かならず効果が上がる研修を設計する方法

かならず効果が上がる研修を設計する方法

■「せっかく研修をするなら、

もっと効果の上がる研修はないか?」

と考えている方は、少なくないことでしょう。

 

そのため、

「聞くだけよりも、ディスカッションさせる方が良いのではないか」

「最近流行りの、ワールドカフェ形式はどうか?」

などという人もいます。

 

また、以前には、

「映像を使った研修を探している」

という人までいました。

 

こうなると、

もはや研修の形式に関心が向いており、

研修の効果を上げるという目的を完全に見失っています。

 

また、

「参加者の反応が良い研修なら効果が上がるはずだ」

と思って、

「目先の違う、面白い研修はないか?」

という研修担当者も少なくありません。

 

その結果、

・即興芝居をみんなで演じる研修

・漫才師経験者2人の掛け合いで笑いの連続になる研修

・闇の中を二人で歩く体験をする研修

・アンケートに答えて自分の強みを発見する研修

・サバイバル体験でチームワークを学ぶ研修

・高原に行って農作業をする

・一緒に料理をする

・芸術作品を作り上げる

……といった、もはや何を学ぶのかさっぱり分からない研修まで登場する始末です。

 

こうなってくると、

「効果が上がるのか?」

を考えているのか、はなはだ怪しいものです。

 

「目先の違った研修をとりあえずやってみたい」

という本末転倒なニーズがあるからでしょう。

 

そんなニーズがあることを奇貨として、

「それ研修?」

という研修を売り込む研修会社もあります。

 

その結果、

「研修がイベントだ」

と勘違いしている研修担当者も珍しくありません。

 

■本当に研修を効果的なものにならないのは、

そもそも、

「研修の時間だけでなんとかしよう」

という横着な発想のもとで研修を行なっている、ということが最大の原因です。

 

考えてみれば、頼んでもいないのに、

集められて

あれこれと教え込まれても、

もどった仕事の日常に活きるはずもありません。

 

元来、人は、

学ぼうと思わなければ習得するものはなく、

学んだことを習慣化することは至難の技です。

 

したがって、

それでも多くを学び新たなことを習慣化して欲しいならば、

研修を行なう場合には、

「研修前と研修後を、しっかり設計して企画する」

ことが不可欠であることがわかるでしょう。

 

■研修前には、

「学ぼう」

というマインドを醸成することです。

 

学ぶことへのモチベーションだけではなく、

「学んだことを現場で活かしたい」

というモチベーションでなければなりません。

 

また、

「活かしたい」

という希望だけではなく、

「活かさなければならない」

という必要性を感じている方が、はるかに高いマインドになります。

 

逆に、このようなマインドを醸成せずに研修をしても、

集められた職員のモチベーションが低く、

効果が上がらないことは、言うまでもないでしょう。

 

この研修前の準備を、

みなさんの現場では、どこまでしているでしょうか?

 

■研修後には、

「学んだことを実践し続ける」

仕組みをつくることです。

 

「現場で活かそう」

というマインドがどんなにあっても、

それを実践し続けることは、誰にとっても難しいものです。

 

「みんなで、できるだけ」

という呼びかけをしても、

誰も何もしないことが明らかです。

 

誰にとっても、良い習慣を身につけることは

至難の技だからです。

 

そんなわたしたちには、

「頑張って続けましょう」

「心がけましょう」

「意識しましょう」

と呼びかけるだけではなく、

継続できる仕組みが必要なのです。

 

つまり、研修後に、

「いつ(どのような頻度で)、

誰が(誰と)、

何を、どのようにするのか?」

といった具体的な行動を設計しておくことが必要だということです。

 

この研修後の仕組みを、

みなさんの現場では、どこまで設計しているでしょうか?

 

■「この症状の本当の原因が何か?」

を見極めて、

その原因に応じた対処をしなければ、

「症状が消える」

という成果を生み出すことはできない、

ということは、改めて言うまでもないでしょう。

 

研修はイベントではありません。

 

目先を変えただけのおかしな研修を売り込んでくる研修会社に

振り回されてはいけません。