価の手続きのひとつではあるものの、

現場が活性化したとはとても言いがたく、

「みずから目を輝かせて目標にチャレンジする」

といった活性化した組織にはほど遠く、

「形骸化している」

という現場がほとんどではないでしょうか?

 

なぜ、そうなったのか?

 

シンプルに言えば、

「氷の上でフライパンを握って待っている状態」

になっていると言ってよいでしょう。

 

■昭和の時代に始まった上意下達の文化が、

平成の時代にも変わることができず、

世の中の経営者の多くは、

どうしても、

「経営陣の価値観を現場に浸透させたい」

という視点から脱却できずにいるのが実情です。

 

そこに登場したのが目標管理制度です。

 

経営陣は、

「職員が自分たちで目標を立て、みずから挑戦するとは、

素晴らしい組織だ!」

と感じたことでしょう。

 

ただし、それは正確に言えば、

「経営陣の価値観の範囲において、

職員が自分たちで目標を立て、みずから挑戦するとは、

素晴らしい組織だ!」

という期待だったと言えます。

 

経営陣の期待に沿って目標が立てられ、

逐次、その進捗が管理できる、

まさに現場を微に入り細に入り

「管理する制度」

に映ったのです。

 

これでは、現場が閉塞してしまうのは無理ありません。

 

■ここで生じている大きな過ちは、

「人は、価値観を解放されて活性化する」

という原理を見失っていることです。

 

経営陣・管理職が、

部下の価値観に全く関心を持たなければ、

部下職員は、少しも楽しくないので、

何をやっても活性化しないのは当り前です。

 

これは、たとえて言えば……、

いくら熱伝導の良いフライパンを使おうと、

どんなに良い素材を用意しようと、

炎の上ではなく、

氷の上で握っていても、

何も変わらない。

……という状態です。

 

どんなに待っても、

いい香りが立ち上ることは一向にありません。

 

シーンとしているだけではなく、

せっかくの良い素材が

コチコチに凍っていくだけです。

 

この例えで言う

「素材」とは「職員の技能」、

「熱伝導の優れたフライパン」とは「目標管理制度」、

「炎」は「職員のモチベーション(価値観の解放)」です。

 

良い素材を用意し、

熱伝導の優れたフライパンを使うならば、

炎の上で、フライパンを握らなければ、

調理はできません。

 

氷の上では何も変わらないのです。

 

にもかかわらず、

フライパンで料理をするのに、

肝心の「火」を

どうして忘れてしまうのでしょうか?

 

なぜ、

氷の上でフライパンを構えていることに

なぜ気づかないのでしょうか?

 

いま、日本中の

多くの組織で、

「一向に美味しくならない。なぜだろう。おかしいなぁ」

と、みんなで氷の上のフライパンを握り続けている、という構図なのです。

 

素材もフライパンも良いに越したことはありませんが、

それ以前に、

炎か氷かで、

素材が活きるか、死ぬか、が決まるのです。

 

職員の技能と目標管理制度が優れていても、

それ以前に、

職員のモチベーションが高いか低いかで、

職員の力が発揮されるか、活かされないかが、決まるのです。

 

そして何より、

職員のモチベーションが高くなるか低くなるかは、

「職員の価値観を解放できるか、抑圧してしまうか、で決まる」

ことを、忘れてはいないでしょうか?

 

■つまり、

職員にも潜在能力があり、

目標管理制度も悪くない制度かもしれませんが、

 

それ以前に、職員のモチベーションを上げなければ、

何一つ、活きてこないということです。

 

言い換えれば、

職員の価値観を解放しなければ、

組織が活きないということです。

 

経営陣の価値観を押し付け、

職員の価値観を抑圧していては、

目標管理制度は、当然、

「目を輝かせる仕組み」

ではなく、

「微に入り細に入り管理される管理の方法」

となるからです。

 

なので、まず、

これからの、令和の時代、

経営陣はなによりも、

職員の価値観を解放することに

注力してゆくことです。

 

最初は、

経営者・管理職は、

誰よりも自分の価値観を優先してきたので、

それをやめて、

部下職員の価値観を解放することには、

慣れが必要でしょう。

 

しかし、

部下職員が価値観を解放し、

活き活きとしてくると、

思いがけない問題提起や改善提案が、

どんどん上がってくるので、

管理職は、それを捌けば良いだけになり、

驚くほど楽になります。

 

管理職があれこれ管理せず、

現場職員が活き活きと問題提起や改善提案を上げ、

新たな取組がどんどん始まる、

こんなに生産性の高い組織はないでしょう。

 

そして、

もともと目指していた

「職員がみずから目標を立てて挑戦する素晴らしい組織」

とは、まさに、

このような組織体質だったのではないでしょうか?

 

■では、日頃から、

職員の価値観を解放するには、

どうすれば良いでしょうか?

 

このような組織体質を創るための方程式、

それが

「HIT-Bit」

です。