組織を変えるなら、トップは明確な”世界観”を持て!

組織を変えるなら、トップは明確な”世界観”を持て!

■組織体質を変える場合、トップは最初に何をするべきでしょうか?

  1. 現在の組織体質の問題点を明確にする
  2. 現在の組織体質についてスタッフに話し合わせる
  3. さまざまな組織論を学ぶ
  4. 新たに目指したい組織の在り方を理念にして告知する
  5. 新たに目指したい世界観を明確にして体得する

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■組織体質を変えるということは、
組織文化・組織風土を変えるということなので、

言い換えれば、
「世界観を切り替える」
というイメージでとらえる方が良いでしょう。

文化が変わるのは、
日本語で話すのが当り前の日常を
英語で話すことが当り前の日常に変わるような
ものとも言えるからです。

いま一般的な指示命令体質を
自律進化体質へと変えるのも、
それくらいの世界観の切り替えだということです。

しかし、
わたしたちには、
驚くほど、指示命令体質がしみついています。

それは、
これでもか?と感じるほどです。

変える方法はシンプルで簡単ですが、
「最も重要な部分を180度変える」
ということだからです。

■ただし、
本当に自律進化体質を理解されている方々は、
お互いに話していて
相手の自律進化体質の世界観を聞いても、
まったく驚きません。

「それはそうなりますよね」
「そうすれば、必ずこんな反応がありますよね」
「その場合には、当然こんな展開になりますよね」
「そして、このようにすれば、うまく進みますよね」
と、

あたかもかつて
同じ職場で働いていたことがあったかのように、
意見が一致する傾向があります。

それは、
自律進化体質の組織文化を究めれば、
論理必然的に、
一つの答えに辿り着くからに他ならないからでしょう。

■そこで、
いま世間で一般的な指示命令体質と
自律進化体質の
ギャップを示してみましょう。

たとえば、
人事評価制度について、
「新たに評価基準を策定する」
ことになったとします。

●一般的には、
指示命令体質が基本的な思考となっているので
「策定委員会を設けて、そこで決める。
でなければ、絶対にまとまらないだろう」
という発想が自然でしょう。

このように、
「大事なことは密室で決める」
ということに違和感を覚えないとすれば、
それは指示命令体質です。

なお、一方、
(1)○自律進化組織では、
「密室で決めることに抵抗を感じる」
ものです。

●指示命令体質においては、
大事なことほど、
「策定委員を誰に任せるか。
人選が大事だ」
となるでしょう。

しかし、
これはよくあるケースですが、
委員会を設ければ、委員に責任が課される一方、
それ以外のスタッフの意識は傍観者となってしまいます。

良いものが作られないばかりか、
作られたものに対しても、
傍観者からは感謝されないという悲しい事態になることが
目に見ています。

なので、
○(2)自律進化体質においては、
その課題に関心のある人を募り、
手を挙げた人に委員を務めてもらう、と言うことになります。

●一般的には、
「そんな責任の重い役割に手をあげる者がいるのか?」
「不満や非難を浴びるような苦労させては気の毒だ」
という発想になるでしょう。

しかし、自律進化組織においては、
○(3)口を出したい人が手を上げて参加しているのですから、
不満や非難をいう人は存在しないのです。

「誰かが不満や非難をしてくる」
とイメージしてしまうのは、
わたしたちの中に
「密室で物事を進める」
指示命令体質が染み付いているからにほかなりません。

●指示命令体質においては、
それでも、
委員会で策定しようとすれば、やはり
「現場から不満の声が上がるのが憂鬱」
という不安を感じる傾向があることはご存知でしょう。

一方、
(4)○自律進化組織では、
「なにごとも密室で決めれば、
現場から不満が上がるのは当然。

なので、
議論のプロセスも結果も、
すべてオープンにすれば良いだけ」
と、論理必然的に考えます。

●すると、一般的には指示命令体質が染み付いていますから、
「そんなことをしたら、
もっと意見が上がって厄介なことになる」
と心配することになります。

「オープンにすれば、
その議論のプロセスの段階で、
批判が起こりかねない。

しかも、だれがどんな発言をしたかが判ってしまうと、
それが恐くて、
委員が意見を言えなくなってしまうのではないか」
ということも、
ごく自然に懸念される傾向があります。

その点、
(5)○自律進化組織では、
「オープンにすれば、
さまざまな意見が飛び込んでくるのは当然。

なので、意見がある人には、
『ではどうぞ参加してご一緒に話し合いましょう』
と呼びかけて
巻き込めば良いだけ」
ということになります。

自律進化体質では、
そもそも、
「大事なことは委員会が密室で決める」
という発想はないので、当然です。

むしろ、
議論に参加したい多くの人が
議論に参加することは、
自律進化傾向が強いということなので、喜ばしいこと
とさえ考えます。

しかし、
●一般的な指示命令体質においては、心配は尽きず、
「そんなことをしたら、
主張する声が大きい人に有利になってしまうのではないか?」
と懸念されるでしょう。

まさに
「密室で決めてゆく」
という指示命令組織の世界観にいるからです。

反対に、
(6)○「なにごともオープンにする」
という自律進化組織の世界観にいれば、
そもそもオープンにしているのですから、
声の大きな人の主張に疑義や問題があっても、

ただちに、
その他のみんなからの意見が飛び込んできて、
是正されることになります。

そんな場面を想像すると、
●一般的な指示命令体質の発想では、
「そんなことになったら
収拾がつかなくなるのではないか?」
という心配することでしょう。

ところが、
そもそも、
トップや管理職が
「収拾がつかなくなったらどうしよう」
と心配すること自体、一般的な指示命令体質の現れであることに
お気づきでしたでしょうか?

(7)○なぜなら、そもそも、
自律進化組織とは、
自治組織ですから、
「収拾がつかなくなって困るのは自分たちだ」
と理解します。

収取がつかないことを
上層部や誰かのせいにすることはないのです。

したがって、
上層部が
「収拾がつかなくなったらどうしよう」
と悩むこと自体が
自律進化組織の観点からは、
あってはならない
「過保護」
な状態というほかありません。

●一般的な指示命令体質においては、
「収拾がつかないじゃないか」
と現場のスタッフが
怒り出したり、
上層部に不満を向けたりする、
というイメージが浮かぶかもしれません。

これも、
「大事なことは上が決めて、下は従う」
という指示命令体質が染み付いているからこそ、
「ちゃんと決まらないのは上のせい」
という他責発想になってしまう
結果なのです。

(8)○自律進化組織では、

  • なにごともオープンにし、
  • 参加も意見も自由にし、
  • 自分たちで決められるからこそ、
  • 他責発想ではなく自律発想となる

・・・ということです。

なので、
納得がゆくまで話し合いつつ、
自分たちが無用に困らない様に
妥結するところまで、
人任せにせず、
自分たちで進めてゆくことになります。

これが、
自律進化組織の世界観です。

■このように
一般的な指示命令体質の観点からの
「こうなったら心配だ」
という声に対して、

自律進化体質の観点からの
「むしろそれが望ましいことだ」
という、
ことごとく正反対の声となる、

このやりとりのギャップをご覧になって
みなさんも、すでにお判りのことでしょう。

●が、指示命令組織の世界観、
○が、自律進化組織の世界観です。

そして、
わたしたち自身も、
意外に、
●の指示命令体質の言葉を思うかべていることから、

思いのほか、
指示命令体質の世界観からくる思考や言葉が、
わたしたちの中に、
自然に息づいていることが感じられたのではないでしょうか?

一方、
自律進化組織の文化を理解する方々は、
○の自律進化体質の世界観からくる思考が、
ごく自然に、
頭に次々と浮かんだり、
指示命令体質の言葉を
口を揃えて発したことと思います。

■自律進化組織を創りたいならば、
まず、わたしたち自身が、
○の自律進化組織の世界観が当り前という感覚に
なることが大事です。

したがって、冒頭のクイズ
「組織体質を変える場合、トップは最初に何をするべきか?」
については、

[1]の「現在の組織体質の問題点を明確にする」
[2]の「現在の組織体質についてスタッフに話し合わせる」
[3]の「さまざまな組織論を学ぶ」
[4]の「新たに目指したい組織の在り方を理念にして告知する」
は、いずれも当りません。

最初にしなければならないのは、
なによりも
[5]の「新たに目指したい世界観を明確にして体得する」
ことに他なりません。

どんな場面でも、
「自分の目指す世界観では、当然、こうなる」
と、
トップが明確な組織文化を、
持っていることが必要です。

トップが、
世界観がグラグラしていては、
組織はもっとグラグラしてしまうことは、
言うまでもないでしょう。

そのように世界観を切り替えるには、
日々、リマインドしてくれる仕組みが必要です。

そのための最もシンプルな方法が、
1日5分のコミュニケーション・モデル
『HIT-Bit®︎』
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