■このブログをご覧になっているみなさんは、
「コミュニケーションが大事といって、
焼肉やボーリングや社員旅行などのレクリエーションをしても、
仕事上の気づきや提案が上がることはない」
ということを、ご存知でしょう。
というのも、
レクリエーションの場でするのは、
遊びのコミュニケーションと決められているので、
折り入って真面目な話を、
勇気を出して切り出すような状況ではないからです。
バーベキューを楽しみながら、
業界における自社の位置と今後の危機感について話すことは
無いことはないかもしれませんが、
味が半減しそうです。
本来、抜本的な改革ほど、
マンガチックだったり、ファンタジックでも良い、
常識にとらわれず、
「できることならなんでもやってみようよ」
と思えるような柔軟な思考の中でこそ生まれるものですが、
「遊びなさい」
と言われた場面設定では、なかなか遊びの話題の域を出ることはありません。
■逆に、会議の場で、
「なんかいいことを言え」
「すごい提案をしろ」
と言っても、
無理やり発言させられて、良い意見が出るということはほぼありません。
なぜなら、
公式のコミュニケーションと決められているから、
ワクワクするような面白い発言は、しにくいのです。
どういう危機感を持っているかという話の時に、
他業界のV字回復の例を持ち出して提案すると言うような、
突拍子も無い発言は、なかなかできません。
「この深刻な場面で言うからには、
お前自身が、本気で取り組むんだろうな?」
と睨まれていれば、
「ぜったいにうまくいく」
という保証がないような話は、とても恐くてできないからです。
しかし、現状を俯瞰し、
常識の枠にとらわれず、
大胆な視点から意見交換できるためには、
「経営批判になりかねない抜本的な改善の話でも良い」
「悲壮感にも繋がりかねない危機感の話でも良い」
「かねがね悩んでいる採用の話題でも良い」
という前提で、
経営に関わる重要なテーマについてみんなで話し合うことが重要です。
ところが、
「検討・協議しなさい」
という公式な場面設定では、
会議室でやるような会議なので、
堅苦しい発想しか出て来ません。
■つまり、
重要なのは、
①【テーマは】本当に大切なテーマについて、
②【感覚は】ゲームのような遊び感覚で
話し合える、柔軟な意見が出るような場づくりが必要、ということです。
そうすれば、
重要な話題について思いがけない柔軟な発想の意見がどんどん上がってくるのです。
そのためには、
「遊びだよ」
というような柔らか過ぎも良くありません。
「仕事だよ」
という硬過ぎも良くありません。
つまり、
完全にプライベートと決めたり、
完全に公式な場と決めたりせずに、
「どっちでもOK」
というコミュニケーションを創ることが重要となります。
「どっちでもいいよ、
柔らかくても、硬くても、
あなたの発言を尊重するからね」
という、なんでも話せる場であることが大事となります。
■そんな場面について、
心当たりがある人もいるのではないでしょうか?
そう、飲みニケーションです。
昭和の時代は、会社帰りに飲み屋でクダを巻いて、
「部長が嫌い」
「異動が納得できない」
「なぜあいつが昇進するのか」
と好き勝手な文句を吐き出しながらも、
「そもそも、経営陣は今後どうなるのか?」
「こんど、こんな戦術で攻めてみたい」
「俺たちで業界地図を塗りかえましょうよ!」
といった、
仕事についての激論となり、
(酒の勢いもありつつ)
意外に頼もしい意見が交わされていたこともあったでしょう。
この飲みニケーションこそ、
完全に公式でもなく、
完全にプライベートでもなく、
お互いを尊重して聞き合える仲間同士なので、
素晴らしいコミュニケーションになっている実例にほかなりません。
ただし、飲みニケーションの残念なところは、
たいてい言いっ放しになってしまうことです。
酒の勢いなので、
翌日の社内でしらふでは正式な提案ができなかったり、
本人も忘れていたり……と、
もったいない限りです。
しかし、それなりに良い意見を熱く交わしていた、
そんな時代だったのではないでしょうか?
そして、前向きで熱い激論ならば、
会社の経営者・上層部としても
本当はどんどんやってもらいたいくらいだったのではないでしょうか。
かといって、そんな場を設けようとして、
福利厚生委員にやらせるとバーベキュー大会やボーリング大会、カラオケ大会などになってしまい、
「仕事の話なんか、興ざめするからやめようよ」
という場になってしまいます。
本当は、
重要な課題について、ゲーム感覚でおしゃべりするという、
公私半々の自由なコミュニケーションをやらせたいところです。
そして、言いっ放しにならないように、記録が残り、ちゃんと良い意見は上にあげてもらいたいですね。
また、やりたい人が気の合う仲間とだけ、気が向いた時だけするのでは、続かないし雲散霧消してしまいます。
■ところで、
そもそも、
「重要な課題について、ゲーム感覚でおしゃべりすること」
は、経営者の方々が、常にやっていることでしょう。
なので、
これを、組織のルールにしてでも、継続的に実施して、習慣化させることができたら、
飛躍的な発想、ウルトラCの改善提案などが挙がることでしょう。
職員が経営視点で、ワクワクしながら話すなら、頼もしいですね。
そうなれば、
どんなに生産的で、活力のある組織になることでしょうか?
■そのコミュニケーション・モデルが、
「HIT-Bit」
です。
バーベキュー場やボーリング場やカラオケルームに行かずに、
職場の一角でやれば、
現場に関係する話題が出ます。
仕事の合間にササっと意見交換するルールにすれば、
思いつきや大胆な意見も言いやすいので、
柔軟なコミュニケーションができるはずです。
というわけで、
1日5分、
ササっと集まって、
一人一言ずつ、
「何を言ってもOK」
というルールで発言する、というスタイルになるでしょう。
気の合う仲間ばかりでなくても、
毎日実施して、
毎日承認されるので、
やがてなんでも話せる関係性が醸成され、
すごい意見も飛び出すようになります。
■アルファベットの
PとRとの間には、Qがある通り、
責任(Responsibikity)を伴う仕事話を
遊び感覚で楽しく(Pleasure)話せば、
おのずと、
ワクワクするような画期的・飛躍的(Quantum)な
意見交換ができることでしょう。
職場のコミュニケーションといえば、
昭和時代は「報連相」が何より大事と言われ、
平成になって「雑相」が大事と言われるようになり、
これからの
令和の時代には、
いつも多くの経営者がやっているように
大事な課題についてゲーム感覚で話す、
「Qトーク」
をお勧めします。
完全に公式も会議でもない、
完全にレクリエーションの場でもない、
Qトークの場、
それが
「HIT-Bit」
です。
「こうなったら、すごいことになるんじゃないか?」
「俺たちで業界にイノベーションを起こそうぜ」
「世間を驚かせてやれ!」
「この業界に俺たちあり!と言われるはずだ」
……と、
経営者のような熱い会話が、現場から聞こえてきたら、
どんなに頼もしい組織でしょうか。