■みなさんの現場でも、
患者満足度調査や職員満足度調査を実施しているでしょうか?

たしかに、さまざまな取組の効果測定は重要です。

そのため、多くのリサーチ業者が、
患者満足度調査や職員満足度調査を提供しています。

しかし、
「何年間も、ずっとこのリサーチを使っているので」
と、機械的に同じリサーチを使っているということはないでしょうか?

■そもそも、
コンサルタントによっては、
「うちのリサーチは、
多くの病院が導入しているので、
ベンチマークが得られるので、お勧めです」
という人がいますから、注意してください。

同様に、病院からも
「ベンチマークがとれるなら、導入したい」
という要望があることもあります。

病院が組織づくりをする上で、
果たして、
ベンチマーク、
すなわち、他の病院と比較することに、意味があるでしょうか?

■接遇研修などでも、主催ご担当者から
「さまざまな事例を紹介してほしい。
リアリティがあり、参考になるので」
との要望を受けることがあります。

そこで、
一流のホスピタリティと言われている
ディズニー・ワールドや、
リッツ・カールトンなどの
事例を紹介することがありました。

しかし、受講者の方々は、
素敵なストーリーに感動するものの、
得てして
「でも、うちは病院だから、同じようにはできないよね」
という声が上がる傾向があります。

そこで、
他の病院で実際にあった
ホスピタリティの事例もたくさん紹介するようにしていました。

しかし、今度は、
「うちのような小さな病院では、そこまで余裕がなく難しい」
という意見が上がるかと思えば、
「うちのような大規模な病院では、そこまで柔軟にできない」
という意見が上がることもあります。

「うちは急性期だから」
「うちは田舎の病院だから」
「うちは自治体病院だから」
などなど、
いわゆる「できない理由」ばかりが上がります。

そこには、
「他の病院と同じことをしても、同じ結果が得られるわけではない」
という現実があるからでしょう。

また、こうした傾向は、
職員満足を向上するための組織づくりにおいても、
同じです。

医療機関の経営陣・管理職の方々にとっては、
「他の病院の職員満足度や、患者満足度がどうなのか?」
が気になるのは、もっともなことですが・・・。

しかし、
「うちは違う」
と感じるように、
「他の病院がどうなのか?」
を気にしても、意味はありません。

■重要なのは、
(1)本当に必要な項目について、
(2)客観的な要素によって、
(3)自分の病院を定点観測する
ことです。

(1)本当に必要な項目とは
訊かなくてもよい質問、
回答が改善に活かせない質問などを含めないという意味です。

患者満足度調査で、
「毎年、待ち時間が長いかどうか」
を訊いている、という病院もありますが、

患者さんからは
「毎年、長いと答えているのに一向に変わらない。
それなのに、調査に答える意味があるのか?」
と満足度調査自体が不満を招いている、という、
笑えない笑い話もあります。

また、職員満足度調査でも、
「待遇について」
「福利厚生について」
を訊いていることがありますが、
満足度が低いからといって待遇を上げることはできないでしょう。

もしできるとしても、
「不満といえば、上げてもらえる」
ととられても困るでしょう。

コンサルタント会社の出来合いの職員満足度調査や患者満足度調査は、
このように、
訊かなくてもよい設問を含んだ総花的なものも少なくありません。

「訊く」
ということは、
「要望があれば改善する」
という意思表示でもあり、
丁寧な回答をしなければ、回答者からの信頼を損なうため、
むやみに訊くことは、本来してはならないことなのです。

(2)客観的な要素とは、
事実によって測定することが重要だということです。

「満足」「不満」といった主観は、感情であり、
当てにならないからです。

来院時には快適だったものが、
退出時には不愉快な気持ちになっていた、ということも多々あり、
めまぐるしく変わる人の気持ちを、
年に数回の調査で訊ねても、さほど意味がないからです。

また、職員の「感じが良い」「感じが悪い」も、
個人によってわかりますから、
振り回され過ぎてはなりません。

(3)自分の病院を定点観測するとは、
他の病院と比較することは意味がない、ということです。

大切なのは、
自分の病院が、
職員から支持されているのか?
患者さんや地域から愛されているのか?
だけです。

いくら他の病院よりも数値が良く、
「ベンチマークより満足度が高いのに」
と言ってみたところで、
職員や患者さんが離れていれば、
何の弁解にもならないのです。

■リサーチ業者のコンサルタントは、
「調査」を販売することが商売なので、
できあいの調査を導入すると、
上記のようなことが起こりがちとなります。

その結果、
「ベンチマークが大事だ」
というセールストークをしたり、
訊かなくても良い設問が含まれていたり、
ということが多々あるのが実情です。

■本当に、現場を変えるには、
具体的な改善につながる施策を
厳選して導入されることをお勧めします。

また、施策を販売するコンサルタントではなく、
本当に現場を変えることをミッションとしているコンサルタントを
選ぶことをお勧めします。