気づいた時には手遅れ 「組織の生活習慣病」

気づいた時には手遅れ 「組織の生活習慣病」

■昨年12月に、NHKでは

首都直下地震が発生したときのことを描いたドラマが

放送されていました。

(特集は6夜連続。うちドラマは4話連続)

 

東日本大震災の光景を彷彿とさせる映像も多々あり、

その緊迫感がリアルに伝わってくる内容になっていたと

思います。

 

もちろん、

単なる興味本位のパニック映画やパンデミック映画ではなく、

その現場に直面する人々の

苦悩や迷いなどが描かれていて、

「自分だったら」

を考えさせるように作られていたことが素晴らしい番組でした。

 

みなさんもご存知の通り、

首都直下型地震は、

30年以内に、70%の確率で起きると言われています。

 

これを聞いた私たちの反応は様々でしょう。

 

真剣に首都圏脱出を、具体的に考え始めた方もあるでしょう。

 

特に幼いお子さんを持つ方々には、そういう方も少なくないのではないでしょうか。

 

ハザードマップを買ってあるという人もいるでしょう。

 

非常袋を購入した人もいるでしょう。

 

非常袋以外にも、非常食や災害トイレセットなども完備した方もあるかもしれません。

 

首都直下型地震が

「かならず起こる」

と思っている人もいれば、

「起こるかもしれない」

という受け止め方の人もいます。

 

■将来の危険を、

リアルに捉える想像力があるか、

その想像力が乏しいか、で行動が変わってきます。

 

医療従事者の方々には、むしろ専門領域ですが、

生活習慣に起因する病気は、

まさに想像力の乏しさが原因になっているとも言えるでしょう。

 

■普段、

苦痛が感じられないため、

つい不摂生を続けてしまい、

 

身体に異常が現れた時には、

もはや治らない状態になっていた、というのが生活習慣病です。

 

そうなった時のことをリアルに捉える想像力があれば、

「今日から変わらなければ」

と思えるはずです。

 

なかなかそうならずに病気が進行していってしまうのが、

生活習慣病の恐いところです。

 

■そして、

病院であれ企業であれ、

組織にとって最も恐いのが、

組織体質の生活習慣病です。

 

これまで、それなりにやってきた以上、

地域には、それなりのニーズがあり、

日々、患者さんも来ます。

 

入院もしてくれるでしょう。

 

一方、

映画やテーマパークのような娯楽産業の場合には、

不快な思いをしたら、

みなさんも、二度と行かなくなりますから、

客離れは顕著です。

 

レストランなどの外食産業は、

フロア・スタッフの対応が悪くなっても、

また、多少食材の質が落ちても、

来店客がそのことに気づくまでにやや時間がかかりますが、

やはり次第に足が向かなくなり、

お客さんは離れてゆきます。

 

これらに対して、

医療機関の場合には、

職員の対応が悪くても、

他に近いところや専門医がいなければ、

嫌々でも、患者さんは通ってくるでしょう。

 

医療や看護、検査の質が下がっても、

医療従事者として働いた経験がない患者さんは、

すぐにそのことに気づかないので、

やはり、通い続けるでしょう。

 

そのため、

・患者さんが減ったり、

・連携先からの望むような紹介が少なくなったり、

・地域の評判が落ちたり、

といった自覚症状が現れたころには、

組織の内部は荒れ果てていて、

簡単には修復できない状態になっていることが多いものです。

 

言うまでもないことですが、

職員のモチベーションを上げて、

職員の「より良くしよう」という意欲を喚起し、

職員同士のコミュニケーションを円滑にして、

新しいことへも積極的に取り組むように、と、

組織体質を改善することは、

容易なことではありません。

 

もちろん、

一朝一夕に是正できることはありません。

 

一度、

「ここで冷たくあしらわれた」

「相談に乗ってくれなかった」

といった思いをして離れていった患者さんが、

また期待をもって来院してくれるようになるには、

とてつもない時間がかかります。

 

それは、

みなさんご自身の視点で考えていただければわかりやすいでしょう。

 

友人や知人から冷たい対応をされて、

「この人には、もう会いたくない」

と思ったことが、これまでの人生で何度かはあるでしょう。

 

そして、そんな相手に、

わざわざ会う必要もないのに、

みずから電話をしたり、手紙を書いたり、

まして足を運んで会いにゆくことなど、

無いのではないでしょうか。

 

そして、もし、

よほど避けがたい必要に迫られることがあって、

止むなく会ったとしても、

挨拶をする気にもならないでしょう。

 

まして、

顔を見て話したり、他愛もない話をする気には

まずなれないのではないでしょうか。

 

一度失望した人が、

関係を修復しようとするのと同様、

一度離れていった患者さんが

また病院を選んで来院してくれることは、

とてつもなく難しいことだということです。

 

そんな状態になってから、

職員の意識を変えて病院を立て直そうとしても、

もう手遅れです。

 

■職員の意識や組織の体質は、

目には見えません。

 

また、その変化がすぐに現れるわけでもありません。

 

そのため、

組織体質が劣化していても、

まったく手を打っていない病院が、

少なくないのが実情です。

 

組織体質を醸成するためには、

トップの価値観が何よりも重要です。

 

ほぼすべての病院に、理念はあります。

 

クレドを作ったところもあるでしょう。

 

しかし、

その価値観を浸透させているところは、稀です。

 

多くが、

「伝えたんだから、伝わっているはず」

というスタンスになっているようです。

 

しかし、これでは、理念は浸透せず、

職員の意識を喚起し、

組織体質を向上することはできません。

 

伝えても伝わらず、組織体質を変えることができない

最大の原因は、

上層部や管理職からの、上意下達の

「一方通行」

だからです。

 

では、どうすれば良いか?

 

上層部や管理職からのメッセージととともに、

現場の部下職員からのメッセージも交わされる

「双方向」

のコミュニケーションにすることです。

 

そのためにコミュニケーション・モデルが

「HIT-Bit」

です。

 

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