■人や組織を動かそうとする時、
「馬を水辺に連れてゆくことはできるが、水を飲ませることはできない」
ということがあります。
上司が部下に、
「成果を出すかどうか、自分次第だ」
と諭す意味で言うのは正しいことでしょう。
しかし、経営者・上層部・上司としては、
「組織が動くかどうかは、部下職員次第だ」
と言ってはいられません。
部下任せにしていて成果が上がらなければ、
組織を運営し続けることはできないので、
なんとか、部下職員が成果を出すように導かなければならないのです。
■では、
経営者・上層部・上司は、
部下職員をどのように動かそうとしているでしょうか?
世間では、さまざまなコミュニケーション・テクニックが勧められています。
・職員一人一人の性格に合わせた話し方をしましょう。
・座る位置が大事。
・相手の目を見て話す。
・世間話から入ると打ち解けやすい。
・傾聴する。
・頷きながら聞く。
・メモをしながら聞くと相手に良い印象を与える。
・復唱すると正確に聞き取ることができる。
……などなどのコミュニケーション・テクニックです。
■しかし、お気付きのことと思いますが、
これらは、いずれも、
相手が
「コミュニケーションをとろう」
という気持ちで、目の前に腰掛けてくれた時に
初めて意味を持つテクニックに過ぎません。
そもそも、部下職員が、上司と
「コミュニケーションをとろう」
という気持ちになっていなければ、
どんなにテクニックを駆使しても、
「早く話を終わらせて帰りたい」
「こんな話より業務を片付けたい」
という考えが部下の頭の中を支配していて、
上司の話していることが、部下の耳に入ってゆくことはないでしょう。
そんな状況においては、
その場で、とってつけたように
コミュニケーション・テクニックを駆使してみても、
本音の話し合いにはならないのです。
では、どうすればよいでしょうか?
■「馬を水辺に連れてゆくことはできるが、水を飲ませることはできない」
と言ってはいられません。
そこでどうするか?
といえば、
馬がみずから水を飲むようにさせるためには、
思い切り運動をさせたり、
できるだけ気温の高い日なたで過ごさせるなどして、
大量の汗をかかせたり、
厩舎では湿度を低くしたり、と
水分代謝を活発にすれば、
やがて、
手綱を弾かなくとも、
馬がみずから水を求めて水辺に行きたくなり、
勢いよく厩舎を飛び出してゆくことでしょう。
もはや、何の働きかけをしなくても、
馬は勝手に、しかも大量に水を飲んでくれるはずです。
■これと同様で、
部下職員を思うように動かしたいと思った時に、
その場のコミュニケーション・テクニックを駆使しようとするだけでは
うまくいくことはありません。
部下職員が
「コミュニケーションをとろう」
という気持ちで、上司に向き合うようにしておくことが必要なのです。
上司がいくらコミュニケーション・テクニックを活かそうとしても、
部下が
「コミュニケーションをとろう」
と思ってくれる関係性が築かれていなければ、
目の前に腰掛けてくれることすらないのです。
■部下職員が
「この人の話には応じたい」
と思うような、上司部下の関係性を築くためには、どうすれば良いのでしょうか?
その「関係性づくり」のための方法が、
HIT-Bitです。
HIT-Bitは、日々のコミュニケーション・モデルであり、
毎日のコミュニケーションを通じて、職員がお互いに
「この人は、いつも自分の話したいことを聞いてくれる」
という体験が蓄積するので
「この人の話には応じたい」
と思える関係性が築かれます。
「職員同士の関係性づくり」
こればかりは、教育や研修や
コミュニケーション・テクニックではできません。