答えが見つからない問題ほど、現場スタッフに降ろせ!

答えが見つからない問題ほど、現場スタッフに降ろせ!

■新しい施策を導入するにあたっては、
さまざまな実施上の問題点が浮かび上がることがあります。
自律進化組織づくりにおいても、それは例外ではありません。

では、さまざまな実施上の問題点が上がった時に、
経営陣はどうすれば良いでしょうか?

  1. 経営陣で対処方法を決めるまで導入しない
  2. 経営陣が幹部を交えて対処方法を決めるまで導入しない
  3. 経営陣・幹部・管理職で対処方法が決まるまで導入しない
  4. 対処方法が決まらなくても導入してしまう

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■以前、ある病院の事務長の方から、
「自律進化組織を実現したい」
という相談を受けました。

HIT-Bit®︎という手法について
「説明を聞いてみたい」
とのことでしたので、
概要を説明したところ、
その方は、こう言いました。

「各部署で、
1日5分、集まって発言するとのことですが、
うちの病院では難しいと思うのです」

そこで、
「では、
他に、スタッフ同志のコミュニケーションの方法はありますか?」
と訊くと、
「それがなかなか難しいのです」
とのこと。

さらに
「時々集まっても、会議のようになるだけです。
その点、
HIT-Bit®︎のような
毎日のルーティンのコミュニケーションにすれば、
お互いの価値観を解放できるようになり、
良い関係性が作られてゆくのです」
と言うと、

「たしかに、
月例のミーティングなどでは、
建前ばかりになりがちで、
気安く自分の価値観を言えるような
良い関係性づくりのコミュニケーションはできませんね」
と言います。

「では、どうしますか?」

「毎日のスタッフ間のコミュニケーションが必要なのは
わかるのですが、
うちの病院の場合、
すべて部署で1日5分集まれるかどうか・・・」
と、振り出しに戻ってしまうのです。

■いつもこのブログをご覧くださっているみなさんは、
すでにお気づきでしょう。

「この事務長が、そこまで心配する必要がない」
ということに。

「価値観を解放すること」
「毎日のコミュニケーション」
の2点が必要であるということだけが、
しっかりとスタッフの方々に刺されば、
あとは、
「うちの部署なら、どういう形が可能か?」
と、

自分たちの現場の実情に合った形を、
自分たちで導き出すからです。

事務長が考えるよりも、
その部署で毎日働いているスタッフ自身の方が、
最適な形を考え出すことができることは、
言うまでもないでしょう。

にもかかわらず、
つい、
「あの部署でできるだろうか?」
「このメンバーでできるだろうか?」
と、
この事務長のように考えてしまう経営者・幹部は
少なくないのではないでしょうか。

日本では、永い間、
「大事なことは上が決めて、下は忠実に従うべき」
という文化が続いてきましたから、
その事務長や多くの方々が、
「現場ができるだろうか?
現場ができる見通しがつかなければ、現場に下ろせない」
と考えてしまうのも、無理のないことなのです。

しかし、これからはそうも言ってはいられません。

「かつての常識が非常識」
という時代に、すでになっているのです。

たとえば、
かつては、
「仕事は大変なもの。会社のために自分を犠牲にするべき」
という考えが常識的でしたが、
いまや、
「そんな職場に誰が勤めたいと思う?」
という文化になっているでしょう。

■さて、このように、
本来、部下スタッフに任せた方が良いにも関わらず、
上席者が
頼まれてもいないのに、
わざわざみずから責任を負ってしまう傾向を、
「責任を負ってしまう病気」
すなわち
「負責病」
と呼んでいます。

もしかしたら、
みなさんの中にも、
「自分がやり方を見出せていないのに、
部下たちにやれと言うのは無責任だ」
と考えてしまう方もあるかも知れません。

では、逆に、
「すべて、やり方がわかっていることしか、
上司は部下にやらせてはならない」
というルールで良いのでしょうか?

「経営者も幹部も管理職も答えを知らないが、
しかし、
なんとかして解決しなければならない問題」
は、日々、現場にはゴロゴロ存在しているはずです。

答えが出ようと出まいと、
上下の別なく、だれかれなく、
仮説を立てて、
やっていかなければならない、
・・・それが仕事ではないしょうか。

スタッフたちが、
「なんでも上司が答えを持ってきてくれる」
「上司の言ったようにやっていれば良い」
と、受け身で人まかせで依存的で、
パフォーマンスが上がるはずがありません。

スタッフが、
トライ・アンド・エラーをするという責任を
持ちたがらない組織が、
変化の激しい時代を生き抜いてゆくことなどできません。

■実際、
現場スタッフがさまざまに工夫して、
形を変えたHIT-Bit®︎を実施し、
効果をあげている例がたくさんあります。

たとえば、
午前だけや午後だけのシフトのスタッフがいるので、
午前と午後に1回ずつHIT-Bit®︎を行い、
スタッフは、どちらかに参加する
・・・というスタイルで実施している部署もあります。

たとえば、
責めて時間短縮するために、
発言内容は各自、事前に記載しておき、
対面のHIT-Bit®︎では、
簡潔に発言することにしている
・・・という部署もあります。

たとえば、
(時々ご紹介している)訪問看護リハビリステーションの
「ティエル町田」では、
みんながオフィスに同時に居るということ自体が稀なので、
クラウド上にフォームを置き、
スタッフは、
それぞれ都合の良いタイミングに、
1日1回は、フォームを開き、
発言する代わりに入力するようにしています。

その入力内容に、
他のスタッフが、
またレスポンスを入力して、
さながら同じ部屋の中でおしゃべりをしているかのような
楽しいコミュニケーションが実現されている
・・・という例もあります。

まさに
「価値観を解放すること」
「毎日のコミュニケーション」
の2点が不可欠であるということを、
スタッフ達がしっかり理解したからこそ、
あとは、
具体的なやり方はスタッフ自身がみずから工夫し見出してくれるのです。

■こうしてみると、
頼まれてもいないのに
「うちの病院でできるのだろうか?」
と悩んでいる事務長の方が、
一面で親切であるとも言える一方で、
実は、
過保護であるということが見えてくるでしょう。

この事務長の方は、
せっかく、
スタッフを守るつもりで考えているのですが、
結果的に、
スタッフの工夫と実践の機会を奪ってしまう結果となっています。

「自律進化組織をつくりたい」
という相談であるにもかかわらず、
却って、
スタッフたちの自律進化を妨げているのです。

もし、みなさんが、
この事務長のように、
「自分ができるかできないかを考えてあげなければならない」
と思っていたら、
その過保護な発想をできるだけ捨てた方が良いでしょう。

そうしなければ、
自律進化組織にはなりません。

「ぼくだって、答えは判らない。
でも、
このままではダメだということだけは確かだ。
何とか考えてくれ」
と、
思い切って任せてしまうことこそが、
スタッフが自分で歩いて行けるように足腰を鍛えさせることであり、
それが、
自律進化組織づくりの初歩だということです。

■したがって、冒頭のクイズ
「新しい施策を導入するにあたって、
実施上の問題点が上がった時に、経営陣はどうすれば良いか?」
については、

[1]の「経営陣で対処方法を決めるまで導入しない」
[2]の「経営陣が幹部を交えて対処方法を決めるまで導入しない」
[3]の「経営陣・幹部・管理職で対処方法が決まるまで導入しない」
のいずれもが、
過保護であり、負責病に他なりません。

答えが有ることも無いことも、
自分たちで考えて取り組んでこそ、
自律進化組織です。

したがって、
経営陣・幹部・管理職が
「答えを出して与えてあげる」
という過保護体質を卒業して、
[4]の「対]処方法が決まらなくても導入してしまう」
とするのが、
正解であると考えます。

■万一、部下スタッフから
「上司が答えを知らないのに、わたしたちに答えがわかるはずがありません」
といった声が上がったら、
「自分の部署で自分たちがどう行動するかを自分たちで決めよう。
それが自治能力だ」
と返答しましょう。

これからの組織人は、
自分で答案を出し自分で進んでゆく自治能力が必要となるからです。

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