負責病の実例(4) 「目標管理」

負責病の実例(4) 「目標管理」

◾️目標管理制度を導入しているところでは、

期初においては、しばしば、

「目標シートは、今週中に出すように」

という呼びかけが、

期末においては、

「面談は今月中だから、必ず時間をとるように」

という呼びかけが、

上司から部下たちに対してなされています。

 

■しかし、この目標管理制度を導入して、

「組織が活性化して、現場から進化が生まれるようになった!」

という声はこれまで聞いたことはありません。

 

本来は、

「職員が」

みずから目標を立て、

その目標を達成することを通じて、

「職員が」

モチベーションとポテンシャルを最大限に発揮するようにしよう、

というのが、この目標管理制度の目的だったはずです。

 

ところが、我が国においては、

もともと「指示命令体質」が染み付いていたために、

「職員が」「目標を立て」「達成する」

という発想ではなく、

「組織が」「組織が期待する目標を職員に立てさせ」「達成させる」

ことを通じて、

「組織が」

組織の期待通りに、職員にパフォーマンスさせる、

という目的で、この目標管理制度が導入されてきた経緯があります。

 

お分かりの通り、

せっかく「目標」という名称がついているにもかかわらず、

その実態は、ノルマ管理制度となっているというわけです。

 

ノルマを職員に割り当て、

微に入り細に入り、そのノルマを達成する動きをしているか、を

管理するのですから、

職員のモチベーションが上がらないのも当然でしょう。

 

まして、

職員がみずから気づき考え行動するような「自律進化組織」になることとは

正反対の施策になっていることが明らかでしょう。

 

■もちろん、

「一つくらいは、職員本人のやりたいことを挙げさせてやろう」

ということもあり、

目標シートの目標項目の中に、

「自己啓発」

なる名目を設けていることもあります。

 

そこで、職員は、数値化できる目標にするため、

「では、関係書籍を、5冊読む」

などを挙げ、上司が気を使って

「5冊も読めるのか?」

というと、

「では、外部研修に3回参加する、にします」

「それならできそうだな、では書き直して提出してくれ」

となるなどして、

完全に形骸化している場面を見ることが、珍しくないでしょう。

 

■根本的な問題は、

職員の価値観を引き出すOUT-Put主体の「自律進化体質」とは異なり、

組織の価値観を押し付けるIN-Put主体の「指示命令体質」が

染み付いていることです。

 

多くの組織では、

指示命令体質の発想が染み付いているため、

目標管理制度が、

「組織が期待する目標を立てさせ、職員の業務を管理する制度」

という、指示命令する側にとって都合の良い仕組みにしか

見えなくなってしまうのです。

 

こうして、職員本人が望んでもいないのに

目標立案から達成まで、

手取り足取り、上司が教え導いてあげるという過保護が当り前の文化こそ、

まさに負責病です。

 

これでは、部下職員が依存病にならないはずがありません。

 

反対に、自律進化体質がベースにある人には、

目標管理制度は、

「職員本人が目標を立てたければ立てる制度」

と映るはずです。

 

したがって、冒頭のように、上司が

「目標シートは、今週中に出すように」

「面談は今月中だから、必ず時間をとるように」

と呼びかけて、

部下にやらせる責任をみずから負う必要はありません。

 

自律進化組織ならば、上司は

「目標シートを出したかったら出しなさい」

「面談を受けたかったら、わたしをつかまえなさい」

と言えば良いのです。

 

なお、このように聞くと

「そんなことを言ったら、目標管理制度に参加しない職員が出てくるのでは?」

と心配になる上司もいるでしょう。

 

しかし、部下職員にはこう話せばよいのです。

 

「目標管理制度に参加しないのも自由。

ただし、目標管理制度などのコミュニケーション・ツールを活用しなければ、

人事評価の材料が乏しいので、

上司の主観評価になるから心積もりしておいてね」

と。

 

このように、責任を上司から部下職員本人に差し戻してゆくことでこそ、

「自律進化体質」

が醸成されるのではないでしょうか。

 

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