■組織を良くできるかできないか?を決める要因は、
第一には、
もちろんトップの情熱や信念ですが、
第二には、
管理職であることは、ご存知でしょう。
トップが一人、情熱を燃やしていても、
それが現場に伝わり、
職員一人ひとりが活き活きと活躍できる環境を作れるかどうかは、
とりもなおさず、
各部署のリーダー次第だからです。
■そして、
いまほど、医療現場において、
極度に疲弊してきている職員の方々を、
活き活きと活躍できるような環境づくりが必要とされている時はないでしょう。
実際、
「感染が怖いから」
と退職を考える人もいます。
自分は働きたくても、
「幼い子供や高齢の親への感染が怖いから」
と対象を考える人もいます。
その可能性があってもなくても、
殺伐とした現場で働き続ける意欲を保てずに
「やめたい」
と言い出している人もいます。
さらには、
「ここでは働きたくない」
という退職理由の人もいます。
しかし、
地域の住民が困惑し、不安に包まれているいまこそ、
むしろ、職員が一丸となって、
業務に臨めるような組織でありたいところでしょう。
ではどうすればよいか?
■それは、待遇ではありません。
もちろん、待遇が良くなるに越したことはありませんが、
「金を払えば働くだろう」
というものでもないことはご存知の通りです。
また、勤務時間の短縮でもありません。
身体的に楽になったり、充分に休息をとれることは重要ですが、
「拘束時間が短ければ、働き続けたいだろう」
というものでもありません。
では、なにか?
心が明るくなり、
元気や勇気を得られ、
むしろ
「大変なときだからこそ、自分が支えたい」
と職員が思えるためには、
やはり
「一緒に働く上司や仲間にわかってもらえる関係性がある」
ということに尽きるでしょう。
■そもそも、
人は、
どんなに楽な仕事でも、
周囲から感謝も評価もされず、
苦労を理解されず、
応援も称賛もされず、
喜ばれず、労われず、敬意も払われず、
「待遇が与えられているのだから、ちゃんとやれ」
と言われるだけの環境では、
大きな負荷を負って頑張り続けることはできないものです。
反対に、
多大な苦労や不安を伴う仕事でも、
周囲から感謝され評価され、
その大変さをしっかりと理解してもらえて、
応援され称賛され、
周囲が喜んでくれたり、
心から労ってくれたり、
頭が下がると敬意を示してくれて、
「待遇がどうであれ、ここまで真剣に向き合ってくれる人はいない」
と感謝される職場では、
大きな負荷を負うからこそ誇りをもって頑張れるでしょう。
自分自身が、
どちらの環境の方が頑張れるか?を想像してみれば
明らかでしょう。
■したがって、管理職が
部下職員を活き活きと活躍できるようにするために
実践できる最も重要で効果的なことは、
部下職員を充分に
「承認する」
ということとなるでしょう。
それは、一言で言えば、
「コミュニケーション」
ということになります。
しかも、
「理解し応援しているよ」
という承認のコミュニケーションです。
ただし、
「きみのことを理解しているよ、応援しているよ」
と言って、それが伝わることはありません。
伝える前に、
伝えること以上にもっと重要なことがあります。
それが
「聞くこと」
です。
みなさんも、自分が大きな苦しみに直面した時に、
どんな風に接してもらえれば救われるか?を考えればお分かりでしょう。
事情もくわしく聞かず、
自分のいまの思いもさして聞くこともなしに、
「つらいよね。でも応援しているよ」
と言われても、
まったく救われた気持ちにならないでしょう。
検査もせずに、
処方を決められてしまうようなものです。
むしろ、
充分に聞いてもらえるた時には、
「わかるよ」
とも
「応援するよ」
とも言われなくても、
心の支えが取れて心が晴れるというものです。
■管理職は、
部下職員の元気を支えたいならば、
いまこそ、
「聞く」
こと。
それが最も重要なミッションだと言えるでしょう。
なお、
いま多忙を極める医療現場で、
「どのように部下職員の話を聞けば良いのか?」
一人ひとりに接触したくても、
「そんなに時間が取れない」
という管理職もいるでしょう。
さらには、
「話を聞きたい、と言ったところで、
部下職員が応じてくれそうにない」
と思う管理職もいるでしょう。
しかし、
「対話に応じてもらえない」
と言って、遠慮していては、
一向に、部下職員の心を明るくすることはできません。
さらには、
上司が部下を理解し応援するだけではなく、
部下職員同士が、互いに理解し応援しあう組織体質にならなければなりません。
そんな職場だったら毎日出勤するのが楽しみでしょう。
そして、
人間関係で悩む理由がないはずです。
ただし、
聞きましょうと言ってもにわかに心を開くことはできません。
ではどうするか?
徐々に互いの心が近づく仕組みが必要となります。
それが、患者サービス研究所が提唱している
「HIT-Bit」
です。
HIT-Bitについては、1Dayセミナーを開いています。