制度では、職員が幸せにならない構造

制度では、職員が幸せにならない構造

■かねてから、

医療現場では職員の定着率を向上したいという声が

ありました。

 

そのためには、

「どうやってモチベーションを上げるか?」

が大きな課題になっています。

 

では、

2007年から謳われているワーク・ライフ・バランスの

取組において、

何が挙げられていたでしょうか?

 

その代表は、

・残業を少なくする

・有給休暇を取りやすくする

・福利厚生を充実する

・評価報酬制度を整備する

となっていて、制度設計が主なものとなっています。

 

しかし、

・やりがいある職場づくり

は挙げられていながらも、具体的な施策は講じられていません。

 

また折からの働き方改革においても、

まず推奨されているのが、やはり

・残業を少なくする

・有給休暇を取りやすくする

となっています。

 
そして、この春、労働法が改正されて、
・残業時間については、
上限が法律で定められました。
 
これまでは36協定の特別条項を設ければ
実質上、残業を無制限にさせることが可能だったので、
そんなブラック企業には、
今回の法改正が良い法整備だったと言えるでしょう。
 
また、
・有給休暇についても、
時期指定義務が法律で定められました。
 
年10日以上の有給休暇を付与される職員に対しては、
雇用者は、年5日の有給休暇を
取得させなければならない、という規定であり、
有給を普通にとることができないブラック企業には、
これも良い法整備だったと言えるでしょう。
 
しかし、いずれも
相当なブラック企業には有効ですが、
世の中の多くのそれほどでもない職場においては、
「ま、フツーですー」
という感想が聞かれそうな気がします。
 

そして、やはり挙げられている

・やりがいある職場づくり

は挙げられていながらも、具体的な施策は講じられていません。

 
こうしてみると、
「このような取組で、職員が幸せになるのか?」
と聞かれれば、
こうした制度設計によって、
職員が幸せになることはない、
ということはみなさんも感じておられることでしょう。
 
ブラック企業で奴隷のように働かされている人たちが
救われることを除いては。
 
■なぜ、せっかくの行政施策が、
多くの労働者の幸せにつながっていないのでしょうか?
 
それは、ピントがズレているからです。
 
上記のような労働法改正は正しいことですが、
それは大前提であって、
さらなる必要な施策が講じられていないということです。
 
そもそも、職員の幸せを考えるとき、
2つに分けて考えなければならないことを見失っているのではないでしょうか?
 
それは、
「身体が求めるもの」
「心が求めるもの」
です。
 
そして、
「身体が求めるもの」
とは、
「快適性、癒し、休息」
ですから、たしかに、
残業を減らしたり、有給休暇を取得するようにして、
時間を与えることや、
福利厚生を充実して、
職員旅行や、テーマパークに遊びにゆけるなど、
リフレッシュをできるようにすることは意味があります。
 
ところが、
「心が求めるもの」
とは何でしょうか?
 
それは、
「価値観の解放」
の他なりません。
 
価値観の解放ができなければ、人は健全に生きることはできません。
 
イメージがわかない方のために、
具体的に話しましょう。
 
■もし、上司が
「お前が何を大事にするべきだと考えているかなど、
どうでもいい。
言われたことを早くやれ。
仕事なんだから、責任を果たすのが当り前だ」
と指示と評価しかしない職場だったら、
みなさんは、
「気持ちよく勤めよう」
と、何日、思い続けることができるでしょうか?
 
そんな時、
「残業は少ない」
「有給は取りやすい」
「評価制度がちゃんとしている」
といったことが、支えにならないことは、
想像に易いでしょう。
 
これは価値観を解放することができず、
その反対に、価値観を抑圧されているからです。
 
そして、価値観を抑圧されると、
人はあっという間にモチベーションを損ない、
できるはずのこともしたくなくなってしまうのです。
 
価値観を解放できず、心が死んでいたままという
職場が多いので、
どんなに身体が求めるものを与えられていても、
慰めにならず、
心が病んでしまう人が後を絶たないのは、
むしろ当然だということがわかるのではないでしょうか。
 
■この反対に、もし、上司が、
「正直、お前の話にぼくはピンとこないのだけれど、
でも、お前がそこまで言うなら、
わかった、応援しよう。
お前が納得いくようにやってみろ!
やるからには、しっかりやれよ」
と自分の価値観を理解し、応援し、承認してくれる職場だったら、
おそらく、
「よし、誰が何を言おうと、気が済むまでやらせてもらおうじゃないか」
と心から思えるのではないでしょうか・
 
これは価値観を解放されているからです。
 
そして、上司も同僚も、
周囲がみな、このように自分の価値観を解放してくれる職場であれば、
日々、心が活き活きとするはずです。
 
人が、
「この仲間と一緒だから、もっと頑張れる」
と思えることがあるのも、
こんな職場だからです。
 
寝食を忘れて、仕事に熱中できるのは、
自分の価値観を解放できた時に他ならないでしょう。
 
■こうしてみると、
ワーク・ライフ・バランスにおいても
働き方改革においても、
この
「心が求めるもの」
については、まったく眼中にないことが、
どんなに制度設計をしても、
職員にとって「フツー」となることはあっても、
決して「幸せ」にはならず、
離職やメンタル疾患が減らない原因だ
……ということが見えてくるのではないでしょうか?
 
では、どうすれば、
「価値観の解放」
が当り前になされる職場を創ることができるのでしょうか?
 
「理解・尊重・承認したくない」
という人ばかりの職場はありません。
 
それなのに、なぜ、
「理解、尊重、承認」
が日常の中で当り前に行われないのでしょうか?
 
それは、そうしたメッセージを発信し合うような
「関係性」
「機会」
が職員同士の間にないからです。
 
そして、それは現場から自然発生することはありません。
 
ということは、
経営者・上層部が、
「理解・尊重・承認のメッセージを発信し合う関係性と機会」
を意図的、作為的に創ることが必要ということです。
 
そのための、もっともシンプルな方法が、
患者サービス研究所の提唱する
「HIT-Bit」
です。
 

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