■これからの時代、
高齢化がいっそう進み、
介護技術を持っている人が必要になるはずだとしても、
みなさんの現場で、
介護の仕事をする気がまったく無い人に、
介護職の教育を受けさせることがあるでしょうか?
まったくその技能を活かす気がない人には、
そんな教育を施すことは無いでしょう。
それは、時間と費用の無駄にしかならないからです。
つまり、
技能を活かす気がない人に、
技能を教えても、無駄にしかならない、ということです。
もし、介護の業務にも携わって欲しいならば、
その仕事の魅力や意義を伝えて、
「ひとつ、やってみるか!」
と思ってもらえるようにすることが不可欠です。
そして、そう思ってくれたならば、
今度は、自分から
「では、どこでどう学んだらよいか」
と考え、
「ぜひ学んだことを、現場で活かしたい」
と思いながら、学ぶことでしょう。
そして、実際に、学んだ技能を現場で活かしてくれるはずです。
■撃鉄にバネが入っていないピストルに、
いくら弾丸を詰めても、
そのピストルの弾丸は、何も打ち抜くことはありません。
ガソリンのないクルマに、
いくら良いタイヤを装着しても、
そのクルマは、どこに行くこともありません。
受験するつもりのない子どもに、
いくら優秀な家庭教師をつけても、
その子どもは、どこにも合格することはありません。
■モチベーションが無い職員に、
いくら技能を教えても、
無駄にしかならないことは、明らかでしょう。
教わったことを、現場で活かす気がないのですから。
それならば、その教育はしない方が良いのです。
なぜなら、無理矢理に学ばせることは、
組織と職員の関係を悪くし、
他の多くのモチベーションをも損なってしまうからです。
それなのに、なぜ、現場では、
「職員が学びたいかどうか?」
「職員が学んだことを現場で活かしたいか?」
といったことを忖度もせずに、
教育研修が行なわれてしまうのでしょうか?
■さて、みなさんの現場ではいかがでしょうか?
技能を教える前に、
「教わりたい」
「学びを現場で活かしたい」
というモチベーションを高めているでしょうか?
でなければ、受験する気がない子どもに、
家庭教師をつけるのと同じ、
時間と費用のムダです。