🎵組織が自律化しない唯一最大の原因「経営陣のIN-Put体質」

🎵組織が自律化しない唯一最大の原因「経営陣のIN-Put体質」

■医療安全の研修や接遇研修、
管理職研修、
リーダーシップ研修、
研修で教わるコーチング、
アンガー・マネジメントなどなど。

学んだ内容の中で、
いまも現場で日々実践されていることがあるなら
それは何でしょうか?

それ以前に、
そもそも、前回、その研修はいつ受講して、
その時にはどんな話だったか、
どれくらい、覚えているでしょうか?

忙しい現場に戻れば
翌月には風化してしまう
ということも無理ありません。

とはいえ、結果的に、多くの研修が
「セレモニー化」
している傾向が見受けられます。

■その結果、しばしば、
幹部職員や研修を担当する職員から
「毎年、やっていくしかないんだよね」
という言葉を聞きます。

とはいうものの、
いまや
業界全体が深刻な赤字となっている中で、
ほとんど効果のない研修に、
時間と費用と労力を
これ以上、注ぎ続けて良いのでしょうか?

つまり、
「要らないものは要らない」
と言わなくて良いのでしょうか?

逆に、
どんな研修なら実効性があるのか?
を探究しなくてよいのでしょうか?

■では、そもそも、
なぜ、
多くの研修がセレモニー化してしまうのか?

それは、
「IN-Putしか見えていないから」
に尽きます。

■例えば、小学生だった時の自分に
タイムスリップしてみてください。

学校で
割り算の縦計算を教わり、
宿題が出されます。

しかし、
授業中は判っていたはずなのに、
家で問題を見ると、
さっぱり思い出せない。

どこにどの数字を置き、
横棒をどこに書くのだったか?

どの数字とどの数字を
かけるのか足すのか?

ついに
解こうにも解けず
翌日の授業は、
さらに先に進んでしまう。

これが、
「教育とは教師が教えることだ」
と考える
「教える側が主体」

「IN-Put型教育」
です。

■しかし、本当に重要なのは、
解こうとした時に
誰かが一緒にいて助言してくれること
でしょう。

「まず、大きな数字を書いてごらん」
「横棒は?」
「そう!大きな数字の上に引くこと、
思い出した?」
「小さな数字はどこに書く?」
「ここだよ、今度は覚えようね」
「掛け算をして、
大きな数字に近くなるのはいくつかな?」
「その通り!
では、その数字は?」
「素晴らしい!上に書いておくことを
覚えていたなら、
あとはこの繰り返しだから、
解けたも同じだね」

つまり、
教わったことを思い出そうとしながら
やってみる。

そのプロセスを見て、
助言してもらうことでこそ、

つまづいていた点や
誤解していた点が
取り除かれて、

「なんだ、こうすればよかったのか」
と理解でき
解けるようになるのです。

要するに、
「教育とは生徒がみずからやってみて
伸びるようにすることだ」
と考える
「学ぶ本人が主体」

「OUT-Put型成長支援」
です。

■こうしてみると、
「教えたから成長しているはず」
とするIN-Put型教育が
いかに
成果に責任を持たないか、
判るでしょう。

逆に、
「成果が出るまで伴走する」
OUT-Put型成長支援でなければ
成果に結びつかないことが
明らかでしょう。

しかし、驚くべきことに、
我が国の世間では、
ほとんどすべての教育において
IN-Put型が常識となっているのです。

行政や法規上も、
「年1回、研修を行なうことを義務とする」
などと定めて、
「IN-Putだけすればよい」
という思考となっています。

もちろん、多くの人が、
「伴走型の成長支援など
手間も時間も費用もかかるので難しい」
という思考から抜け出られません。

しかし、
「民間病院の69%、自治体病院の95%が
本業の医業収支で赤字」
という未曾有の緊急事態です。

セレモニー化した研修を
している場合ではないでしょう。

一発必中で
本当に役にたつ学びだけを選び、
導入したからには
確実に成果を出す
そんな取組だけに選択と集中を
すべき状況ではないでしょうか?

「世の中、
単発の研修ばかりなのだから仕方ない」
「そんな予算はない」
「そんな研修がどこにあるかわからない」
…などと、諦めていて
良いのでしょうか?

いまは常識では考えられない課題が
次々と押し寄せてくる
激変の時代です。

そこを生き抜いてゆくならば、
世間の常識を
覆してゆくことが必要ではないでしょうか。

むしろ、
この緊急事態の中では、
「やれることをやり尽くす」
べきでしょう。

経営状態が深刻化した時になって
「やっぱり、やっておけば良かった」
と言っても遅いのです。

「セレモニーのような研修を
続けるのどうかな、と
実は思っていたのだ」
と言っても手遅れなのです。

■もし真剣に病院の経営を考えるなら、
今週にでも、経営陣に
「無駄な研修はやめましょう」
と申し出ることをお勧めします。

法令で義務づけられている研修は
やめてはならないので、
形を変えることになります。

また、一人が心細ければ、
同志と一緒に申し出れば良いのです。

そして、次に、
本当に組織を強化したいならば、
実効性のある
伴走型の成長支援を導入するべく、
経営陣に対して、
「予算と時間を割きましょう」
と交渉することをお勧めします。

■私から見える景色は、
多くの病院が、
常識にとらわれ、
思考停止に陥り、
「コンサルタントに高い費用を払い
忙しい職員を集めて拘束し、
あっという間に風化してしまうことを
判っていながら
研修というセレモニーを続けている」
という印象です。

研修だけではありません。

「これ、本当に必要?」
という些細な違和感を、
口に出して言語化し、
みんなで共有することで顕在化し、
どんどん
改善していった方が良いでしょう。

それが当り前の日常になって、
日々、各部署が
大小様々な話し合いや改善をしている
現場もあります。

それらの現場が、
自然にそれをできているのは、
1日5分のミーティング「HIT-Bit」を
毎日実施しているからです。

一日も早く、
常識にとらわれず、
「それ、本当に必要?」
と日々話し合い改善するよう
自律進化組織づくりに着手されることを
お勧めします。