「スタッフがどれだけ想像を超えてくれるか」を評価せよ!

「スタッフがどれだけ想像を超えてくれるか」を評価せよ!

■「職員のモチベーションを高め、革新を起こせるのびのびとした組織にしたい」と考えることがあるでしょうか?

その価値観を職員に示すには、人事評価が意思表示になります。

では、その場合、どのように人事評価をすれば良いでしょうか?

  1. 上司が主観で評価する
  2. 上司の上司も加わって二次評価まで行なう
  3. 自己評価も併せて行なう
  4. 360度評価も併せて行なう
  5. 完全な成果主義にする
  6. 完全な成果主義や主観評価をしない

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■経営者、管理職が、
組織づくりやチーム・ビルディングをする場合、
職員がどれだけ前向きになったか、
どれだけモチベーションが高いか、
などを検証しなければならないはずです。

しかし、
「それを測定する方法が見つからない」
「それを測定する方法など存在しない」
と思って、
検証していないということが多いように見受けられます。

「職員が前向きになったり、モチベーションが上がれば、
業績に反映されるはずだ、」
と考え、
「業績で測る」
というところも、時々目にします。

さすがにこれは正しい検証にはならないと、
みなさんもお気づきでしょう。

この半期、無理をして業績を挙げても、
その負荷が大きすぎて、
職員のモチベーションが下がり、
次期以降の生産性が下がったり、
離職が生じるということも多々あるからです。

■そこで、
「職員の気持ちを検証するならば、
職員に聞くしかない」
と、
アンケート調査をする組織もたくさんあります。

たしかに、業績で測定するよりも
良いのかもしれません。

しかし、このアンケートは、
手間をかけて調査をしても、
実は、指標にはなり得ません。

たとえば、適性検査で有名なSPIテストを
思い浮かべてください。

「世の中には良い人が多い」
「頑張れば報われるものだ」
などの設問があります。

ところが、もしその日の朝、
駅でICカードにチャージしたときに
うっかり財布を置き去りにしてしまい、
しばらくして気づいて戻った時には、無かったとしたら、
職場について受けたSPIでは、
「世の中には良い人が多い」も、
「頑張れば報われるものだ」も、
5段階評価で、
まさか5をつける気にはなれず、
最も低い1をつけることになるのではないでしょうか。

ところが、その日の帰途、駅を訪ねてみると
財布が、失くした時のまま、現金もそのままの状態で
届けられていたことがわかると、
とたんに、
「世の中はまだまだ捨てたものじゃない」
「報われないと思うのは、頑張りが足りないからだ」
などと、がぜん前向きになるでしょう。

職場でも、
思いがけず友人が冷たければ、
「人は信用ならない」
「真の友達などいない」
と感じ、
昼に、その友人からお菓子をもらえば、
「頑張っていれば、応援してくれる人はいるものだ」
「やはり友達が大事」
と感じるでしょう。

つまり、
「人間の主観は、まったくあてにならない」
ということです。

一瞬で、心が明るくもなり、暗くもなるのが人間です。

一瞬で、視座が高くもなり、低くもなるのが人間です。

荒波にもまれている小舟の上で、
方角を見極めようとしているようなもの、
と言っても良いでしょう。

主観では、
自分のことすら、
冷静に、正しく見ることができないのですから、
まして、
他人のことを正しくみることなどできようはずもないのです。

360度評価などは、
あてにならない主観評価同士のぶつけ合いでしかありません。

小舟同士がぶつかりそうになって転覆しかければ、
お互いが、
「危険極まりないひどい人」
という評価になることもあるように、
必死で頑張っている職員同士で
ねたんだり恨んだりしていれば、
組織にとって良い動きをしていながらも、
互いに低い評価を付け合う、
という歪んだ結果になることもあるのです。

人間は誰もが自分というバイアスの眼鏡をかけていて、
時々刻々、
バイアスの眼鏡も曇ったり、暗くなったり、視界が偏ったりするものです。

なので、
もし、
「正しくみることができる」
と思っている人がいれば、それは
「思い上がり」
と言わざるを得ません。

■さて、組織づくりやチーム・ビルディングにおいては、
それでも、
職員がどれだけ前向きになったか、
どれだけモチベーションが高いか、
などを検証しなければなりません。

なので、
人事評価では、
「主観で評価するしかない」
と諦めて、
上司が主観的に評価をつけていることが多いのが実情です。

そのため、
部下の納得感はとても低くなります。

たまたま上司が良い印象を持てば、
出世することができ、
印象が悪ければ、
頑張っても報われない、ということが多々あります。

それどころか、
上司から好かれていれば、業績を上げていなくても出世し、
業績を上げていても、上司から可愛がられていなければ出世できない、
ということも珍しくありません。

このような状態の下で、
職員のモチベーションが上がるはずもありません。

■では、どうすれば良いか?

答えは、
「主観評価を徹底的に排除する」
ということです。

そこで、ひと頃、
「完全な成果主義だ」
という考えが広まったこともあります。

しかし、
フル・コミッションの営業職のように、
業務がシンプルであれば
馴染むかもしれませんが、
冒頭で示したように、
モチベーションと業績は必ずしも比例せず、
タイムラグが生じるので、
成果主義もこのましくありません。

さらに、こんにちのように、
業務が複雑だったり、
多角的に考えなければ価値が測れないことがあったり、
さらには、
指示された担当業務以外に、
「どこまで創造的に考えられたか?」
「イノベーションを起こせたか?」
を求める場合には、
成果主義では成立しません。

成果主義の下では、人は保守的になり、
チャレンジをしなくなるからです。

■では、
「主観評価」をせず、
「成果主義」をしないならば、
どうすれば良いのでしょうか?

それは、

  1. 「成果以前の意欲・努力・姿勢・行動も含めて」(何を)
  2. 「客観評価する」(どのように)

ということです。

つまり、
評価の対象(何を)を、
成果だけではなく、
その手前に生まれている職員の意欲・努力・姿勢・行動まで
拡げるということです。

そもそも、
前向きかどうか、
モチベーションが高いかどうかは、
「多くのことを考えたか」
「多くの工夫をしたか」
「多くのチャレンジをしたか」
といった成果以前のことだからです。

さらに、
評価の方法(どのように)を、
主観ではなく、
客観的事実に徹底するということです。

意欲・努力・姿勢・行動は、
思考がもととなるものの、
他者から客観的に認識されるのはその思考が
「発言」と「行動」となってに現れた時です。

なので、
「発言」と「行動」という事実を
客観的に評価することによって、
主観評価を廃することができるというわけです。

「この発言には、どんな意欲が含まれているのか?」
「この行動には、どんなモチベーションが現れているのか?」
を複数の目で、公正に評価することで、
一部の人の主観によって評価されることを避けられます。

■このように聞くと、
「では、
どうすれば、意欲・努力・姿勢・行動といった
成果よりも手前の発言や行動を把握できるのか?」
と疑問に思う人もいるでしょう。

「上司が部下の仕事ぶりを観察して情報を収集する」
という昭和の発想では、
「不可能」
という答えになることと思います。

これからは、上司がすべてを総覧することはできません。

なので、おのずと、
「部下の仕事ぶりを、部下自身がアピールる」
ということになります。

日々の、意欲・努力・姿勢・行動を表す
発言や行動を、
部下自身が記録に残し、蓄積し、アピールできるようにします。

「自分のことは自分でする」
それだけのことであり、
自律進化体質のもとでは、当然のことです。

さて、そうは言っても、
実際、
「毎日」
「自分の意欲・努力・姿勢・行動を」
「振り返って記録する」
ということを習慣にすることが難しい、と
感じるのではないでしょうか。

たしかに、何かを習慣化する場合、
「一人でやろうとしない」
というのが鉄則です。

人は、一つでも習慣をつくることが大の苦手だからです。

そこで、それをチーム全員で行なうことで
習慣化する方法があります。

それが、
1日5分のコミュニケーション・モデル
「HIT-Bit」
です。

HIT-Bitを行なうと、
日々、大小さまざまな意欲・努力・姿勢・行動が、
口をついて出てきます。

それを簡単に記録に残してゆくため、
事実情報が自然に蓄積するので、
おのずと、
客観評価が可能となる、という仕組みです。

経営者や上司は、その情報をもとに評価すれば良いのです。

部下の仕事ぶりや顔色をうかがうなど、
気を使いながら情報収集する必要から解放されます。

もし、
職員の意欲・努力・姿勢・行動も大切にしつつ、
上司次第の主観評価を排し、
部下が納得し、
モチベーションを高めてくれる客観評価を実現したいと
思うならば、
「HIT-Bit」
をお勧めします。

また、
部下職員に、
「自分の存在価値は、自分からアピールするべきだ」
と考えるような、
自律的な思考を持ってもらいたいと思うならば、
「HIT-Bit」
を導入して、
その思考を習慣化することが必要でしょう。

なお、HIT-Bitについては、1Dayセミナーを開いています。