■職員のエンゲージメントを高めるための
代表的な手法として
あるコンサルタントが挙げているのが
- MBO
- 360度評価
- OKR
- 1 on 1
でした。
■最近は、OKRも話題になっているようです。
OKRは、しばしば
目標管理制度のカバーできない部分をカバーする手法として
語られているように見受けられます。
すなわち、
目標管理制度は、
期初に目標設定をして、
期末に達成状況を検証するものですが、
OKRは、
期中に、必要だと考えられることが出てくれば、
新たに目標を追加設定することもでき、
翌期へとまたがっても
きちんと評価される、というものです。
つまり、
目標管理制度以上に、
柔軟に業務を始めたり評価できる点で、
プロジェクト志向だと言えるでしょう。
必要に応じてプロジェクトが立ち上がり、
目的達成とともにプロジェクトが解消しますが、
期中であっても、
それらを柔軟に認め評価しようという考えだと思われます。
■ここまでですでにお気付きのことと思いますが、
目標管理制度以上に、
職員に自発性と創造力がある組織であれば、
OKRは極めて効果的なものとなるでしょう。
しかし、我が国の多くの組織は、
目標管理制度ですら
活かすことができていません。
多くの組織では、
「進化することが仕事だ」
ということについて職員のコミットを取り付けていないので、
職員に
「何としてもより良くしなければ」
というミッションが刺さっていません。
そのため、
放っておいたら目標など立てるはずがありません。
なので、
期初に無理やり目標を立てさせることになります。
すると、
もっともらしい文言で目標の欄を埋めて提出する、
という儀式が行われる、という始末です。
そんな、
やらされ感満載で目標を立てるのが精一杯ですから、
それ以外に、
- 期中で、
- 必要を感じて、
- 新たに、
- 自発的に
目標を立てる、ということなど、まず起こらないのです。
■わたしがかつて関わったことがある或るクリニックでは、
その後、
この数年間、OKRを導入していますが、
OKRもまた形骸化していました。
「接遇の研修をしたい」
との問い合わせをいただいて訪問し、
研修のコンセプトを確認するために、
「そもそも、どのような方向性で取り組んでいますか?
今回の狙いは?」
とお尋ねしたところ、
「接遇は接遇OKRにのっとって進めている」
とのこと。
「接遇OKRという取組の中では
どのようなことが話し合われていますか?」
と訊くと、
「期初に決めたことがあり、今年度は
- 研修を実施すること
- 接遇ポスターを掲示すること
が決まっています」
という話でした。
この話、
みなさんもお気づきの通り、
OKRが想定しているような、
- 期中であっても、
- みずから問題を感じ、
- プロジェクトを立ち上げ、
- 取組を実践し、
- 必要とあれば人や費用や時間を注ぎ、
- 目的を達成して解散する
……といった、創造的・自発的・柔軟な発想とは、
まるで逆の硬直化した結果になっていることが、
明らかではないでしょうか。
■つまり、OKRを行なう場合においても、
その前提として、
「進化することが仕事だ」
ということについて職員のコミットメントを取り付けることが
まず先に必要だということです。
職員が
「なんとしてもより良くしたい」
と、進化することが当り前のマインドになって初めて、
みずから問題意識が生まれ、改善意欲が生まれ、
進化しようとして、
プロジェクトを立ち上げたいと思った時、
期中においても柔軟にそれを許可してくれる環境が
OKRによって整えられていれば、
組織の自律進化が可能となることでしょう。
■なお、
「進化することが仕事だ」
ということについて職員のコミットメントを取り付けることは、
一朝一夕ではできません。
日々の中で浸透させて初めて、
価値観が浸透し、組織体質になります。
そのために創られた、最もシンプルなコミュニケーション・モデルが、
患者サービス研究所の提唱する
「HIT-Bit」
です。
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