■組織改革をしようとすると、
必ずと言っていいほど、抵抗勢力が現れます。
人間は、だれでも、
「変化が嫌い」
なのだということを踏まえて負いた方が良いでしょう。
たとえ、自分の利益になることでも。
■ある病院でのこと。
かねてから残業も多く、
「思うように休みが取れない」
「昼休みも充分にとれず、現場に戻っている」
などの声があり、
職員が疲弊していました。
そこである時、
上層部から、
「残業を減らすために、業務の棚卸をしよう」
と呼びかけたところ、
各部署から、
「忙しくて、そんなことをしていられない」
と反発の声が上がったと言います。
■また、ある施設でのこと。
どうしても管理が行き届かず、
ベテラン職員が業務を後輩に押し付けたり、
職員が業務を丁寧にしていても誰にも見ていてもらえないなど、
「働きの多い職員が報われない」
という状況が起き、
モチベーションが下がった職員が辞めてしまう
ということが続いていました。
そこで、
「働きの多い職員がきちんと報われる組織にしよう」
と、評価制度を
新たに設けることにしました。
しかし、
「評価されるのは抵抗がある」
と反発の声が起き、実施を見合わせた、ということがありました。
■また、これまでに関わった病院の中にも、
管理職が
「部下が基本行動ができず困っている」
「新しい施策に非協力的で、現場が動いてくれない」
「残業を減らすためなのに、部下たちが業務の棚卸しをしようとしない」
「ちゃんと報われるためなのに、評価制度に否定的」
など、
チーム運営に悩んでいる例が多々あります。
そのため、
部下指導のために苦労したり、
部下との面談に時間を割いてみたり、
部下に気を使って業務を抱え過ぎたり、
少なからぬ時間と労力と気遣いを費やしています。
管理職が業務を抱えて疲弊しているため、
職員の多くが、
「管理職になりたくない」
という病院も少なくないのが現実です。
そこで、
患者サービス研究所では・・・、
管理職が指示・命令をしなくても、
部下職員が、みずから気づき工夫し改善し続ける
「自律進化組織づくり」
を、
1日5分のコミュニケーションによって実現する
「HIT-Bitプログラム」
をご紹介するのですが、
「1日5分もかかるのは無理」
と、抵抗感を示されることがあります。
自分自身が
少なからぬ時間と労力と気遣いから永遠に解放され、
最も管理職が楽になる施策であるにも関わらず、
現状を変えようとしない傾向が
しばしば見受けられます。
■やはり、人は、どうしても
担当する業務などの、目先のことに集中するあまり、
近視眼的になってしまうものなのでしょう。
これは、当人たちが間違っているのではなく、
人間の心理構造が、
「目先のことにとらわれがちなため、変化を好まない」
ものだということに過ぎないのです。
したがって、
「自分にとって有益な変化なのに、なぜ拒むのか?」
と、思う必要はありません。
「すべての変化に抵抗感が示されるものだ」
と考えておけば、驚くことはありません。
そして、変化への抵抗・反発に振り回されることなく、
「有益なことなので」
と、毅然と進めることが必要だということですね。