教育する時は、「教育したくない!」気持ちが大事

教育する時は、「教育したくない!」気持ちが大事

■しばしば、病院での接遇研修の依頼を受けることがあります。

 

また、接遇委員会の活動に、コンサルティングに入らせていただくことがあります。

 

しかし、多くの場合

「そもそも、接遇委員会のミッションは何か?」

を明確にされていない傾向があります。

 

もちろん、

「病院の接遇を向上すること」

には変わりないのですが・・・。

 

というのも、やっていることは、

・接遇研修のコーディネート

・患者満足度調査と、その集計、掲示

・患者さんの意見箱からの改善

・職員の身だしなみなどについてのチェックリストによるチェック

・委員による院内巡視

……などなど。

 

そして、たいていは、

「どうして、研修にもっと職員が参加しないのだろう?」

「どうして、もっと現場に接遇への意識が浸透しないのだろう?』

と話し合っているのです。

 

これは、組織が望んでいる接遇委員会の姿でしょうか?

 

そして、こんな風に嘆きたくなければ、

実は、

「接遇委員会には、2つのミッションがある」

と考えた方がよいでしょう。

 

すなわち、

  1. 現場に対する接遇向上のための指導
  2. 現場が接遇向上したくなる組織改革
です。
 
そして、2の組織改革ができれば、
やがて本人たちがみずから情報を探し求め、学ぶようになるので、
1の接遇向上の指導は、要らなくなるはずです。
 
そうすれば、

「どうして、研修にもっと職員が参加しないのだろう?」

「どうして、もっと現場に接遇への意識が浸透しないのだろう?』

と嘆く必要もなくなるのです。

 

しかも、何より、

職員がみずから自分に足りないところを学び、

より良い接遇を実践しようとするので、

患者さんにとっても最も行き届いたあたたかい接遇が実現することになります。

 

ところが、

多くの接遇委員会は、

2の組織改革についてはまったく関心がなく、

1の接遇指導ばかりをしているため、

いつまでも職員が接遇に自発的にならず、

その職員を教育しようとするために効果が上がらない、ということが生じているのです。

 

■本題はここからです。

 

というのも、

実は、この構造は、接遇委員会だけに限ったことではないからです。

 

職員にさまざまな教育をしようとする時、

研修を企画することでしょう。

 

それは、今学んでほしいことであり、

みなさんが企画することは、今の現場には必要かもしれません。

 

しかし、本来は、

  1. 教育研修を企画すること
  2. 職員が学びたくなる組織改革
の、2つのテーマがあり、1の研修を企画することよりも、
むしろ2の方が重要である、ということを意識しているでしょうか?
 
つまり、
「今回は、時間も手間もかけられないので、自分が企画するが、
次回は、本人たちから
『このことを学びたいので、ぜひ企画させてください』
という声が上がるようにしよう」
と、目論んでいるか?ということです。
 
みなさんが個人情報保護の勉強会を開くのではなく、
「どうすれば、職員が個人情報保護を学びたいといいだすか?」
を考えましょう。
 
みなさんが半期を振り返るミーティングを催すのではなく、
「どうすれば、職員が半期が終わるので振り返りましょう!といいだすか?」
を考えましょう。
 
みなさんが職員を表彰するのではなく、
「どうすれば、職員が、こんな風にしてくれたらぼくたちモチベーションがあがります!といいだすか?」
を考えましょう。

 

みなさんが職員に反省するように促すのではなく、

「どうすれば、職員がみずから同じことを繰り返さないように工夫し出すか?」

を考えましょう。

 

お気付きの通りです。

 

ことごとく何もかも、

「どうすれば、職員が自分たちでやろうと思うだろうか?」

を考えることです。

 

このように2の組織改革を考え、実現してゆかなければ、

永遠に、

1の研修企画をしながらも、

「なぜ、もっと職員の意識が変わらないのか?」

「なぜ、現場が成長しないのか?」

と嘆き続けることから、抜け出すことができないのです。

 

■職員がみずから考え行動するようには、

一朝一夕にはなりませんが、

さまざまな方法のうちの一つだけ、ご紹介しましょう。

 

それは、

「一回、ラフにやってあげる」

という方法です。

 

親切にやってあげたために職員が満足してしまってはいけません。

 

ラフで結構です!

 

すると、職員の間から、

「こんなの意味がない」

「もっと違った内容が聞きたかった」

「もっと早い時間でやってほしかった」

「あの講師はよくなかった」

などの意見が上がるでしょう。

 

「では、次回は、相談させてもらうからね」

と言って、巻き込むようにすると、

唐突に責任を負わせたのではないので、

比較的スムーズに、関わってくれるようになります。

 

■もちろん、理想は、

みなさんが気づいていなかったことにまで、

職員からおもいがけない問題提起が上がったり、

職員からこれまでにない改善提案が上がったりすることですが、

そのための方法

「HIT-Bit」

については、いずれ、情報共有できれば嬉しいです。

 

■HIT-Bitについては、1Dayセミナーを開催中です。

◆  9月29日(土)13:30〜16:30【東京】

◆  10月28日(日)13:30〜16:30【東京】

お申込みはこちらから

https://www.meducation.jp/seminar/?fw=患者サービス研究所

 

なお、以下の方は無料でご参加いただけます。

これまでに

・東京・大阪その他のHIT-Bitセミナーに参加したことがある

・2016年11月以降のSSKセミナーでHIT-Bitについて聞いた

・吉岡経営セミナーでHIT-Bitについて聞いた

・2017年8/6のメディカルコンソーシアムでHIT-Bitについて聞いた

……に該当(リピート)する方。

 

また、リピートの方が

上席者の方を伴って参加される場合は、

ご同席者の方も無料でご参加いただけます。

 

というのも、

本当に現場を自律進化組織へと変え、

結果を出していただきたいからです。