負責病の事例(7) 「業務整理」

負責病の事例(7) 「業務整理」

◾️その病棟では、

あるミーティングがある時には、必ず、
窓口カウンターの棚から集計表を、
奥の端末の脇からファイルを取って
会議に参加し、
 
ミーティングの後は、
集計表とファイルをそれぞれの位置に戻す、
というルールになっていました。
 
新しく就任した師長が、それを見て、
「集計表とファイルは、いつも一緒に使うのだから
一緒の棚にしまったらいいのでは?」
と提案したところ、
 
聞かれた若手看護師は
「以前からこうするように言われていますので」
とのこと。
 
夕方の申し送りの際に、また聞いてみると、
ベテラン看護師が、
「前の前の師長に言われてから、そうしているんですよね」
と。
 
そこで、師長が、
「どうして、そう言われたの?」
と聞いてみると、
誰もそのルールの理由は知らなかった…、
ということがありました。
 
もちろん、
現場における大抵のことは理由があってそうなっていますから、
ファイルと集計表にも理由があったのかも知れません。
 
しかし、
理由もしらないルールを守り続け、
いつのまにか無用の制約にがんじがらめになってしまうのも不毛なことです。
 
なので、小さな違和感でも口に出して
「なぜこうなっているのか?」
理由を確認することは大切です。
 
というのも、
理由がわかれば、その理由に沿った改善ができます。
 
また、
理由が分からなければ、
いまはもう無くしても良いルールなのかも知れません。
 
部内で相談すれば良いだけのことです。
 
■ところが、
みずから業務を見直す習慣はなかなか見られないのが
実情ではないでしょうか?
 
こうした傾向の背景には、
「自分の仕事は、担当業務だけ」
つまり、
「業務の整理は、いつかだれかが(すなわち上司が)やってくれるもの」
という依存病があるのです。
 
同時に、
「業務の整理をしてやって、環境を整えてやるのは上司の仕事」
と、上司もみずから責任を負う、負責病担っていることが多いのです。
 
大量生産の高度経済成長期は、
工場の工員は、
ベルトコンベアーに向かってひたすら作業をすれば良いように
上層部や上司がレイアウトも部品の流れも整えてやり、
空調や採光、温度湿度などをかんりしてやる、
というのが当り前でしたが、
その頃のまま、
上司は、
「上司が環境を整える責任を負い、部下はその中で業務を遂行する」
という負責病から切り替えることができていないのです。
 
そのため、部下職員もそれに依存している、という構造です。
 
■そのように、担当している目先のことに埋没していると、
部下職員が、
冒頭の事例のように、
「いつの間にか、
誰が決めたかわからないルールにがんじがらめになって、
不満をこぼしつつも、
そのことにさえ気づかずに働き続ける」
という事態が生まれてしまうのです。
 
こうした状況から抜け出すには、
一時的な研修で何かを教われば急に視野が広がるというものではない、
ということはご存知でしょう。
 
1日も早く、
上司はみずから責任を負う「負責病」を卒業して、
部下から知恵や力を引き出す「引出力」を身につけること、
そして、
部下は上司の介入に任せてしまうくせに不満があれば文句を言う「依存病」を卒業して、
自分から気づき考え行動する「自律力」を身につけることを、
お勧めします。
 
それにしても、
現場のいたるところに負責病が見られることを
感じていただけているのではないでしょうか?
 
これでもか、というくらい、
組織の経営者・上層部から上司・部下に至るまで、
ことごとく指示命令体質が染み付いている証拠です。
 
この指示命令体質の大前提を覆さなければ、
いくら
「自燃型人材になれ」
「自走組織を目指せ」
「ボトムアップが大事だ」
と言って見ても、まったく組織は変わりません。
 

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