現場からイノベーションが起こらない理由は、上層部にあり

現場からイノベーションが起こらない理由は、上層部にあり

■首領

「1971年の初回放送からもうすぐ50年。

そのうち世界制服できたらと思ってやってきたが、

いつかと幽霊は出た試しがない。

この世界征服事業50周年を機に、

いよいよ世界を征服しちゃいたい。

そこで、死神博士、

来月こそ必ず世界を征服するための現実的な計画を立てよ!」

 

死神博士

「首領、かしこまりました」

クルリ(部下に向かって)

「怪人パンダ男、計画を立てよ。絶対やれるやつだ!」

 

怪人パンダ男

「死神博士、かしこまりました」

クルリ

「戦闘員、計画を立てよ。絶対やれるやつね」

 

戦闘員

「キキー!かしこまりましたー!」

 

しばらくして、

 

戦闘員

「キキー!できましたー!」

 

怪人パンダ男

「死神博士、

現場がいろんな意見を出し合ってくれました。

戦闘員から良い案がいっぱい上がりました!」

 

死神博士

「首領、怪人パンダ男から案がたくさん上がりました!」

 

首領

「どれどれ…、東京を火の海に…?

相当なガソリンがないと。そんなに大量のガソリンを運べるの?

全員でやっても毎日10tトラックで何往復するつもり?」

 

「なになに…、地震を起こす…?

地中に爆薬、そんなに穴を掘れるの?

毎日ボーリングで何万本になるけど、できるの?」

 

「あのさー死神博士さー、

全部読んだけど、これ本当にできるの?

予算もかかるんだから、やるなら絶対できるやつって頼んだよね!」

 

死神博士

「首領、申し訳ございません。

では見直します(汗)」

クルリ

「おい怪人パンダ男、

絶対実践できるやつって言ったでしょ!

できない目標立てたって意味ないんだから」

 

怪人パンダ男

「死神博士、申し訳ありません。

見直します(汗)」

クルリ

「戦闘員、おまえたち、絶対実践できるやつって言っただろー。

おれが死神博士に怒られちゃうでしょうがー!」

 

戦闘員

「キキー!かしこまりました(涙)」

 

しばらくして、

 

戦闘員

「キキー!作り直しました(涙)」

 

怪人パンダ男

「死神博士、作り直しました(汗)」

 

死神博士

「どれどれ、まずは多摩の団地のこどもたち10人をさらって、催眠術で操って…。

(小っちゃーーーい。でもまず実践しなきゃ)

これならできるの?

じゃ、とにかく来週、それでやって!」

 

翌週…。

 

首領

「ハイ聞きましたー、結局また失敗したんだってね。

いつもと同じことをやっていたら、いつもと同じ結果になるよねー。

もっと大きく成長してほしいから目標を立てさせたけど、

かえって受け身になっちゃうんだよね。

みんな、計画は上司が立ててくれるって履き違えてないかなー。

どうしたら殻を破れるのかなー」

 

■というように、

トップや上層部が

「ああすべき、こうすべき」

「絶対結果を出せ」

「必ずうまくいくのか?」

と、

プロセスに介入して圧力をかけてしまうと、

現場はかえって萎縮するため、

抜本的な改善案は絶対に上がらなくなります。

 

その結果、

お行儀の良い、

これまでと変わらない意見しか上がらなくなるのです。

 

すると、

イノベーションが起こらないどころか、

小さな改善も生まれなくなってしまいます。

 

■もし、みなさんが、

指示・命令をしなくても、

「現場がみずから気づき考え話し合い改善できる

自律進化組織」

を作りたければ、

「うまくいく保証があるのか、ないのか」

「必要かどうか」

「緊急性があるかどうか」

「必ず利益が上がるのか」

などのジャッジをしないことです。

 

反対に、上層部・管理職から率先して、

「何でも言ってみて!

できる・できないは後で決めれば良いのだから」

と呼びかけ、

まずは承認し合うことが当り前の組織を作ることが

必要不可欠なのです。

 

■そこで、お尋ねしましょう。

 

みなさんは、一日に何回、

「何でも言ってみて。できる・できないは後で」 

と部下職員に呼びかけていますか?

 

ぜひ習慣化してください。

 

すると、良い意見がどんどん上がってきます。

 

現場の職員の方々は、

その多くが、

やはりさまざまに気づき考え、

もっとより良くしたいと思って働いているのですから。

 

■とは言うものの、

習慣化は、難しいでしょう。

 

お互いに多忙な現場では、

毎日、各職員に投げかけることは困難だからです。

 

そこでつくられた、

常に

「何でも言ってみて。できる・できないは後で」

と日々発信するためのコミュニケーション、

それが

「HIT-Bit」

です。