■昭和・平成の時代、
多くの人の口から、
「物質的には豊かになったが精神的には幸せになったとは言えない」
との主張が語られていました。

みなさんもそう感じたことでしょう。

所得を増やすために、社会全体が無理をしていた気がします。

利益を上げるために、企業・組織が無理をしていました。

生活を守るために、そこに働く社員・職員が無理をしていました。

チャールズ・チャプリンの映画『ライムライト』のように、
人間が、
機械の一部となって、
ひたすら目の前に流れてくる作業をこなしていた・・・
それが昭和・平成の時代ではないでしょうか?

象徴的なのが、
「24時間戦えますか」
のフレーズで、
みんながみずからを鼓舞した
大塚製薬の「リゲイン」のコマーシャルではないでしょうか?

これです!

24時間戦えるはずもなく、
戦えても決して健康に良いはずもない、

それでも
リゲインを飲んで頑張ろう!
それをだれも異常とも思わない時代だったのです。

これを、
「ドーピング社会」
と言っても過言ではないでしょう。

もちろん、世の中の多くの企業もまた、
「ドーピング組織」
でした。

目はパッチリと見開いているものの、瞳孔も広がっていたかもしれません。

そして、バブルの崩壊とともに、
世の中はドーピングの酔いから醒め、
それまで蓄積していた無理による疲労がドッと出た結果、
日経平均株価は、
最高値の38957円から、リーマンショックの影響もあって6994円まで下がりました。

企業・組織もまた、
大企業の倒産や、食品・建築などの偽装が相次いで明らかになり
病弊が表面化したのが平成の時代です。

そして、生活する人々の間には、
将来に対する不安と
世の中や組織に対する不信が漂い、
メンタル疾患や自殺が増えて言ったのも、この時代です。

ドーピングで元気を装っていた、
健全ではない時代が長く続いたのです。

■そこで、提案です。

これからは、人間が本当に幸せになるためにはどうすれば良いか?

正しい選択をしてゆく方が良いのではないでしょうか?

それは、
言い古されたことですが、
「物質的に恵まれること」
ではなく、
「心が豊かになること」
でしょう。

心が豊かとは、
機械のように扱われるのではなく、
「自分の価値観が解放されること」
ではないでしょうか?

ドーピングで成型されてきた世の中や組織や人間が、
のびのびと育ったオーガニックな世の中や組織や人間へと、
変わるべき時が来たものと思います。

■組織について言えば、
経営者や管理職が、
「ああすべき、こうすべき、あれはやるな、これはやるな」
と価値観を押し付けて、
無理矢理に職員を動かすドーピング型組織から、

職員が
「ああしたい、こうしたい、あれが気になる、もっとできることはないか」
と価値観を解放して、
のびのびとみずから動くオーガニック型組織へと、
転換するということになるでしょう。

工業製品のような規格品ではない代わりに、
それぞれが強い個性を持ち活き活きとしている・・・、
令和を、そんな時代にしてゆきたいものです。

世の中も、
組織も、
人間も、
本来の活き活きとした自然体に戻った方が、
実は、
健全で、癒され、より元気が生まれる在り方だと、
みなさんも気づき始めているのではないでしょうか?

「仕事なんだからやって当り前」
「楽な仕事なんてない」
「仕事は甘いもんじゃない」
「職場は仲良しクラブじゃない」
・・・といった「べき論」はもう卒業しましょう。

「苦労しなければ、幸せになってはいけない」
「成功の陰には絶対に努力がある」
「努力していれば必ず報われる」
・・・といった幻想も、もう要らないでしょう。

■みなさんの周囲にも、
まだこれまでのドーピング文化に毒されていて、
みずからに無理を強いた視点や発想を当り前に思っている
上司、同僚、部下がいるのではないでしょうか?

頑なに過去の「べき論」に縛られて、
機械のようにレールの上を走ることが正しいと考えて
疑わない人は、少なくないのではないでしょうか?

ドーピング組織では、
むりやり成長させ実を大きくしますが、
作られた風味となり、
その後の幹や枝はヘトヘトになってしまいます。

もし、
「そういえば、世の中も組織も周囲の人間も、
ドーピングされていたかもしれない」
と振り返っていただけたなら、
未来が明るくなります。

なぜなら、ドーピングを卒業して、天然の生命力を活かすからです。

もし、
みなさんの周囲の方々が、
「本当は、こうしたい」
「本当は、気になっている」
「本当は、ああなりたい」
「本当は、もっとできることはないか」
と、自分の価値観を解放するようになれば、
どんなに健全で、明るく、活力ある組織になるでしょうか?