■「良い意見を言ったはずなのに、なぜか賛同を得られなかった」

という経験が、誰にでもあるのではないでしょうか?

 

最近のニュースを見ても、

  • 小泉進次郎の育休
  • 小池都知事の志村けんへの哀悼
  • 安倍首相の緊急対策案

……などなど、

中には、さして悪くないことまで、

ことごとく非難されています。

 

勤務先でも、

「別の人が言ったら褒められたのかも知れない」

というケースもよく目にしますね。

 

なぜ、

良い意見なのに好意を持って受け入れられない

ということが起こるのでしょうか?

 

■そこで、

多くの人がやるのは、

コミュニケーションを学ぼうとすることです。

 

ただし、

「コミュニケーションのその場面をなんとかしようとする技能」

を学ぼうとする傾向があります。

 

実際、

書店でも『話し方がすべて』といった本が

並んでいたりするのも、そのためでしょう。

 

やはり、人間は、

目に見えるのでその場面が気になるからでしょう。

 

そこで、飛びつくのが、

  • 応酬話法
  • コーチング
  • 話し方
  • 表情
  • 発声・発音・滑舌
  • 姿勢
  • 座る位置

といった、コミュニケーション技法でしょう。

 

そして、

  • その場所の明るさ、
  • 広さ、
  • 窓の外が見えるかどうか
  • 温度や湿度、

といった、

コミュニケーションの場の空間に関心を持つ人もいますが、

少し気が効く方だということができるでしょう。

 

ともあれ、

「コミュニケーションのその場面をなんとかしようとする技能」

を、一生懸命学んでいる。

 

コーチングやNLPなどを、

高いお金を払って技能を磨うこともあります。

 

しかし、実際、重要な議題を通す時に、

そうした技術が通用するでしょうか?

 

こうした技能を磨いても、

「別の人が言ったら褒められたのかも知れないけれど、

自分だから、通る話も通らなかった」

という事態を回避することはできないのです。

 

しかし、

この事態を解決できる方法がわかれば、

今後は、その逆つまり

「別の人が言ったから通る話も通らなかったけれど、

自分だから、話が通った」

という展開をすることが可能となるでしょう。

 

■多くの人は、

コミュニケーションといえば、

対話をする場面のことだけを思い浮かべがちですが、

 

実は、そもそも、

そのように

「目に見えるコミュニケーションの場面」

だけを考えてしまうことが、

間違いのもとなのです。

 

たとえば、サッカーの場合、

無闇にその90分間を必死に戦えば良いというわけではなく、

絶対に勝ちたいならば、

その試合までに、絶対に勝つ準備が必要です。

 

たとえば、音楽のコンサートの場合、

壇上で必死に演奏すれば良いというわけではなく、

間違いなく聴衆を感動の渦に巻き込みたいならば、

そのコンサートの日までに、絶対に感動をもたらすための準備が必要です。

 

コミュニケーションも同じです。

 

つまり、

その場面に至るまでの因果関係の上流を見れば、

そのコミュニケーションの場面の形勢を

最良にするカギが見えてくる、ということです。

 

そして、それは

対話の技法のように目に見えるものではなく、

目に見えないところにこそカギがあるのです。

 

それは、ズバリ、

「関係性」

です。

 

■関係性づくりに必要なことは、2つ、

  • 1つは、相手との立ち位置。
  • もう1つは、文脈。

そこまでのストーリーがあったうえで、

その場に
臨めば、

相手は、みなさんからしかるべき話をされれば、

感謝したり喜んで応じてくれるはずです。

 

たとえば、ちょうど、

女性に対してキザなセリフを決めてみても、

自分がふさわしい立ち位置になく、

それまでの文脈がなければ、

相手が自分に痺れてくれることはない、

というのと同じです。

 

またたとえば、ちょうど、

素晴らしい歌を聴かせても、

自分が無名でキャラクターが受け入れられておらず、

その場にふさわしいストーリーがなければ、

聴衆が

「上手だね」と言ってくれることはあっても、

何万人が何万円も払ってドームに集まることはない、

というのと同じです。

 

■このように、

コミュニケーションをうまく進めることが

できるかどうかは、すべて、

「関係性設計」

に尽きると言っても過言ではありません。

 

この関係性を設計したうえで、

コミュニケーションに臨めば、

さまざまなことが喜んで受け入れられ、

より良い方向へ展開することができるようになるでしょう。

 

そのカギが、上述した通り、

  • 立ち位置(Post)
  • 文脈(Context)

です。

 

■立ち位置について

 

まず、

「あなたの意見だったら訊きたいのだ」

と思ってくれる立ち位置を作らなければなりません。

 

そのためには、

大きな感情のエネルギーを及ぼすことです。

 

なぜなら、みずからエネルギーを注がない人の話を聞いて、

それ以上に

「エネルギーを発揮しよう」

という人はいないからです。

 

そのエネルギーは、

「情熱」と言っても、

あるいは「執念」といってもよいかも知れません。

 

エネルギーを注ぐとは、何を注ぐことか?

 

エネルギーとは、

労力、時間、想い(自分の価値観)の積算の総量です。

 

エネルギーの注ぎようを

そのテーマに対しての情熱があるかどうかが、

明らかにわかります。

 

誰かが、どんなにもっともらしいことを話していても、

わたしたちが心を動かされないのは、

労力や時間や想いが注がれていないことを

感じ取っているからです。

 

なお、

労力や時間以外にも、

本人にとって重要な価値のあるものを投げ打っていれば、

エネルギーの大きさが伝わってきます。

 

たとえば、

自己肯定感やプライドは人にとって大きな支えですが、

それを投げ打って、

つまり、

絶対にあの人には頼まないだろうという人にまで

頭を下げて頼んだり、

教えを請うなどする様子があれば、

見ている方は、

「ここまで頭を下げるなんて。これは本気だ」

と突き動かされるものです。

 

あるいは、

知恵を絞っているかどうか?にも、情熱が現れます。

 

つまり、

多くの選択肢を上げることができているかどうか、です。

 

謝罪する人が、なんの選択肢も挙げなければ、

ただ頭を下げるだけなら、

「もっと考えろ」

という批判を浴びるだけでしょう。

 

それは、感情のエネルギーを注いでいない、

つまり関心を注いでいないことが感じられるからです。

 

このように、

エネルギーを注いでいる前提がなければ、

人は突き動かされることはありません。

 

そうすると、

どんなに話してもその正論が軽い言葉となり、

かえって軽蔑されることさえあります。

 

反対に、

エネルギーを注いで見せることで、周囲が

「この人が言うことなら、聞かなければいけない」

と感じ、

伝えたい自分と聞こうと思う相手という

「関係性」

が築かれるのです。

■文脈について

 

もう一つ、人が動こうと思えるようになるための

重要なファクターが、文脈です。

 

たとえば、

コロナで頭がいっぱいの時に、

高速道路無料化の話をされても、

かえって失望されるのは、

文脈がないから、でもあります。

 

しばしば、

映画の公開が近づけば、

その主演俳優や監督の作品がテレビで放送される

ということがあるでしょう。

 

それは、俳優や監督、その作品の世界観といった

関連情報を流して、

関心を喚起しているのです。

 

つまり、人がその話題を聞こうと思う文脈を

作り出しているということです。

 

というのも、

相手の関心が向いていない時に、どんなに話題を出しても、

「それが何か?」

となってしまうからです。

 

文脈を作り出すために、具体的にどうすればよいか?、

 

たとえば、

  • その話題を増やしたり、
  • そのテーマに関連する事実を強調してアナウンスしたり、
  • そのテーマにちなんだ情報が他の人から発信されればそれを共有する

……といったことです。

 

関心が高まるので、

関連情報を受け入れやすくなってくれるからです。

 

その他にも、文脈とは、

  • 「大事だ・必要だ、と考えてくれる」
  • 「どうにかして解決したいと思ってくれる」
  • 「面白そうだと感じてくれる」
  • 「他の誰かに関与されるよりも、
  • 自分が成し遂げて見せたいと思ってくれる」

といった

関心喚起のアングルが考えられます。

 

■この2つを周到に設計すれば、

戦国時代の戦に例えれば、

敵軍と相まみえる前から、

もはや負け様のない一戦にすることができる、

というわけです。

 

逆に、

対話の場でのことだけを考えて、

座る場所や照明、服装や話し方、表情を工夫したり、

コーチングで学ぶような

ミラーリングやバックトラック、ペーシングを

一生懸命やってみても、

相手が動かず空振りするだけになるのは、

この「関係性」ができていないからに他なりません。

 

もし、みなさんがどうしても

「人材育成・組織開発を成功させたい」

と考えるならば、

この

「関係性設計術」

が最も重要となるのです。

 

関係性づくりをせずに無闇にコミュニケーションに臨んでも、

不発に終わるだけです。

 

ぜひ、

目に見えるコミュニケーションの場面だけを考えるのではなく、

因果関係の上流から考え、

一回一回のコミュニケーションを、

「もはや負け様のない一戦」

にしてください。

 

そして、周囲の方々が、

心から賛同して、みなさんと力を合わせてくれる

組織運営を展開されることをお勧めします。

 

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