■「明るく元気で生産性の高い組織にしたい」と考える経営者・管理職は多いでしょう。
では、次のうちで、組織改革をする際に一番最初にしておくべきことは何でしょうか?

  1. 各現場のスタッフに研修を受けさせる
  2. 各現場にマニュアルを作らせる
  3. 自分の方針を新しいスタッフに教育する
  4. 自分の方針に合う人材をスカウトしてくる
  5. 自分のゴールを明確にする

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■昨今、多くの組織の上層部の方々から、
「ボトム・アップ型の組織にしたい」
という声を聞きます。

とりわけ、コロナ禍に見舞われてからは、
組織とスタッフの関係性が希薄となり、
ますます、
スタッフの力を引き出すことの難しさが鮮明化しているため、
「ボトム・アップ組織に変えたい」
という望みが、切実なものになっているのでしょう。

しかし、
そこで最も重要なことは、
ボトム・アップ型の組織にしたいと言う以上、
「ボトム・アップ型組織を明確にイメージできること」
です。

上層部がイメージできていないものを、
現場スタッフが的確にキャッチし、
現在のトップ・ダウンの色濃いカルチャーを脱却し、
ボトム・アップのカルチャーへと変わることなどできません。

では、本当のボトム・アップ組織とは、
どんな組織でしょうか?

ボトム・アップが当り前となると、
そうでない、トップ・ダウン型の組織とは、
ほぼすべてのことが異なることになります。

■その一覧表を掲載しておきましょう。

なお、画像はこちらです。「表1」「表2

大きな違いの一つは、
「担当者起点型組織」
から
「テーマ起点型組織」
になることです。

そこで、一覧表を見る場合、
担当者起点型組織を、
そのまま、
トップ・ダウン型組織、
指示命令型組織、
ととらえて問題ありません。

同様に、
テーマ起点型組織を、
そのまま、
ボトム・アップ型組織、
自律進化組織、
と置き換えてお考えください。

■なぜか?というと、
トップ・ダウン型組織においては、
組織を支配する最大のルールが「指示命令」なので、
指示命令型組織となり、

勝手に動くことが勧奨されない現場では、
「この問題は、誰が担当」
という指示命令によって人が動くことになり、
その担当者という人が起点となってテーマに臨むので、

それは、
「担当者起点型組織」
となるからです。

反対に、
ボトム・アップ型組織においては、
スタッフ一人一人が「自律進化」することが前提なので、
自律進化組織となり、

勝手に動くことが当り前の現場においては、
「問題を感じた人がテーマを掲げ、関心のある人が集う」
という自律進化によって人が動くことになり、
そのテーマが起点となって集った人が担当となるので、

それは、
「テーマ起点型組織」
となります。

■では、みなさんの組織は、
どちらに近いでしょうか?

ブルーの担当者起点型組織に近ければ、
意識的に自律進化組織へ転換してゆくことを
検討されると良いかもしれいません。

グリーンのテーマ起点型組織に近ければ、
すでに組織の生産性は最大化されている可能性があります。

まず、担当者起点型組織の、
【1】基本構造は、
トップが課題と思ったことに対して、
人を割り当てて、担当者とすることから始まります。

その最大のデメリットは、
(1)トップの視界が、組織の視界の限界となり、
(2)その対処については責任を負う担当者の力量が限界となる
といった点【2】でしょう。

そのほかさまざまなデメリットがあります。
担当者がいずれも情熱を持っているとは限らず、
問題意識の弱い人が担当者の一人として関わることが起きます【11】デメリット①。

当人にとってはやらされ感を抱くことになり、
結果、対処が行き届かないので、
成果も良いものにならない、ということが多々あります。

また、
担当している領域はしかたなくしっかりやるだけに、
それ以外の領域に関心が低く、
誰も担当者がいない領域における課題を
組織のだれも発掘しない、という大きなリスクが生まれます【12】デメリット②。

さらに、
その担当者もおのずと知識や技術に限界があり、
にもかかわらず、
担当者以外の者が関わることがないので、
おのずと、その担当者の限界が、その組織の限界となってしまいます【13】デメリット③。

それは、一般にいう「サイロ・エフェクト」という状態で、
担当者は、サイロに監禁された様に、
外界と遮断された状況に陥るので、
本人は、孤独感、孤立感を覚えるだけでなく、
不安やプレッシャーによって苦しく感じる結果、
業務の効率や精度が落ちるということがあります【16】デメリット④。

自分の担当領域にとらわれるあまり、
眼前の部分最適には敏感となる反面、
組織の全体最適を見失ったり、
将来を見据えた視点を持てなくなってしまいます【17】デメリット⑤。

また、トップ・ダウンが根底にあるので、
上意下達が原則ですから、
どうしてもスタッフ側には、
不完全燃焼感や、不信感が生まれ、
精神衛生的にも好ましくない状態となる、
という点も組織にとって、目に見えない大きな損失となります【19】デメリット⑥。

■これに対して、
テーマ起点型組織の、
【1】基本構造は、
トップが予期しなかった問題提起や改善提案が
現場から上がってくるのが当り前なので、
テーマあるところに、
関心のあるスタッフが集まり対処してゆくのが
組織の生態となります。

そこには多くのメリットがあります。

最大のメリットは、
(1)全員の視界が組織の視界となるので全方位型のアンテナを備えることになり、
(2)関与するスタッフが中心となるものの、柔軟に力を借りるので全スタッフでの対処になる
という点【2】です。

ほかにもさまざまなメリットがあります。

関心のある人が集まりので、そこにやらされ感が混入することはありませんから、
納得ゆくまで取り組むことになります【11】メリット①。

また、
誰もがどんな思いがけないテーマを発掘する可能性を持っているので、
経営陣が予期しなかったテーマが見つかり、解決されてゆくことが起きます【12】メリット②。

さらに、
そもそも担当・非担当という壁がないので、
関心のある人が自由に関わることで、
組織としては最強の部隊になります【13】メリット③。

したがって「サイロ・エフェクト」は起こりようもなく、
つねに
「組織全員が味方」
という環境の中で、協力し合いながらテーマに望むことができます【16】メリット④。

そもそも、日頃から、
「どこにテーマがあるかわからない」
「一つでもテーマを見つけて、どんどん改善しよう」
という視点を持つ組織風土となるので、
つねに視野が拡大することになり、
おのずとスタッフ全員が、
組織の全体最適を考える組織体質になります【17】メリット⑤。

そこには、ボトム・アップが根底にあるため、
「どんなことでも話してみよう」
というカルチャーが醸成されるので、
いわゆる
「心理的安全性」
が確保された職場となります。

小さな違和感や些細な問題意識など、
言いたいことが、遠慮なく何でも言える職場であり、
これほど精神衛生に良い環境はないでしょう。【19】メリット⑥。

■こうしてみると、
トップ・ダウン型組織とボトム・アップ型組織、
指示命令て組織と自律進化組織、
担当者起点型組織とテーマ起点型組織の
違いがより浮き彫りになったのではないでしょうか。

世間では、
「ボトム・アップ組織をつくる」
「自走組織をつくる」
「自燃型人材を育てる」
などと言われていますが、

そもそも、最も重要なのは、
トップが、
目指したいゴール像を明確にイメージできる様にしておくことです。

上述の様なさまざまな場面で、
つねに軌道修正してゆくことが、
組織文化を醸成する作業にほかならないからです。

というのも、
ともすれば、わたしたちは、
従来の組織体質の現れが視界に入っても、
見過ごしてしまうのです。

これが続くと、
いうまでもなく現場スタッフは、
みなさんの方針に着いて来てくれませんから、
思う様な組織を実現することには至らないのです。

したがって、冒頭のクイズ
組織改革をする際に一番最初にしておくべきことは何でしょうか?
については、

[1]の「各現場のスタッフに研修を受けさせる」
[2]の「各現場にマニュアルを作らせる」
[3]の「分の方針を新しいスタッフに教育する」
[4]の「自分の方針に合う人材をスカウトしてくる」
・・・は、方向性が明確になってから検討するべきことであることがお判りでしょう。

したがって、正答は、
[5]の「自分のゴールを明確にする」
となります。

さて、
ボトム・アップが当り前で、
プロジェクトは常に現場から沸き起こるテーマ起点型の文化で、
つねにみずから気づき考え前進する
「自律進化組織」
を実現できれば、どんなに素晴らしいことでしょうか。

その自律進化組織を最短最速で実現するための
最もシンプルな手法が、
1日5分のコミュニケーション・モデル
『HIT-Bit®︎』
です。

HIT-Bit®︎については、1Dayセミナー(オンライン)を開いています。
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(いずれも同内容です)

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