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■「組織を活性化して、離職を止めましょう」
というと、
コンサルタントが、
逆効果になってしまう施策を提案してくるケースが
しばしば見受けられるので、
注意してください。
■例えば、しばらく前から流行っている
「小集団活動」
は、注意です。
仲の良いチームで新しい活動をさせるのは良いことですが、
お互いに信頼関係がない人たちを小集団に組み入れて、
頼んだわけでもないのに何かをさせられることは、
かえってモチベーションを損なうだけです。
異なる熱帯魚を同じ水槽に入れれば共存するだろう、というような
単純なことには、人間はなりません。
仲が良くない人たちを一室に閉じ込めて作業という試練を与えれば、
たちまち雰囲気が険悪になり、
関係が悪化するのは明らかでしょう。
つまり、
「どんな活動をさせるか?」
ではなく、
「どんな気持ちで参画するか?」
が重要なのです。
もし小集団活動をするならば、
その前に、
「ぜひ、このメンバーでやってみたい」
と思わせることが何より重要です。
そして、それができるなら、
特段小集団活動をさせる必要もありません。
なぜなら、日常の業務そのものが、
すでにある意味での小集団活動なのですから。
■あるいは例えば、
「TQC活動発表会」
です。
職員の方々がやりたくてやっているなら、
楽しいので、活性化しますが、
もし、
やりたくもないのにやらされているなら、
やらせればやらせるほど、
ストレスや不満や不信が増大する危険があります。
■同じく、
「目標管理制度」
も危険です。
立てたくもない目標を立てさせられ、
自分の目標なのだから達成しろというのは
職員からすれば、
迷惑以外の何ものでもありません。
■同じく、
「1on1ミーティング」
も危険です。
評価者でもある上司に面接されて、
本音を話せるはずがありません。
それも毎週のように時間を取られて、
部下のモチベーションが上がるでしょうか?
■こうしてみると、
活性化する施策の要件が見えてくるでしょう。
それは、まず第一に、
「本人がやりたいことをする」
です。
やりたくないことをやらせて、
活性化するはずがないのは言うまでもないでしょう。
第二に、
「一緒にやりたい人とやる」
です。
お互いに本音を話せない者同士で
作業をさせられることになれば、
神経を消耗するばかりで、
「早く済ませたい」
と思うことはあっても、
活性化することはありません。
■つまり、
小集団活動やTQC活動発表会や
目標管理制度や1on1ミーティングなど
の形にこだわって、
「どんな施策をするか」
に関心が向くことが
そもそも、なのです。「
活性化とは、心の問題ですから、
やりたくもないことをやらせたり、
良い関係性がない人と一緒にやらせたり
本人の意思に反した施策をすれば、
効果が上がるどころ、
かえって逆効果になるのは当然なのです。
職員の方々に、
「それをやらない自由」
や
「その相手とは一緒にやらない自由」
がなければ、
それは強要であり、
モチベーションを下げてしまうのです。
■このように言うと、しばしば、
「内容も相手も自由にして、
職員が参加するのか?」
と質問されます。
「誰も参加しなかったらどうするのか?」
という懸念でしょう。
自由にしても、
多くの職員が楽しく参加し、
活性化する方法がありますが、
それはまた別の機会にお伝えします。
■職員のモチベーションを上げて、
組織を活性化したいのであれば、
コンサルタントが勧めてくる施策の
「カタチ」
にとらわれてはいけません。
本当に本人たちが
「やりたくてやっているのか?」
職員の
「ココロ」
を第一義にすることです。
そうすれば、
職員の目が輝き、
会話が増え、
みなさんが予期しないような
発言や行動が飛び出すようになります。
そうなったかどうかが、
活性化したかどうかのバロメーターです。
ただ、言われたからやっているだけなら、
職員の目はうつろになり、
やらされ感が漂い、
モチベーションは下がってしまいますから、
くれぐれも注意してください。