「コッターの組織変革の8段階」が実効するためのポイント集 (6) 組織活性化のカギ

「コッターの組織変革の8段階」が実効するためのポイント集 (6) 組織活性化のカギ

組織変革についての論説

「ジョン・コッターの変革の8段階」

 

それが、現実に実践され、効果を生み出すための

ポイントについて、

組織開発の実務の観点からポイントを解説しています。

 

>>>前回からのつづき

 

なお、本記事は、

組織変革が実効するために、

「患者サービス研究所ではこうしてきた」

「患者サービス研究所ならこうする」

という組織開発の実務の観点から

各ステップにおいて重要となるポイントについて述べたものであり、

コッターの理論を解説しなおしたものではありません。

 

【ステップ7:成果を活かして、更なる変革を推進する】

 

■これも、誰もが、

「それはその通り!

だけど、どうすればいいのか?」

と思うことでしょう。

 

シンプルに言えば、

良いサイクルにすること、なのですが、

具体的には、第一に

  • 上がってきた成果を組織全体で共有すること

です。

 

良い事例を知ることが、

他部署や他の職員にとっては、何よりも

刺激となり、参考となるからです。

 

ただし、それだけでは、

変革が持続することはありません。

 

やがて、

「わたしたち、こんなにやっているのに、

まだやらなければいけないのか?」

「一体、どこまでやれば良いのか?」

という声が聞こえてきます。

 

人も組織も、なにかを習慣化し継続することが

至難の業だからです。

 

そこで、第二に必要不可欠なことが、

その成果について、

「組織として価値あるものだと感じている」と意思表示すること、

つまり、具体的には、

  • 組織として感謝・敬意・労い・喜びの意思表示をすること

です。

 

みなさんも、

いくら自分が大事だと感じて信念に従って行動しても、

組織の経営陣・管理職から

感謝の言葉も労いの言葉もなければ、

続けることは難しいのではないでしょうか?

 

これがなければ、現場はやがて徒労感を憶えて、

またもとの組織体質に戻ってしまいます。

 

これが、人間の心理構造です。

 

■なお、ここで最も注意しなければならないことがあります。

 

というのも、ほぼ全ての経営者・管理職は、

  • 収益アップに貢献した
  • コストカットに寄与した
  • 平均在院日数が短縮した
  • 病床稼働率がアップした

……などの実利につながった事例についてのみ、

「良い成果」

として取り上げる傾向があるからです。

 

しかし、

良い結果だけが共有されると、

職員はどう感じるでしょうか?

 

「組織からは、結果を出すことを求められている」

と理解してしまいます。

 

良い結果を情報共有することは、

良い結果が出ることを期待しているという

組織からの意思表示になってしまうのです。

 

すると、職員は、

「良い結果を出さなければならない」

と思うあまり、萎縮してしまい、

チャレンジングな発言や行動をできなくなってしまうのです。

 

昭和の時代の企業・病院といった組織では、

それが当たり前でしたが・・・。

 

なので、職員がのびのびと話し行動する

チャレンジングな組織を作りたいのであれば、

良い結果についてだけでなく、

結果につながっていなくても良いチャレンジについても

組織全体で情報共有することです。

 

■なので、

成果を活かして、更なる変革を推進するためにすることは、

  1. 良い結果だけでなく、良いチャレンジについても、
  2. 組織としての感謝や敬意といった承認の意思表示を付して、
  3. 成果事例を組織全体で情報共有すること

となります。

 

■改めてお伝えしておきますが、

組織を変えたいならば、

「評価よりも承認を重視すること」

が不可欠です。

 

評価とは

「組織や上司の価値観に照らして、良い・悪いを判断すること」

です。

 

評価しかされない組織では

(我が国では、ほとんどの組織がこれですが)

結果についての責任を負わされ、

結果だけを見られてしまうので、

職員は萎縮してしまい、生産性はあがりません。

 

また職員も結果を出すための道具のような位置付けになるので、

やりがいを感じることはできず、

明るく活性化した組織になることはできません。

 

一方、承認とは、

「無条件に理解し応援すること」

です。

 

充分に承認された子供は、

自己肯定感が高く、

他人の価値観に振り回されて苦しんだり

表面的に他者に迎合して自分らしさを失うといったことがなく、

様々なことにチャレンジできる

のびのびとした人間に育つことができるものです。

 

それは、職員も同じで、

充分に承認されていると、

職場が安心・安全な場となり、

ちょっとやそっとの的外れな発言をしても評価が下がらないと

感じられるので、

さまざまなチャレンジをすることができるのです。

 

そんなのびのびとした組織にするためには、

日頃から組織が、承認して見せることが必要となるのです。

 

したがって、チャンレンジングな組織へと変革したいならば、

「評価よりも承認を重視すること」

が鉄則です。

 

 

 

つまり、上述のように、

良い結果だけでなく、良いチャレンジについても

組織が日頃から情報共有することが重要となるのです。

 

理想的なのは、トップみずから

「何もしないよりも、何かする方がはるかに価値がある」

と明言しておくことです。

 

>>>つづく