■自律進化組織研究所では、
自律進化組織を実現するために必要な、
マインドセットから具体的な方法までを、明らかにしています。
マインドセットの中でも、
最も重要なことは、
「トップが明確に自律進化組織の文化をイメージできること」
です。
ゴール像が曖昧では、決してゴールに辿り着くことは無いからです。
たとえば、
「役職にとらわれない」
などはその一例です。
あるいは、
「何かにチャレンジして結果が出ないことは、
何もしないよりはるかに価値がある」
も、その一例です。
あるいは、
「困った人が困ったと言える関係をみんなでつくること」
も、その一例です。
■ところで、たとえば、
トップが管理職にある技能を習得させたいと思った時、
多くの場合、
思ったほど成長してくれません。
思った以上に成長することがあれば、
それは奇跡ではないでしょうか?
そんなことでは、組織が大きく成長することも望めません。
では、どうすれば良いか?
■まず、失敗例はこんな実態になっているでしょう。
いうまでもなく、
自律進化組織化を失敗するのは、
指示命令組織の体質が染み付いているからに他なりません。
その構造が明らかに見えることでしょう。
まず、最初のPhase1で重要なことは、
ゴール像を明確にして、部下と共有することですが、
それがしっかりとできていないことが多いでしょう。
そのため、★何としても実現しようというモチベーションは、
トップだけが抱いているということになっています。
そして、Phase2においても、
「そのために最適な方法はないか?」
と自分一人で探し回ります。
さまざまな組織改革のセミナーにおいても、
トップや上層部だけで参加していることがほとんどではないでしょうか?
まさに
「大事なことは上が決める」
ので、
部下たちが受け身になるのは必然です。
したがって、Phase3においても、
当然、
「この方法を採用しよう」
とトップが自分一人で決定します。
その結果、Phase4において、
トップが、
「このように決めたから、学びなさい。そして実践しなさい」
と指示命令することになりますから、
部下がワクワクすることもやりがいを感じることもありません。
義務感とやらされ感を持って学んでも
最大限のパフォーマンスを示すことはあり得ないのです。
悲しいことに、★何としても実現しようというモチベーションは、
一貫して、トップにしかない、ということです。
これで生産性が上がるわけがないことは、
火を見るより明らかでしょう。
■一方、自律進化組織化が進む成功例の実態はこうです。
まず、目的を共有することにだけ
トップは全力を注ぐのが、
自律進化組織が物事を進めるPhase1です。
この時点で、★何としても実現しようというモチベーションを、
DNAを広めてゆくように、
トップから、相手方であるスタッフに、
完全に伝えてゆきます。
あとは、★何としても実現しようというモチベーションをインストールされた
部下によって、
自発的に物事が展開してゆくことになります。
Phase2において、
★何としても実現しようというモチベーションを抱いた部下が
みずから、最適な方法を探して回ります。
さらにPahse3において、
★何としても実現しようというモチベーションを抱いた部下が
みずから、最適な方法を見極めて、
「ぜひ、これを実践したい」
と選択します。
そしてPahse4において、
その最適な方法を導入し、実践する部下は
トップの思いと同等の★何としても実現しようというモチベーションを持ち、
真剣に取り組むことになります。
みずから探し、
みずから選んだ自信と執着がある分、
誰よりもみずから探したり選んだりしていないトップよりも、
はるかに真剣に取り組むことすらあります。
■指示命令組織と自律進化組織の
決定的な違いは、
「★何としても実現しようというモチベーションを、
誰が持っているのか?」
この一点です。
■なので、もし、
=====
「部下が育たない」と嘆く経営者・管理職の声をしばしば聞きます。
そこで、「部下に学ばせる」という発想になりがちです。
その「学ばせること」自体が、自律や成長を妨げていることに気づいていないからです。
では、トップはどうすれば良いでしょうか?
■「部下が育たない」と嘆く経営者・管理職の声をしばしば聞きます。
そこで、「部下に学ばせる」という発想になりがちです。
その「学ばせること」自体が、自律や成長を妨げていることに気づいていないからです。
では、トップはどうすれば良いでしょうか?
- これまで以上に良い方法を探して回る
- 良い方法をしっかり見極めて選ぶ
- 良い方法を導入するため業者と交渉する
- 良い方法を導入する契約をする
- 良い方法をどうするか、に関与しない
=====
というクイズがあった場合には、
[1] これまで以上に良い方法を探して回る
[2] 良い方法をしっかり見極めて選ぶ
[3] 良い方法を導入するため業者と交渉する
[4] 良い方法を導入する契約をする
・・・は、いずれも、トップが過保護に関与しすぎている点で、
不正解となります。
部下にさせるべき責任を上司がみずから負ってしまう
「負責病」
の親玉は、実はトップ自身だということが
往々にしてあります。
したがって、
[5] 良い方法をどうするか、に関与しない
・・・が、正当となります。
考えて見えれば、
指示命令をされなくても、
部下がみずから気づき考え話し合い改善し続ける
「自律進化組織」
とは、
トップが関与しなくても
現場が
「何としても良くする」
という強いモチベーションを持ち、みずから行動する組織のことなのですから。