■たとえば、父親にキャッチボールをしてもらった時をイメージしてください。
父親が、
「思いきり投げてみろ」
「いろんな球を投げる練習をしたらどうだ」
と言ってくれたら、
「よし、やってみよう」
と思えることでしょう。
ところが、思うようなところに投げられなかった時に、父親から、
「なぜ、そんな球を投げるのだ」
「もっといい球を投げなければ、体力と時間の無駄だ」
などと言われたらどうなるでしょうか?
せっかくチャレンジを促してもらているにも関わらず、
萎縮してしまうことでしょう。
■実は、職場でも、しばしば、これとまったく同じことが起きています。
上司が、
「思うようにやってみろ」
「いろんなことにトライしてみたらどうだ」
と言ってくれたら、部下は
「よし、やってみよう」
と思えることでしょう。
しかし、上司が望むような働きを部下ができなかった場合に、上司から、
「なぜ、そんなことをするのだ」
「もっといい働きをしなければ、体力と時間の無駄だ」
などと言われて、萎縮してしまう、という例です。
■キャッチボールの場合、
父親は、多少、的を外れたボールでも
「ナイスピッチング!」
「コントロールはまだまだだけど、球威があるな」
「もっとスピードを出せると思うぞ」
と、
たとえ自分の望んだとおりの球でなかったとしても、
ポジティブに声援を送って、
子供の力を伸ばすのではないでしょうか。
そうしなければ、子供が、
「もっと良い球を投げられるように頑張ろう」
と思わないことも、まして
「これからもキャッチボールをしたい」
とすら思わなくなることも、知っているからです。
そうなれば、とても、いろいろな球を投げられるように
チャレンジしようという気持ちもなくなってしまいます。
■仕事でもまったく同じです。
上司が、
「グッドアイディアだね」
「きみの努力には、頭が下がるよ」
「誇らしい」
と、たとえ自分の望んだとおりの働きでなかったとしても、
ポジティブに承認してあげることで、
部下は、伸びるのです。
そうしなければ、部下が、
「もっと良い働きをできるように頑張ろう」
とも
「これからもここで、この仕事で頑張りたい」
とすら思わなくなってしまうのです。
そうなれば、言うまでもなく、
自分から新たに気づき、取組んで、
チャレンジしようという気持ちもなくなってしまうのです。
■そこで、みなさんにお尋ねします。
部下のチャレンジを、いつ、どれだけ、承認できていますか?