■こんにち、人材不足の環境の中で、あらゆる組織が、
職員の離職を防止し、
モチベーションを高め、
さらには大いに能力を発揮してもらいたいと
切実に願っています。
ホワイト企業づくりや
健康経営などが叫ばれているのもそのためでしょう。
しかし、いまだに、
職員を活性化し、全体の生産性を最大化するカギが見つからずに、悩んでいる組織がいかに多いことでしょう。
50年前から求められている
「全員参加の総力経営」
という言葉が、体現されるのはいつのことでしょうか。
■なぜ、それが実現しないのか?
それは、
心理構造への理解が浅い「旧・組織論」から目が覚めずにいながら、
こんにちの組織を変えようとしているからです。
現在は、
心理構造を深く理解した「新・組織論」を前提にしなければなりません。
なぜなら、大きく時代は変わったからです。
■どう変わったのか?
最もシンプルに言えば、
「辞めない時代」から「辞める時代」に変わった
・・・のです。
例を挙げてみましょう。
▶︎辞めない時代には、
部下職員をどんなに追い詰めても辞めなかったので、
部下職員を支配できました。
いま辞める時代では、
部下職員が勤め続ける選択をしてくれなければならず、
部下職員を支配できません。
▶︎辞めない時代では、
働くことが前提だったので、働きぶりに対して
評価・表彰したり、
競争させれば、
もっと頑張ってくれました。
いま辞める時代では、
つねに戦線を離脱する選択肢があるので、
評価・表彰も競争も
職員にとっては、苦痛の原因にほかなりません。
▶︎辞めない時代では、
上司が言いたい放題でも、
部下は着いてきてくれました。
いま辞める時代では、
職員には厳しさに対する耐性がなく、
パワハラがメンタル疾患につながります。
▶︎辞めない時代では、
組織においてモチベーション向上といえば
「もっと頑張らせること」
でした。
いま辞める時代では、
組織が気にしなければならないモチベーションとは、
「勤務し続けてくれること」
のことです。
▶︎辞めない時代では、
モチベーション向上に有効なのは、
待遇の与え方でした。
いま辞める時代では、
職員のモチベーションを向上するものは
待遇ではなく、
最大の悩みは人間関係と言われています。
▶︎辞めない時代では、
組織におけるコミュニケーションといえば、
上が決めたことを下に従わせる、
すなわち上意下達でした。
いま辞める時代では、
組織におけるコミュニケーションは
上下の別なく、
「相談」
である必要があります。
▶︎つまり、辞めない時代では、
部下職員の価値観に配慮することは不要でした。
いま辞める時代では、
部下職員の価値観を尊重せずには、なにもできません。
▶︎辞めない時代では、
組織を動かすのは、「指示・命令」でした。
いま辞める時代では、
「仲間づくり」ができなければ、組織を動かすことはできません。
▶︎辞めない時代では、
企画された研修に、職員は参加して学ぶべき、という建前でした。
いま辞める時代では、
職員が出てきてくれそうな研修を企画しなければ、前向きに学んでもらうことはできません。
▶︎辞めない時代では、
組織や上司は、
「研修で伝えたのだから理解しているはず」
「なぜやらないのだ!」
と叱責すればよかったものです。
いま辞める時代では、
実践しない責任を部下に負わせることはできず、
学んだことを実践する気持ちになってもらわなければなりません。
▶︎辞めない時代では、
やる気が出ないのは本人の責任で、
それをどうにかすべきなのは本人自身でした。
いま辞める時代では、
部下任せにしていては健全な組織にならないので、
部下のやる気をどうにかするのも組織の役割です。
▶︎辞めない時代では、
部下職員が、言いたいことが言えなくても
我慢して働き続けるので、
「そんな不満を解消できないのは本人の責任」
と突き放していても、まったく問題ありませんでした。
いま辞める時代では、
部下職員が、言いたいことを言える環境をつくらなければ、
その弊害が、
確実に組織や上司にまわってきます。
▶︎辞めない時代では、
部下職員が、
「指示されたことはやらなければならない。
でも本当はそこまでしたがうのはつらい」
といった自己不一致に苦しんでいても、
「そこをやるのが仕事だ」
「楽な仕事なんてない」
と押し付けていれば、
上司は職務を果たしたことになっていました。
いま辞める時代では、
部下の自己不一致を
部下自身が解決できないため、
放置してしまうと、やがて退職にもつながりかねないので、
部下の内心のことまでもが、
上司の管理能力の範囲と考えなければなりません。
▶︎辞めない時代では、
やる気が出ないのは、
部下職員本人の責任であり、
「やる気が出ないとはなんだ!甘えるな」
と、上司は叱責していれば良いものでした。
いま辞める時代では、
「部下のやる気を出させることなどできない」
という上司こそ、
「それでも上司か!甘えるな」
と非難されるようになっています。
■このように、
以前から世間の隅々にまで蔓延している「旧・組織論」と
これから必要となる「新・組織論」の
違いを挙げればきりがありません。
どこをどう切っても、
ことごとく180度違う時代になってしまったことが
おわかりでしょう。
それは、とりもなおさず、
「辞めないのが当り前の時代」だったものが、
「辞めるのが当り前の時代」へと変わったことに起因するのです。
世の中は、
いったい、いつまで「旧・組織論」の感覚で、
「部下を支配できる」
つもりでいるのでしょうか?
同じく、多くの組織改革コンサルタントは、
いったい、いつまで
「組織をコントロールできる」
という思い上がった改革策を勧めるのでしょうか?
■時代が変わったという例を、さまざまに列挙しましたが、
本質(すべての例の根源)は、以下の点でしょう。
▶︎辞めない時代では、
職員を指示命令によって縛り、
思うように支配できることが前提でした。
いま辞める時代では、
職員に「ここで続けよう」と思ってもらえるためには、
そのように選択してくれていることに対する
「感謝」や「敬意」、「賞賛」「承認」が
不可欠となっています。
■「そんな気遣いが必要なのか?」
と思うでしょうか?
しかし、
職員同士であっても、上司部下であっても、
お互いに、
相手が自分と同じ職場で一緒に働くことを選択してくれていることに対して、
「一緒に働くことができて嬉しいよ」
と、「感謝」「敬意」「賞賛」「承認」を持って働くことは、
考えてみれば、
一緒に働く相手を尊重することであり、
「人として当り前」のことではないでしょうか。
モノづくりが中心だった、
社員までも工場の機械のように扱われていた時代は
もはや去りました。
一緒に働く選択をしてくれている同僚に感謝・敬意・賞賛・承認の気持ちを持ちながら働く時代へと、
わたしたちも変わろうではありませんか。
それが結果的には、
職員の健全な就業や
組織の生産性の最大化をもたらすことは
火を見るより明らかでしょう。
■そこで、お聞きします。
みなさんの現場では、
上司部下、職員同士で、
「感謝」「敬意」「賞賛」「承認」の言葉が
交わされているでしょうか?
もし、そうした言葉が交わされていなければ、
「辞めない時代」
の文化から、まだ切り替えることができていない、ということかもしれません。
■「感謝」「敬意」「賞賛」「承認」の言葉が
日常において当り前に交わされる文化をつくることができるのだろうか?
と思うでしょうか?
患者サービス研究所の提唱する
「HIT-Bit」
は、「感謝」「敬意」「賞賛」「承認」の言葉が交わされる文化を、醸成し、永続することを可能にするためのコミュニケーション・モデルです。
そのため、HIT-Bitを行なうと、
離職を防止できるのみならず、
職員を活性化し、全体の生産性を最大化することが可能となります。
そして、
職員のモチベーションが向上し、
みずからの責任において言いたいことを言い、
やりたいことをやり、
現場からどんどん改善提案・問題提起が上がる組織となります。
■HIT-Bitについては、
現在、1Dayセミナーを実施しています。
一過性の施策を卒業し、
本当に効果が永続する組織づくりを実現したい方は、
ぜひご参加ください。
◆ 2月15日(金)13:30〜16:30【東京】
◆ 3月11日(月)13:30〜16:30【大阪】
◆ 3月23日(土)13:30〜16:30【鹿児島】
◆ 4月19日(金)13:30〜16:30【東京】
◆参加費:1人当り4,000円
■自律進化組織が6ヶ月で生まれる方程式「HIT-Bitプログラム」
については、
ブックレットで概略をお読みいただくことも可能です。
A5判、76ページ
1部800円となります。
または、少人数で開催している
1Dayセミナーで詳しくお伝えしています。