■さすがに、東京女子医科大学病院の件に
触れないわけには行かないでしょう。

さまざまに病院を擁護する意見もあります。

たしかに、
東京都では感染者数が200名を超えているにも関わらず
7/22からGoToキャンペーンを開始すると言われており、

その背景には、
二階俊博氏の支持母体である全国旅行業協会を支援するために、
与党を挙げてGoToキャンペーンを推し進めており、

一方で、
国民を犠牲にし、
まして、
医療現場に対する支援が満足に行われていない実情があり、

医療行政の問題だという向きもあります。

たとえば、
医療機関に対しては、
補助金の給付よりも、
無担保・無利子の融資を設けるといった支援にとどまっているため、
コロナ終息の目処が立たない以上、
病院も経営の目処が立たない、ということも指摘されています。

そればかりか、
「観光感染」は人災だ
とまで言われているのにGoToキャンペーンを推進するのも、
医療軽視、国民の健康軽視とも言われています。

■また、医療機関を擁護する声もあるようです。
(正直、わたしには、実感がないのですが・・・)

たとえば、
病棟稼働率が落ち、
外来数が減り、
「コロナ以前のように患者さんは戻ってこないのではないか」
との観測も有力とされているため、

東京女子医科大学病院は、
「看護師が余る」
との見通しを持ったのではないか、という意見です。

とすれば、
これまでコストをかけて学ばせてきた奨学生を採用することを考えると、
既存の職員が退職することも容認できるのではないか、
という見方もあるそうです。

さらには、
「看護師が足りないから」
という建前で、
「赤字部門は維持できない」
と、閉鎖することもできるのだ、という意見もあります。

■しかし、
病院としては、失うものも大きいでしょう。

「足りなければ補充すれば良い」
と言っているとも報道されていますが、
看護師からは、
「職員をなんだと思っているのだ?」
という声が上がっていることも、同時に報じられています。

病院が
「補充すれば良い」
と考えていても、
そんな辞めさせ方をした病院に就業する人がいるのでしょうか?

世間からの
「このご時世にひどい病院」
という悪評を免れることもできないでしょう。

かつて、2017年に特定機能病院の指定も取り消され、
ガバナンスが取れていない模様が見受けられ、
病院は、
より一層、
職員や社会に対して、信頼できる組織にならなければならないはずですが…。

ところが、
理事長室に6億円をかける、という動きも、
極限状態の中で骨身を削って現場を支えて下さっている職員の方々の
神経を逆なですることは間違いありません。

「誰も止めないのか?」
疑問でもあります。

もし、
上場企業であれば、株主から責められるので、
自浄作用が働きますが、
病院にはそれもありません。

■そもそも、
経営が厳しいのはどこの病院でも同じです。

そんな中でも、組織と職員のつながりを作るのは、
やはり、コミュニケーションです。

すなわち、
「感謝」
「敬意」
「労い」
「賞賛」
などの承認のコミュニケーションです。

それがない組織には、
人は集まりません。

コロナがあってもなくても、
そんな組織のために人が役に立ちたいと思うことはありません。

「辞めたら補充」
という、働く側からすれば
「それでも人間か?」
と言いたくなるようなコメントを出す弁護士にも
コミュニケーションで商売する弁護士のセンスが感じられません。

■本来、組織の職員のつながりは、
「お金を出す・出さない」
でつくるものではありません。

もし、賞与を支給できないとしても、
「組織と職員とのつながり」
が感じられれば、
今回のようなネガティブな報道にはならなかったはずです。

では、病院経営陣は、
どのように職員の理解を取り付けるのか?
(東京女子医科大学病院の場合は、職員は1200名弱にのぼります)

言うまでもなく、
それは、
「コミュニケーション能力」
です。

このコミュニケーション能力とは、
いつもお伝えしている通り、
対面時のコーチングやファシリテーションではありません。

対面した時には形勢が出来上がってしまっているのですから、
その時の対話術によって、どうにかなるものではないからです。

したがって、
対面する前に、
「いつ、誰から、どこで、どのように
職員の理解を取り付けてゆくコミュニケーションを設けてゆくのか?」
によって、
初めて、相互理解にたどり着くことが可能となるのです。

■つまり、まさにいつもお伝えしている通り、
「関係性」
を構築することが必要なのです。

コーチングやファシリテーションのように目に見えるものは、
話題になり、学ぶ人も多いのですが、

もっと重要なのは、その前の段階において、
どのように立ち位置を創り上げておくか?
という
「関係性設計」
なのです。

「関係性設計」
の具体的な方法については、
これまで通り、
今後も、ここでお伝えしてゆきます。