■職員が退職するのは、
「人間関係」
と
「やりがいが感じられない」
が2大原因によるものと、知られています。
ワークライフバランス、ストレスチェック、働き方改革などが
進められていますが、
「人間関係」と「やりがい」について
着目した対策が講じられなければ、
いずれも、対症療法にしかなりません。
■なお、
「やりがいが感じられない」
という問題も、
上司・同僚が仕事の意味づけをしてくれることがあれば、
解消するので、
やはり人間関係の問題と言えます。
意味づけとは、
「いつもあなたに感謝している」
「あなたのことを誇りに思う」
「あなたの気持ちは、きっと患者さんに伝わっている」
「あなたのおかげで私たちも元気をもらえる」
といったメッセージです。
このような周囲からの意味づけがあれば、
業務が大変でも頑張ることができ、
反対に、
このような周囲からの意味づけがまったくなければ、
いかの業務が楽でも、1日たりとも頑張る気にはなれないものではないでしょうか。
したがって、
職員の離職は、
ほぼ全てが「人間関係」に起因すると言っても良いと考えられます。
■では、
「人間関係の問題」
とは何でしょうか?
誰と誰の関係か?
何が関係を悪くしているのか?
人間関係の問題は、ケース・バイ・ケースで、
「問題の数だけ原因がある」
と考えている人も少なくありません。
しかし、すべての人間関係の問題の本質は
「わかってもらえない」
の唯一つに尽きると言えるでしょう。
なぜなら、
周囲の方々が、みな自分の理解者だったら、
人間関係で悩むということは無いのではないでしょうか。
何をわかってもらえないのか?
と言えば、
「価値観」
に他なりません。
自分が大切に感じていることを、
周囲の人が、同じように大切に感じてくれていれば、
周囲の人も、自分と同じように考え、行動してくれたり、
あるいは協力してくれたり、
少なくとも応援してくれるはずです。
周囲の人がみな、そのように自分を理解してくれる人ばかりであれば、
およそ「人間関係で悩む」理由がありません。
むしろ周囲の人たちが、とても大切な存在になるはずです。
■では、どうすれば、お互いが
「良き理解者」
という存在になれるのでしょうか?
もちろん、まったく同じ価値観になることは困難でしょう。
しかし、まずは、お互いの価値観を尊重することはできるはずです。
それは、
「あなたが、そのような価値観を持っていることを受け止める」
ということです。
言い換えれば、
「もしわたしが、
あなたと同じところに生まれ育ち、
同じ経験を積んできたならば、
きっと、あなたと同じ価値観を持つことだろう」
と理解することです。
そのためには、
「何でも言ってみて。
あなたの望むようにできるかどうかは後で決めれば良いのだから」
と常にお互いにメッセージしあうと
有効です。
「あなたの望むようにできるかどうか」
は、他者の価値観のほか、
時間、費用、労力などによって決まるので、
後で決まることになりますが、
まずは、
お互いに安心して何でも言える関係性が必要となりますので、
日頃から、
「何でも言ってみて。
あなたの望むようにできるかどうかは後で決めれば良いのだから」
というメッセージを互いに交わしていることが不可欠となります。
■みなさんの現場では、
「何でも言ってみて。
あなたの望むようにできるかどうかは後で決めれば良いのだから」
というメッセージが交わされているでしょうか。