■かつてはどこの職場も多くの残業をしていましたが、
いまは制度上も社会文化的にも残業は歓迎されません。
そのため、
「以前は居残りして身につけた技能」
が、置き去りにされ、
「社員の技能のクオリティが低下している」
という現場も少なくありません。
しかも社員の人権意識が高まり、自己研鑽を強いれば
「ハラスメントだ」
となりかねません。
人命に関わる現場では
「このままでは事故が起きるのも時間の問題」
という声すらあるほどです。
この「未熟者激増問題」は、いずれ社会問題になるでしょう。
■経営者として悩ましいのは、
「自己研鑽を強要することはできない。
しかし、
技能や連携を向上させ生産性を上げなければならない」
ということでしょう。
では、どうするか?
そこで提案したいのが
「部活カルチャーをつくる」
です。
たとえば、
「販売力を身につけたら、独立しても役立つ」
と思う社員たちがみんなで
「売れて売れてしょうがない人になる部」
を作れば良いでしょう。
「生成AIを使いこなせたら副業もできるのでは」
と思う社員たちは
「AIで人生を変えちゃうかも部」
を。
「日商簿記2級を目指す部」
「プレゼンテーション・テクニック部」
などのような仕事直結のものも、
「ボランティア部」
「グランピング部」
「モテたい部」
「頑張るママ部」
などのような仕事無関係のものも、
若手なら
「ダンス部」
「TikTok部」
なども良いでしょう。
開設も自由なら、入退部も自由。
職階も所属も不問。
会社からは
場所とわずかばかりの活動費援助を提供するだけで済みます。
この
『部活カルチャー』の
最大のメリットは、なんといっても、
社員たちが
「仕事や職場を楽しくするのは自分たちだ」
そのために
「技能を向上したり人生を楽しみたければ自分たちで行動しよう」
と、自律的・自治的な思考になることです。
自律的・自治的ということは、誰に支配されることもないから
心が明るくなり必然的に職場が健全で健康になります。
それが巡り巡って
会社の事業に貢献することにもつながります。
それどころか、
任意団体なので、
外部の人や団体と繋がることもあり、
驚くような社会的活動やダイナミックな事業展開へと発展する可能性すらあります。
やりたいことがやれる楽しい職場は
健全で離れ難いので、もちろん離職も減ります。
採用にも社外人材にも困らなくなるでしょう。
■そもそも
「社員が活き活きしている時ほど、会社の生産性が高い状態はない」
そう考えると、
「どうやって職場が社員にとって活き活きできる場となるか?」
を1日も早く探究することが大切となります。
これからは、
「部活が盛んな会社が、社員満足度や就職人気が高く
しかも、生産性や収益率が高い会社」
となるのではないでしょうか。