■さまざまな取組をするにあたり、
「プロジェクトチームに任命する」
「委員に任命する」
といった話になることがあります。
もちろん、
全体を巻き込むには中核となる勢力(リード・メンバー)をつくること、
中核となる勢力をつくるには、さらにその中核を構成する(コア・メンバー)をつくることが、
鉄則です。
そこで、つい
「コア・メンバーは誰に頼もう」
「リード・メンバーは誰に任せよう」
という発想になりがちです。
■しかし、
この発想は、
上意下達の指示命令体質が色濃く現れていると言わざるを得ません。
自律進化体質を考えるときには、
「頼む」
「任命する」
といった思考は禁物です。
上下の関係を徹底して排するならば、
サークルを立ち上げるプロセスを想定すると良いでしょう。
仲の良い友達同士で、
「ああしよう、こうしよう」
と語り合い、話を進めてゆき、
それが、コア・メンバーとなる、
・・・というパターンではないでしょうか?
すなわち、
「声をかける自分」
と、
「声をかけられる相手(職員)」
とが、この件については、
「同格」
でなければなりません。
■もともと、
指示命令体質においては、
「同格化、仲間づくりの発想はありません。
一方、
自律進化体質を目指すなら、
「同じ想いの仲間をどれだけ作るか?」
と、相手を同格化することが必要です。
なので、
わたしたちの中の、
指示・命令・教育・研修・指導・管理といった
センスを徹底的に、意識して排除することです。
後輩も、
上司も、
他部署の職員も、
連携先や取引業者も、
自分が面接して入職した人も、
自分にとって上でも下でもない、
同格の存在にする、ということです。
「馴れない」
という方も少なくないかもしれませんが…。
■しかし、多くの現場でも、
「うまく巻き込んで!」
と、常識のように言われています。
その「巻き込む」とは、
まさに、同格化のことに他なりません。
同格同士で重要なのは、やはり
「感謝と敬意」
であることは、想像に易いでしょう。
指示命令に寄らなくても、
自分と同じ想い持って、
「そうですね!ぜひやりましょう!」
と言ってくれる相手には、
自然と感謝と敬意の気持ちが持てるのではないでしょうか。
また、自分が相手の想いに共鳴して、
一緒に取り組もうと思った時も、
持ちかけた本人から、
感謝と敬意の気持ちを示してもらえたら、
大いにモチベーションが上がるのではないでしょうか?
異なる人生を歩んできたにも関わらず、
同じ想いを持って取り組んでくれる人がいれば、
それは奇跡なのですから。
■このように、職務上の立場を離れて、
同じ想いを持つ仲間をつくってゆくと、
指示命令によってつくられたチームよりも
はるかに
強く、柔軟で、長続きするチームになります。
なぜなら、その仲間は、
みなさんの理解者ではなく、
みなさんと同じ想いを持っている、いわばみなさんの分身なのです。
もし、みなさんが、
組織を指示命令で動かすのではなく、
すでに
自律進化して欲しいと思ているならば、
日頃から、
感謝と敬意を示しているでしょうか?
立場に上下はあっても、
「同士だ」
と想っているでしょうか?
同格の相手に対しては、
「ああしろ、こうしろ」
とは言わないものです。
では、どうやって同じ想いを取り付けるか?
それは、説明することではありません。
みなさんが
触発された場面、
感銘を受けた話、
目からウロコが落ちた体験、
何よりも啓発してくれた人に、
仲間を引き合わせ、
自分と同じ衝撃を受けてもらうことです。
そこでお聞きしましょう。
みなさんが刺激を受けているセミナーに、
上司や部下を連れて行っているでしょうか?
みなさんがどうしても重要だと思う活動に、
上司や部下を誘っているでしょうか?
地域連携のための交流会に、
直接の担当者以外の職員を連れてきているでしょうか?
学会に、
関心のありそうな職員を連れて行っているでしょうか?
経営者向けの診療報酬改正セミナーに、
管理職も参加させているでしょうか?
経営者の集まりや、地域の事務長会などに、
その他の、経営について関心がありそうな職員を
積極的に同席させているでしょうか?
■まずは、
自分と同格の職員を2~3名創りましょう。
これができなければ、
いかなる小さな規模であれ、
自律進化チームを創ることはできません。
目の前の職員は、自分と同格です。
同じ温度で熱く語り合えることができるかどうか?が重要です。
■なお、そのためには、
本年で話し合える関係性が必要となるでしょう。
なぜなら、多くの人が、
お互いの立場を離れて意見交換することに慣れていないからです。
では、次に、
どうすれば、本音で話し合えるか?
それは、普段から、
「どんな意見でも、尊重して一旦聴く」
存在になることです。
普段から、
大事なことも些細なことも、
何を言っても聞いてもらえるという体験があれば、
人は、
「この人には、なんでも話せる」
と思えるからです。
そのためには、
毎日、なんらかの話をするコミュニケーション・モデルが必要となります。
そんな、
毎日、1日5分のコミュニケーション・モデルが、
「HIT-Bit」
です。