■先日、再編を検討することが望ましい自治体病院・公的病院のリストが、厚労省から発表されました。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201909/CK2019092702000167.html
医療機関の経営は、
従来のやり方では限界があり、
どんどん変わらなければなりません。
しかし、歴史があるところ、大きな組織ほど、
変わることができない傾向があります。
歴史があるということは、
過去の成功体験があるということなので、
なかなか修正することができません。
大きな組織の職員には、
どうしても危機感が持てません。
そして、
生き残りのためのドラスティックな改革を阻む
両者に共通する問題点は、
「プロセスに介入する」
という病癖です。
現場から新しい発想が生まれても、
あるいは、
外の風を入れようとして経営のプロを入れても、
これまでにない取組をしようとした時、
かならず邪魔をするのが、
「それは今までになかったので」
という先例主義や、
「みんなで検討したが見送ることにした」
という責任者不在主義です。
■このような典型的なケースを見て、
みなさんも思うことでしょう。
「本当に生き残りのために、
できる限りのことをして欲しいのならば、
プロセスに口を出さずに、
もっと現場に任せて、
なりふり構わずできる限りのことをさせれば良いのに」
と。
さまざまな改革をしてうまくいかなければ
確かに、
「なぜやらせたのだ?」
と責められるでしょう。
しかし、なんの施策もせずにうまくいかなくても、
やはり
「なぜ何も手を打たなかったのだ?」
と責められるはずです、本来は。
ならば、
「何としても生き残れ」
という命題だけを与えて、
プロセスに介入しなければ良いのです。
そうすれば、
現場はこれまでにないことをどんどんしてくれるはずです。
(よくあるのが、
「どんどんやってくれ」
と言っておきながら、
「あれはダメ、これもダメ」
と制約するパターンですが…涙)
そもそも、
結果を変えたいならば、
原因を変えなければならないことは、
改めて言うまでもないでしょう。
なお、誤解を招かないよう付け加えるならば、
上が何もしない
「放任」
とは違います。
「プロセスに介入しない」
とは、
「上のやり方を押し付けない」
という意味です。
それは、つまり、
「下からの問題提起・改善提案を最大限引き出し、
決裁だけを上がする」
ということです。
上層部の問題意識や対策案は、
過去の成功体験という限界の域を出ない一方、
いまの問題点や改善点を最もよく見ているのは、
現場で働く人たちだからです。
■「自治体や公的組織や、大きな組織だから、
そんな勝手なことはできない」
と言う人が大多数でしょう。
それでは、
マンモス組織である文科省の下部組織・公立中学校の改革は説明がつきません。
ご存知かもしれません、東京都千代田区立麹町中学校です。
https://bunshun.jp/articles/-/10831
打てる手は限りなくあります、
これまで打たせてもらえなかった分。
そして、このことは、
自治体病院や公的病院に限ったことではありません。
これからが、
本当にドラスティックな改革を
いよいよするべき時ではないでしょうか。
固定観念や既成概念を壊す時です。