■今年の3/10には
「民間病院の69%が本業の医業収支で赤字」
続いて7/18には
「自治体病院の85%が本業の医業収支で赤字」
…というデータが公表されました。
しかも、
「今年を乗り切れば、来年以降はなんとかなる」
という出口もありません。
つまり、
完全に環境が変わったということです。
それは、
「これまでの常識の延長上に答えはない」
ということを意味しています。
これまでの常識の中で考えている病院組織は
滅んでゆくということです。
つまり、結論を言えば、
「これまでの常識を壊せる病院組織だけが
生き残れる」
というわけです。
そこで、おすすめするのが、
「自治型リーダーの育成」
です。
■例えば、
「医療職は、医療をやりたいんだ。
患者の役に立ちたいんだ。
それ以外のことを
考えさせるのは気の毒だ」
という話。
民間企業なら、
専門外でも、新しいビジネスモデルを
考えたりします。
学校なら、
教師でも経営のために何ができるか
考えたりします。
その点、
医療従事者の方々は頭脳集団なので、
企業や教師が到底及ばないような
知見を発揮される可能性があります。
また、外部への発信力も、
国家資格職としての格段に強いものが
あります。
会社員や教師の肩書きだけでは
なかなか本を出版することは難しいですが、
医療職となれば、
一目置かれます。
■つまり、医療機関の職員の方々は、
ポテンシャルの宝庫だということです。
なぜ、その潜在能力を
積極的に活かそうとしないのか?
まだ、
「医療職は、医療をやりたいんだ。
患者の役に立ちたいんだ。
それ以外のことを
考えさせるのは気の毒だ」
と考えているのでしょうか?
■もはやこれまでの常識は通用しない時代です。
これまでの延長上に突破口はありません。
先月と同じことをしていても、
先月と同じ結果にはならない時代です。
ならば、
活かせるものはすべて活かす時
ではないでしょうか?
やれることはすべてやり尽くすべき時
ではないでしょうか?
それとも、ただ
合併や身売りや縮小や閉院を待つのでしょうか?
■そこで提案です。
すべての職員の方々が、
担当業務の内外を問わず、
みずから気づき考え話し合い行動するのが
当たり前の
「自律進化組織」
へ、
転換することをお勧めします。
「医療従事者が、
担当業務以外に関心を持つのだろうか?」
と疑念を持つ方もあるでしょう。
しかし、心配は無用です。
自律進化組織研究所が提唱している
HIT-Bitプログラムを実施していると、
おのずと、
さまざまな問題提起や改善提案が
飛び出すようになります。
そのうちの一部は、
「では、変えてしまおう」
という話になり、業務改善に進みます。
「来月のカンファレンスで提案してみて…」
などと悠長なことにはなりません。
その場で、
「じゃ、とにかくやってみよう。
ダメなら戻せば良いだけなのだから」
と、
その変化のフットワークは
驚くほど軽くなります。
また、これまで
「こういう決まりだったから」
と疑問も持たずに続けてきたことにも、
「どうなんでしょう?」
という意見が飛び出し、
「ならば、一回やめてみようか」
という改善になることもしばしばです。
さらに、
「この件、他部署との協力がなければ
変えられない」
という時にも、
ためらうことなく、
「じゃ、今すぐ相談してこよう」
と変更を申し入れることも
珍しくありません。
こんな感じで、
毎日・毎週のように、
各部署から問題提起や改善提案や
改善の実践が生まれるようになっています。
■ただし、やらされ感はありません。
なぜなら、HIT-Bitプログラムとは、
ただひたすら毎日、
職員同士で会話をする習慣を続けるだけの
シンプルなコミュニケーション・モデルだからです。
気になることを気軽に言い、
関心がある人が応援したり協力し、
気が向いた人が参加したり手伝う習慣。
ただそれだけです。
自分の受診や家族の付き添いで行った
他の医療機関で発見した
良い点を、
翌日には、
職場で話題に出し、
すぐに取り入れてしまう、ということも
しばしば起こっています。
「より良くできることがあればするのが当たり前」
という思考習慣、行動習慣が
自律進化の組織体質を築いているのです。
そうやって、
すべての職員が
病院の経営を自分ごととして捉え
できることはないかと模索し、
できることはすべてやろうと考える
そんな組織へと
一日も早く切り替えることをお勧めします。
そして、
外部環境の逆境や
医療行政の理不尽さに、
逆ギレするくらいに、
全員参加の総力経営をする価値が
あるのではないでしょうか。
反対に、逆ギレするほどのエネルギーも
自分が勤務する病院への愛着もない
職員ばかりだったら、
全員が総力を尽くすどころか、
空中分解してしまい、
現在のこの難局を乗り切ることは
できないかもしれません。
■あなたの組織の職員の方々も、
ポテンシャルの宝庫です。
どんなことを思い、考えているか、
今すぐにでも
聞いてみたいと思いませんか?
「そんなことを考えてくれていたのか!」
と驚くようなことがたくさん出てくるはずです。
未曾有の苦境に立たされている今こそ、
全職員の力を引き出す時ではないでしょうか。