■「結局は、現場で何の役にも立っていない」
そんな研修も、たくさんあります。
しかし、
「〇〇合衆国にある〇〇大学の
〇〇教授の〇〇理論に基づいて開発された理論です」
といったふれこみ付きで販売されていることも
珍しくありません。
そんな研修に、
いつのまにか、多額の研修費を支払ってはいないでしょうか?
■たとえば、
「性格分析」研修。
およそ20問〜100問ちかい質問に答えて、
採点表に照らして、
多くの場合、3〜6タイプに分類してもらえます。
タイプが2つでは物足りず、
タイプが7以上もあると覚えきれないからでしょうか。
そして、各タイプについて、
「あるある〜!」
と感じるような事例を付け加えて説明されます。
「このタイプの人は、
普段から、このように考えがちです」
「このタイプの人は、
こんな時、こういうことを言ってしまうことがあります」
などの事例を聞いて、
思い当たる節があると、
俄然、面白い気がしてきます。
さらに、各タイプに対して、
「どのタイプの人には、どのように対応すれば良いか」
について説明されます。
■こういう性格分析の研修は、
とても盛り上がります。
「お互いに何タイプだったか、付き合わせてみましょう」
というと、
「わたしはどのタイプだった!」
「あなたはどのタイプ?」
「そういうところ、あるかも!」
など、
キャッキャキャッキャと賑やかになり、
受講者はいつまでも話しています。
■しかし、もうお分かりでしょう。
このような研修を受けても、
3ヶ月後、
「自分が何タイプだったか」
を憶えていれば良い方ではないでしょうか。
つまり、誰がどのタイプだったかを
憶えてはいません。
まして、せっかく教わった
「そのタイプの人に、どのような対応をすると良いか」
までを、とても憶えていることなどほぼありません。
考えてみれば、
4タイプしかない血液型さえ
同僚の誰が何型だったか、
憶えていられないことを思えば、当然でしょう。
■そもそも、タイプ分けをしようとすれば、
タイプは数限りなくあるはずで、
その一人ひとりも、
時々刻々の様々な人生経験によって、
タイプが変化し続けているものです。
■自分の性格を診断してみるのは楽しいですが、
研修で学ぶほどの実効性があるかというと、
動物占いとさほど変わらない、というのが
事実でしょう。
こんな賑やかしのような研修をすることは
費用と時間と労力の無駄以外の何ものでもありません。
■本当に現場が変わることをミッションにし、
研修の後にこそ、
意味のある施策を講じようとするコンサルタントを選びたいところです。
しかし、そんなコンサルタントは稀です。
というのも、賑やかしの研修を販売している限りは、
「組織に変化をもたらす」
という責任を負わずに済むからです。