■経営者・幹部の多くは「今以上にスタッフが成長してくれたら」と
日頃から願っていることでしょう。

では、どうすれば、それが可能となるでしょうか?

  1. 教育プログラムを作り強制的に受講させる
  2. 教育プログラムを作り任意で受講させる
  3. より質の高い教育プログラムを作る
  4. 教育プログラムを作らない

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■ある企業の経営企画室長の話。

その会社では、経営陣の
「管理職の自主性が高まるよう育成したい」
と要望から、経営企画室が中心となって
「管理職研修プログラムを作りたい」
とのことでした。

その後、
いくつかの単元を設け、
外部講師の登壇も取り付けて、
プログラムは完成。

果たして、
新年度を迎え、全管理職に告知したところ、
どうなったでしょうか?

ほとんど参加申し込みがなく、
ほとんどの単元が開講しなかったでそうです。

自主性を育てたかったこともあり、
自由参加にしたものの、
「このままでは管理職が育たない」
と感じ、その経営企画室は、
まずはひとつの単元だけ、
強制参加で開講したとのことです。

■またある病院では、看護部長が、
職員研修プログラムを作りたい、とのことでした。

当初はわたしも相談を受けましたが、
看護部長には、
組織開発よりも、
個別のテーマを揃えたいという考えがあり、
途中から、
わたしは関わらないことになりました。

看護部長は熱心に取り組み、
看護協会の管理職研修などのエッセンスを
貪欲に取り入れてプログラムを策定しました。

さまざまな進路展開を視野に入れたプログラムは
将来のキャリアを考える看護師にとっては、
他にない充実した内容となっており、
他の病院の看護部長の方々に話したところ、
感心されたほどだったと言います。

では、下半期に入る10月に、
満を持して院内に告知したところ、
どうなったでしょうか?

ところが、こちらも、
「強制でないなら今は見送りたい」
「いま自分が求めるテーマがない」
などの声が多く、
エントリーは全体で数名だったとのことです。

なかには
「この時期、それが必要なのか?」
という意見さえあったと言います。

■ここからが本題です。

みなさんも、
スタッフ育成プログラムを作ろうと考えることがあるでしょうか?

その際に、重要なことは、そもそも
「教育しよう」
と思わないことです。

「あれも教えたい。
これも判って欲しい」
と、思っているのは自分だけで、
スタッフは関心を持っていない、
・・・というこの状況が最も効果につながらないからです。

その逆に、
みなさんがそれほど関心を持たなくても、
スタッフの側が、
「あれも学びたい。
これも身につけたい」
と思っている状態ならば、
そこで行なわれる学びは極めて効果的なものとなります。

■人間は誰しも
「判ってもらいたい」
生き物なので、
つい、経営者や幹部は、
自分がわかってもらうための研修構成を
やりだしてしまう傾向があります。

それは、すなわち、
スタッフから見れば、
「価値観の押しつけ」
をされていることに他ならず、
モチベーションが上がることはありません。

経営者や幹部の策定した研修プログラムが充実しているほど、
スタッフにとっては
「押しつけ感満載」
と映ることになってしまうのです。

「研修プログラムを作る」
という意気込みが感じられた時点で、
実は、
エントリーが少なくなるという結果が
ある程度見えていた、とも言えます。

(もちろん、その旨、わたしから助言しましたが、届きませんでした。残念)

■では、どうすれば良いか?

(1)プログラムの実施が急がれる場合と、
(2)そうでない場合と、
方法は異なります。

(1)プログラムの実施が急がれる場合には、
経営者・幹部が、
スタッフの関心を喚起しながら進めてゆく必要があります。

具体的には、
企画したいテーマごとに、
関心を持つスタッフをスカウトして、
プログラム策定をプロデュースしてもらう、
・・・という方法です。

人間には、
「関わりが多いことにほど、執着を持つ」
心理構造がありますから、
担当したスタッフは、
プログラム策定の過程でさらに関心が強くなります。

したがって、
プログラムを策定した時には、
すでに、
非常に高いモチベーションを持ったスタッフに成長している、ということになります。

そのスタッフが、
その過程で仲間を巻き込んでいれば、
非常に高いモチベーションを持ったスタッフが、
何人もいる組織が実現するのです。

では
「プログラムは実施しなくても良いのか?」

答えはもちろん
「Yes」
です。

なぜなら、
課題に執着を持つことができたスタッフは、
あとは自発的に調べたり学んだりするようになるからです。

(2)プログラムの実施が急がない場合は、
経営者・幹部がテーマを挙げない方法を取ることができます。

つまり、
「このテーマで、学びたい」
と、スタッフの側からテーマを提示してくるのを待ってから、
それを支援する、ということが可能となるのです。

自分からテーマを挙げて学ぶことほど
高いモチベーションは他にないでしょう。

■というわけで、冒頭のクイズ、
今以上にスタッフが成長してくれるためには、どうすれば良いか?について、

[1]の「教育プログラムを作り強制的に受講させる]
[2]の「教育プログラムを作り任意で受講させる」
[3]の「より質の高い教育プログラムを作る」
は、いずれも、経営者・幹部側の
「教育したい」
という願望でしかない点で、効果的な研修にはなりません。

昭和の時代には、それが当り前でしたから、
「別段、違和感を覚えない」
という人も多いかもしれませんが、
教育の押し売りをされた時の不快感はお心当たりがあるでしょう。

そして、正答は、
[4]の「教育プログラムを作らない」
となります。

経営者・幹部が作らないこと、
そして、
スタッフ自身が作ること、
スタッフがみずから作りたくなることが、
最も多くの学びを身につけてくれるからです。

■なお、
「どうすれば
『このテーマで、学びたい』
と、スタッフの側からテーマを提示してくるようにできるか?」
と考えるでしょうか?

自主性を引き出す以上、
その方法は教育ではないということは、言うまでもないでしょう。

では、教育によらず、
どうすれば自主性を高め、
スタッフの側から
「このテーマで学びたい」
という意欲的な言動を引き出すことができるのか?

そのための方法が
自律進化組織研究所の提唱している
『HIT-Bit®︎』
です。

断片的な説明は、
別の機会にこのブログでしています。

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