>>>前回からのつづき
なお、本記事は、
組織変革が実効するために、
「患者サービス研究所ではこうしてきた」
「患者サービス研究所ならこうする」
という組織開発の実務の観点から
各ステップにおいて重要となるポイントについて述べたものであり、
コッターの理論を解説しなおしたものではありません。
組織変革のステップについて、改めて目を通していただけたことと思います。
また、
その各ステップについて、
効果的に実践し、組織変革を実現する上での、
実戦的ポイントについても、
確認していただけたのではないでしょうか。
そして、
組織変革とは、人や組織が相手である以上、
アクションの手順だけでは、絶対にうまくいかないのです。
何よりも重要なのは、
アクションの手順だけでなく、
実務上は、
人間の心理構造を踏まえて考えなければ
せっかくフレームがあっても、
血の通った組織運営にも、効果にも繋がりません。
しかしながら、
人間の心理構造を踏まえた組織変革の方法については、
まだまだ研究されていません。
そのため、多くの組織において、
本来注意するべきポイントとは正反対のことを
進めているのが実状でしょう。
そこで、
各事項においてあげたポイントを改めて列挙しておくので、
注意して組織づくりをすることをお勧めします。
▶︎組織変革とは、価値観を共有することである
▶︎組織変革には、トップがゴール像を明確に描くことが必要
▶︎しかも「期限」がなければ、組織変革は進まない
▶︎「関心が高くない人には関与させない」
「当事者意識が希薄な人に意見を聞かない」
▶︎実働部隊の人選は、立場や役職でしてはならい。
「コア・マインド」で選ぶ。
▶︎なにかを任せる場合には、
「権限と責任を明示すること」
▶︎情意事項を言語化できなければ
組織を巻き込むことは不可能
▶︎組織づくりは仲間づくりである
▶︎組織マネジメントこそが管理職の主なミッションである
▶︎「変化することが当り前だ」
と考える職員が各部署に一人以上現れていること
▶︎呼びかける人が、その他の人たちから孤立しないこと
▶︎自発性を引き出すには、
教育・研修・指示・命令・指導・管理は
最も避けなければならない
▶︎管理職の強力なリーダーシップの下で、
「コミュニケーションのための機会を設ける」
▶︎「職員間の安心安全な関係性を整備すること」
が、職員から自発的ん言動を引き出すための鉄則
▶︎「良い成果の情報が現場から上層部に上がってくる仕組み」
を構築しておくこと
▶︎変革を推進するために必要なことは、第一に
上がってきた成果を組織全体で共有すること
▶︎第二に、
組織として感謝・敬意・労い・喜びの意思表示をすること
▶︎チャンレンジングな組織へと変革したいならば、
「評価よりも承認を重視すること」が鉄則
▶︎トップみずから
「何もしないよりも、何かする方がはるかに価値がある」
と明言すること
>>>以上
■ここまでで上げてきたポイントは、
決して、単なる理屈ではありません。
患者サービス研究所では、
これらのポイントを踏まえて組織づくりを行なっています。
永年の数多くの経験から
「患者サービス研究所ではこうしてきた」
「患者サービス研究所ならこうする」
といったポイントを挙げてきました。
ただし、
わたしたちには、
驚くほど、昭和の時代の指示命令体質が染み付いているので、
一朝一夕には、こうした発想に切り替わりません。
時間をかけて、
日常の中で、
自律進化体質の視点と発想を育まれると良いでしょう。<
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■なお、
患者サービス研究所が提唱する
1日5分のコミュニケーション・モデル
「HIT-Bit」
は、毎日の中で価値観を共有してゆくので、
実施していると、
上層部から管理職、現場職員まで、
自律進化体質が、確実に浸透してゆきます。
この
「HIT-Bit」
についても、また別の機会に詳しくお伝えします。
コッターの組織変革の8段階が実効するためのポイント(完)