■「職員の意識を高めてほしい」
という依頼を受けたことがあります。
しかし、何をもって、
「職員の意識が高まった」
とするのか?
そのものさしがなければ、
良い結果にはならないので、
研修担当者はつらいところです。
■ドラッカーも
「測定できないことに責任を持つべきではない」
と言っている通りです。
というのも、
客観的に測定できないことを請け負うと、
その責任を果たしたかどうかについて、
主観で判断されてしまうことになるからです。
自分は
「職員の意識が高くなった」
と思っていても、
指示した上席者からは
「まだまだ変わっていない」
と主観で判断されてしまうと、
それまでの取り組んだ甲斐がないばかりか、
その後、何をどう取り組めば良いのかもわかりません。
こうなると、
指示した上席者も、
指示を受けた部下も、
不信と不満を感じることになり、
関係も悪くなってしまいます。
■したがって、研修を行う場合には、
上席者は、
客観的に効果測定できるものさしを示すことが、
健全な組織づくりに必要となります。
また、研修を請け負う部下の側も、
そのものさしが上席者から示されなかった場合には、
自分の身を守るためにも、
みずからものさしを提示することが、必要でしょう。